137話 5月27日#03−5月28日#01
ケレスに向かって走る列車の中で、俺たちは封筒の中にあった鉄の欠片について、話し合った。
「初めて見た時に思ったんだけど、これ、パズルみたいなものなんじゃないかな?」
テンの言葉に、ソラがこくんと頷いた。
「1つひとつの欠片を組み合わせると、何かができる……」
「ならば、貴様らが組み立てて、それを我に献上するがよい」
「器用そうなテンとソラで、ケレスに着いた後にやってみてくれるか?」
「オーケー」
「……頑張る」
俺はそれから、ケレスに着いた後の他のメンバーのことを考えた。
「ピエール33世とリアは、モルガン連れて情報収集してほしい。図書館とかで」
「……ふん!」
「あら、いいわね♪」
『了解です!』
「……あれ?私は?」
レイが不思議そうな顔をしている。
「俺と同じく、働いて金稼いでもらう」俺は頭を掻いた。「大雑把で方向音痴だから、どっちの仕事も任せられないからな」
「えー?そこまでじゃないと思うけど?」
「もうちょっと自覚持て」
列車はぐんぐんと、俺にとって見慣れた街並みへと向かっていく。
俺にとっての『日常』が近づくにつれ、何だか今までの旅が夢のようで、ふわふわしたもののような感じがした。
俺たちは、ケレスのプラットフォームに降りると、それぞれの目的を達成するために分かれて行動し始めた。
俺とレイは、何でも屋である『ありさん』で仕事を探す予定だが、その前に俺は電話をかけることにした。
――闘技場の試合に出場させてくれるスポンサーに!
何言われるかと思ってドキドキしたが、スポンサーがいつもいる事務所の事務員が出ただけで、明日本人と直接会う約束を取り付けることができた。
「あー。でも気が重い……」
「その『スポンサー』って、怖い人なのか?」レイは首を傾げた。
「怖くはないが……異常にねちっこいというか、嫌味が多いというか……」
「ふーん」
「どうせ『月の神』とか『星座の石』のこととかは信じてもらえないだろうから、旅人のレイや仲間たちにくっついて修行しているってことにしようと思ってる」
「じゃあ、私たちが一緒についていけば、話の信憑性が増すんじゃない?」
「まあ、そうだな……それなら俺と一緒に……」
その翌朝。
俺は頭を抱えて叫んだ。
「何も全員来ることないだろ!?」
スポンサーの事務所を目指す俺の後に、みんながぞろぞろとついてきていた。
「だって、何か面白そうだし?」
「ちょっと興味あるわよねー♪このポンコツを援助する人なんて♪」
『闘技士のスポンサーなんて、きっと金持ちなんでしょうね!』
「ごますり、しとく……?」
「貴様らが妙な真似をしないように、監視せねばなるまい」
「みんなで行けば、信憑性高くなるよな!」
――いやいや!ほとんど意味ないから!
「一体、何て言われるか……」
俺はがっくりと肩を落とした。




