生活水準を下げておけば、こういう時に楽
上司「志村くん」
志村父「はい?」
上司「君に新しい仕事だ」
父「いえあの、既にアナタからの大量の仕事で立て込んでいるのですが…」
上司「うちの親会社の取引先の取引先の子会社の取引先の親会社の社長からのお願いだ」
父「いやもう、うちと何の関係もないじゃん!!」
上司「報酬は100万円」
父「やりますやりやす!!是非やらせてください!!」
~次の日~
父「なんか、この高そうな服着て、その社長の高級車を運転してその会社に行くだけって言われたんだけど…なんだこの仕事」
父「まあいいや、こんな楽な仕事で100万円もらえるなら安いもんだぜ!!」
覆面1「おいそこのお前。今すぐ車から降りろ」
父「はい??」
覆面2「降りなきゃ撃つぞ?さっさとしろ」
父「なんだ??近くで映画の撮影でもしてんのか??お疲れ様です!!」
覆面1「は??何いってんだコイツ」
覆面2「状況がわかってねえみてえだな」
父「え??なに??」
覆面1「これは本物の銃だ。わかるか??」
父「すっげえ!!本物の銃で撮影してんのか!!」
覆面1「そういうことじゃねえ!!」
覆面2「さっさと車から降りねえと、テメエを撃ち殺すぞって言ってんだゴルア!!」
志村「す、すげえ!!迫真の演技だ!!俺もモブゲストととして負けてられねえ!!」
父「な、なんだってえええええ!?そ、それは大変だ!!死にたくない!!今すぐ車から降りよう!!」
(ドアを開ける音)
覆面1「よし、大人しくしろ」
父「はい!!」
覆面2「なんで元気いいんだコイツ…」
父「映画にでれるなんて夢みたいだ!!帰ったらアイツらにも自慢してやろう」
覆面1「なんか、ずっと勘違いしてんなコイツ!?」
覆面2「マジでバカなのか!?」
父「で、次はなんですか!?」
覆面2「まあいい、好都合だ。今からテメエをあるところに連れていく」
父「イエス、サー!!」
覆面2「やかましい!!」
~移動中~
覆面1「まったく…なんなんだコイツは…本当にあの有名大企業の社長なのか??」
覆面2「服も高そうだし、顔もよく似てるし、あの高級車にも乗っていたから、間違いないとは思うが…」
覆面1「こんなバカが社長してたら、すぐに会社潰れちまうだろ…」
覆面2「まあ、バカと天才は紙一重って言うだろ。それにバカのフリをしてる可能性もある」
父「あのー、いつ頃着きますか?」
覆面1「もうすぐだ」
父「もうすぐって何分くらいですか?てか撮影って全部で何分かかります?」
覆面1「は??」
父「あの、僕いうても結構忙しいんすよ。だから撮影も巻いていただけると助かります」
覆面1「まだ言ってんのかコイツ!?」
覆面2「いやむしろ好都合だ。このまま撮影だと思わせておこう」
覆面1「いやーすいませんね。お忙しいところ」
覆面2「逆に何分くらいならいけるんすか?」
父「そーですね…まあ1週間くらいならお付き合いできると思います」
覆面1・2「「超絶暇じゃねえか!!」」
〜10分後〜
父「グウウウウウウスピピピピ…」
覆面1「しかしよく寝てるな…誘拐されてるとも知らず、呑気な社長だ」
覆面2「とりあえず例の汚い狭いゴミみたいな倉庫に叩き込んでおこう
覆面1「そうだな。あそこなら誰にも見られないし、すぐに余裕もなくなる。助けを求めるはずだ」
覆面2「これで俺達は億万長者だな」
覆面1「ああ。なんたって大企業の社長だからな、会社が身代金を出さないわけがない」
~1時間後~
覆面1「おい起きろ」
父「グウウウウウウスピピピピ」
覆面1「おい」
父「グウウウウウウスピピピピ」
覆面1「おい!!」
父「グウウウウウウスピピピピ」
覆面1「どんだけ呑気に寝てんだゴルアアアアア!!」
父「はっ!?ここはどこだ!?」
覆面1「このゴミのような部屋で過ごしてもらう。助けを呼んでも無駄だ」
覆面2「クックック。この汚くて狭い部屋に、貴様を閉じ込め続けてやるぜ!!」
父「意外と広いな。俺の部屋より広いかも」
覆面1「いや、トイレぐらいの広さだけど!?」
