130話 5月26日#01
翌朝。
「今日はどうするの?」
宿の隣にあったカフェで朝食をとっていると、テンは、コーヒーをスプーンでくるくるかき混ぜながら言った。
「……とりあえず、またソフィアに会いにいく……次行く街について、アドバイスもらう……」と、ソラが小さな声で言った。
「確かに、それはいい案だ」俺はパンをちぎりながら言った。「ただ、その前に……」
俺は、真向かいに座っている人物を見た。
「何でモルガンが一緒にいるかなあ……?」
「ん?」モルガンは、ベーコンエッグをむしゃむしゃ食べていた。「文句あるか?」
「いや、文句じゃなくて……前にもこんな感じで、しれっと俺たちについてきた奴がいたなーっと思って」
――あ。テンが目を逸らした。
モルガンは今日の早朝、俺とテンとリアが寝ている部屋の窓を割って侵入し、俺たちを叩き起こしてくれた。その窓はテンの『みずがめ座の石』の魔法で元どおりになったのだが、その時出た大きな音のせいで、宿中が小さなパニック状態に陥った。
「我の手伝いをするんだ……命令だ!」
――という感じで、現在俺たちと一緒に朝飯を食っていた。
「てか、あんた普通に人間と同じものを食べるのね」リアが、俺の皿から煮豆をちょろまかしながら言った。
「……何だ。岩でも食ってると思ったか?」モルガンはリアを睨みつけた。
「そうじゃなくて、あたしたちは船に乗ってる時、あんたを食堂では見かけなかったって話よ!」
「今の我は、力が制限されているからな。貴様らほどの量の食べ物を必要とはしない」
「あー、じゃあもしかして、魔法を使うと腹の具合が減るってことなのか?」
モルガンは俺にも鋭い目線を向けた。
「へー。意外な発見」
レイは口ではそう言っていたが、この返事の具合から察するに、たぶん10分後には忘れている。
『……とりあえず、モルガンさんの手伝いをしてあげる方向でいいということですかね?』
「まあ、やれる範囲でやってみるか」
俺がそう言うと、他のメンバーも首を縦に振った。
「貴様ら、だいぶわかってきたではないか」
モルガンは満足そうに言った。
「これから我のため、『林檎』のありかを探し、我に献上するがいい」
また妙な奴が仲間に加わったなと思いつつ、俺たちは朝食を終えた後、ソフィアに会いに学校を訪れた。