父「キレイだな。ゴキブリがいないなんて」
覆面2「普通いねーよ!!」
覆面1「いや、アンタどんな暮らししてんの!?大企業の社長だろ!?」
父「いや、ちげえけど」
覆面1「はあ??」
父「ただのゴミ企業のゴミ社員だけど」
覆面2「自分のことをここまでゴミゴミ言う人初めて見た!!」
覆面1「しかし、どういうことだ…??」
覆面2「嘘をついてるに違いない。そんな生活をしてる人間なんて、この世にいるはずがない。無理してるんだ」
覆面1「なるほどな。騙されるところだった」
覆面2「まあとにかく、このゴミ部屋で1週間過ごしてもらう」
父「マジで!?最高じゃん!!」
覆面1「最高!?どこが!?」
覆面2「見栄を張ってるんだろうが、すぐにガタが来るだろう。覚悟しろ」
父「飯はでますか!?」
覆面2「そりゃ出すけども!!死なれちゃ困るからな!!なんでテンション高いんだコイツ!?」
父「どんな高級料理が出るんだろう…ワクワク」
覆面1「ホテルじゃねえんだよ!!」
~待機中~
覆面1「ほれ。腐りかけの消費期限切れの弁当だ。食え」
父「…………………」
覆面1「いいもんばっか食べてる社長には耐えられんだろうな(笑)」
覆面2「それな。こんな腐りかけのゴミ弁当(笑)」
父「いいのか?これ食って」
覆面1「は??」
父「こんな高級品、食べていいのかって聞いたんだ!!」
覆面1「こ、高級品!?」
覆面2「こんな腐りかけのコンビニ弁当が!?」
父「コンビニ弁当ナメんじゃねえ!!マジでバカ美味いからな!?」
覆面1「いや言うほどだろ!!うまいけども!!」
覆面2「どんな生活してんだコイツ!?」
父「いや普通の生活だけど。毎日雑草を食べて幸せに暮らしてるぞ」
覆面1「全然幸せそうじゃねえ!!」
覆面2「雑草!?正気かアンタ!?」
父「雑草も体に適応させれば意外と食えるぞ?」
覆面1「誰がやるか!!」
父「その雑草飯と比べたら、アンタが出すコンビニ弁当の方がめちゃくちゃうまい」
覆面2「誘拐犯に飯がうまいって感謝するやつ初めて見たんだけど!!」
覆面1「どんだけ不味いんだ!?その雑草飯!!」
父「ああん!?嫁の料理をバカにすんな!!」
覆面1「情緒不安定!!」
〜3日後〜
父「グウウウウウウスピピピピ」
覆面1「マジでコイツ、この2日間一切音を上げずに、余裕で生き抜いてたぞ…」
覆面2「どんな神経してんだ??この社長…」
覆面1「おかしい…マジで社長じゃないのかも…」
覆面2「誘拐してもちっとも話題にならないしな…」
覆面1「それな。大企業の社長誘拐って、普通めっちゃニュースになるだろ…」
覆面2「ひょっとしてコイツ、マジで社長じゃない…??」
覆面1「嘘だろ…??こんなに顔似てんのに??」
覆面2「だって、流石におかしいだろ。電話して脅しても「社長は会社にいらっしゃいます」とか「ちょっと何言ってんのかわかんない」とか「アンタバカァ??」みたいなナメた返答しか来ない!!社長が誘拐されて、こんな余裕感を持ってこれるわけがない!!」
覆面1「確かに!!てことはテメエ!一体誰だ!?」
父「ド底辺3流ゴミ企業に勤めている、志村ケンタって言います。よろしく。」
覆面1「いやマジで誰!?」
覆面2「社長に顔が似てるだけの別人かよ!!」
父「いやーホント、2日間こんないい部屋で、おまけに豪華なコンビニ弁当も食わせてくれて、マジであ
りがとうございました」
覆面1「お礼言われた!?誘拐してたのに!?」
父「でも流石に、そろそろ仕事しないとヤバいんで帰らせてくれ。上司に殺されるから」
覆面1「ダメだ。お前を解放したら、俺達のことを警察に吐くに違いない。」
覆面2「たとえお前が社長じゃないとしても、お前を解放するわけにはいかねえんだ」
父「いつまで役になりきってんだよ?いい加減撮影を一旦止めてくれ」
覆面1「いや、まだ撮影だと思ってたの!?」
覆面2「いい加減、ガチの誘拐だと気づけアホ!!」
父「えええええ!?ここ日本だよ!?ガチで誘拐とかあんの!?マジで!?」
覆面1「日本をなんだと思ってんのコイツ!?別に誘拐くらいたまには起こるわ!!」
父「マジか…誘拐…」
覆面1「ようやくコイツ、今のヤバさを認識したみたいだな…」
覆面2「これで少しは静かになるだろ…」
父「いよっしゃああああああ!!」
覆面1「なんなの!?ガチで情緒不安定!?」
父「誘拐されたってことは、仕事いかなくても問題ねえってことじゃん!!」
覆面1「は??」
父「だから、仕事いかなくても&やらなくてもいい口実ができたんだよ!!」
覆面1「え??」
父「映画撮影の協力って名目じゃあ、流石に仕事を休むことは難しい…」
父「だが、誘拐ともなれば話は別!!俺なんも悪くないから!!捕まって動けないだけだから!!」
父「堂々と仕事を休めるぜヒャッハーー!!」
覆面1「なんなのコイツの発想!?」
父「仕事を合法的にサボれて、うまい飯も食えて、いい部屋で寝れて、誘拐サマサマだな。ありがとうよ」
覆面1「感覚ぶっ壊れてやがる…」
覆面2「てか、どんだけ仕事いやなんだ!?」
父「じゃあテメエらは、仕事好きなのか!?」
覆面1「大嫌いです!!」
覆面2「だからやめて犯罪者してます!!」
父「だろ!?だから俺は、しばらく捕まってる。お前達、しばらくこの俺を誘拐してろ」
覆面1「いや、どういう指示!?」
覆面2「誘拐してろってなに!?」
父「最低でも、あと1週間くらいはこんな風に拘束しておいてくれ」
覆面1「なっが!!正気か!?」
覆面2「てか家族が心配するだろ!?」
父「しない。1週間泊まり込みで仕事なんて別によくあることだ」
覆面1「ドブラック企業!!」
覆面2「そりゃ行きたくねえわ!!」
父「だから2週間くらい拘束してくれてもいいぞ」
覆面2「俺達が嫌なんだが!?」
父「もし協力してくれたら、本物の社長の居場所を教えてやろう」
覆面1「マジで!?」
覆面2「やるやる!!」
父「ただし、これからは布団を用意すること。それから弁当は消費期限切れのコンビニ弁当ではなく、叙々苑弁当とかその辺の高級弁当を持ってこい」
覆面1「なんだと!?」
覆面2「そんな予算、俺達にあるわけねえだろうが!!」
父「は??よく考えろ。これからお前達は、本物の社長を誘拐して、大量の金を得るんだぞ??それなのに、この程度の金をケチってどうすんだ」
覆面1・2「「確かに!!」」
覆面1「俺達はこれから、確実に大金を手にできるんだ!!そのために少額の弁当代なんてケチってられ
ねえ!!借金してでも買わせてもらうぜ!!」
父「その意気だ!!レッツゴー消費者金融!!」
覆面2「そうだな!!このおっさんの協力があれば、確実に億万長者になれるぜヒャッハー!!」
父「そうそう。だから早く叙々苑弁当を100個ほど注文してくれや」
覆面1「いくらでも払ってやらあ!!」
父(クックック…バカめ。協力なんてするわけねえたろうが。嘘の場所教えて逃げてやる(笑))
父(この1週間、仕事サボって毎日叙々苑生活!!マジ最高すぎるわ!!)
(扉を開ける音)
父・覆面1・覆面2「「「え??」」」
警官「警察だ!!手を挙げろ貴様ら!!」
覆面1「なにィ!?」
覆面2「なんでここが警察に!?」
警官「簡単な話だ。お前達が誘拐したその男の体内にGPSを入れ込んでいた」
覆面1「体内に!?こっっわ!!」
父「いや、勝手に何してくれてんの!?」
上司「君が仕事中寝てる間に入れさせてもらった」
父「それは確かに俺が悪かったわ。許す!!」
覆面1「許すの!?」
覆面1「てゆーか、だったらもっと早く助けに来れただろーが!!」
覆面2「助けにくるのおっそ!!」
警官「他に仲間がいないか見張らせていた」
父「ふざけんな!!」
覆面1「そりゃキレるわ!!」
父「もっと長く見張ってろよ!!」
上司「は??」
父「俺は、もっと仕事をサボりたかった!!あと1週間はこの生活がしたかったわ!!」
覆面1「早く来たことにキレてんの!?」
覆面2「誘拐されてた奴のセリフじゃねえ!!」
〜完〜




