表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血鬼な彼  作者: 潮浜優
3/3

ひとつ屋根の下

吸血鬼から守ってくれた霧夜君

でもまだ問題が残っていました

昨日の黒づくめの吸血鬼

その対策を考えるはずでしたが…

吸血鬼な彼3




太陽が高くなった初夏の昼休み

屋上でにらみ合う2人を交互に目で追う


「あ、あの…」


「なんでコイツがいるんだ!」


「言っただろ、僕もカノちゃんを守るって」


霧夜君とハルノ君は一触即発だ


「コイツから、吸血鬼から守るための作戦会議だろ!」


「僕も守るよ!」


「お前は殺そうとしてたじゃねぇか!」


「ま、まぁまぁ霧夜君、ハルノ君もこう言ってるし、仲間は多い方がいいじゃない…」


あぐらで座る霧夜君

体育座りのハルノ君

なぜか正座のあたし


三角形に座る3人

今日集まった目的は、昨日割り込んできた黒ずくめの吸血鬼対策だった





挿絵(By みてみん)





今朝、校門で会った3人は、霧夜君がハルノ君をぶちのめすという茶番はあったものの、その後は昨日の黒い吸血鬼対策の話題になった


「アイツはまだ死んじゃいない、必ず本宮さんを狙ってまた来るはずだ」


「でも、霧夜君があんなに強かったから、もう来ないんじゃない?」


「カノちゃん甘いよ、昨日の霧夜君を見ただろう!カノちゃんの血はすごいんだ!あの吸血鬼は必ずまた来るよ」


「ココでは話す時間が無いな」


霧夜君がそっと耳打ちしてきた

「本宮さん、昼休みに屋上で作戦会議しよう」


「う、うん、分かった」


キーンコーン…


「あ、遅刻しちゃう!」


「カノちゃん急ごう」


3人で走って教室に向かい、隣のクラスの霧夜君と別れた




教室に入ると、女子の空気が昨日までと違うきがする

なんだかあたしをチラチラ見てくる


理由が分かったのは2時間目が終わったあとの休み時間だった


「ねぇ、本宮さん」


「はい?」


話しかけてきたのは後藤さん

腰まである長いストレートの髪がトレードマーク

クラスのカースト最上位と言える人だ


あたしの机の真正面に立ち、腕を組んでいる

今まで1度も話したこともない


「聞きたいことがあるんだけど」


「なんですか?」


「なんで霧夜様と登校してきたの?」


キリヤさま?


あ!


霧夜君は女子のあこがれの的、しかも後藤さんは霧夜ファンクラブのリーダー格だ


今朝、霧夜君といるのを誰かに見られたんだ


「あ、あの…」

どう言えば…


「た、たまたま…たまたま駅で会って…」


「ふぅーん、たまたま、ねぇ…」


あ、圧がすごい…

まさか吸血鬼から守ってもらってるなんて言えない


「霧夜様があなたなんかに興味があるとは思えないけど、いい、抜けがけは許さないわよ!」


「あ、あははは…」


ど、どうしよう…きっとこれからもずっと霧夜君と登下校することになる…

霧夜君に相談してみようか…


次の休み時間に霧夜君がいる隣のクラスを覗いてみた

「そっと呼び出して、話せないかな…」


霧夜君は休み時間も席に座っていたけど、女子達にかこまれている

キャッキャと笑う女子達の声

霧夜君もニコニコしながら話している


「…なんだかなぁ」

別にがっかりすることはないんだけど



「だったら何で2度も…」



いや、2度目のキスだって、血を吸いたかっただけかもしれない


きっとそうだ


それなら説明がつく…



あたしは自分のクラスに戻り、昼休みの作戦会議にハルノ君を誘った






「あ、あの…」


「ま、本宮さんがそう言うなら仕方ないけど」


屋上であぐらで座る霧夜君

頭をかかえながら、そう言ってくれた


「で、僕達はどうすればいいの?」

ようやく作戦会議が始まった


「とりあえず本宮さんにはコレを」

霧夜君が首飾りをあたしに差し出した

クリスタル状の、涙のしずくのような飾りだ


「これは?」


「付けてみて」


制服の襟を緩めて首飾りを付けてみると、ハルノ君が驚いている


「カ、カノちゃん!それ!」


「どうしたのハルノ君?」


「ニオイが、ニオイが消えた!」


え、ニオイ?


「それは魔除け、正確には吸血鬼からニオイを遮断する効果がある」


「そ、そうなの?」

すごい…


「えー、カノちゃんのニオイが嗅げなくなっちゃうよー」


「これでとりあえず、他の吸血鬼からは見つかりずらくなるはずだ」


「霧夜君すごい、これ借りててもいいの?」


「やる」


「え?」


「本宮さんにやるよ」


「そんな、こんなすごいの、貰えないよ」


「いいんだ、俺はもう必要ないから」


霧夜君、こんなもの、どこで手に入れたんだろう…


「でも、これでもう吸血鬼からは狙われないのね」


良かった、これでもうクラスメイトから要らぬ誤解をかけられなくて済む

あたしも誤解しなくて済む…


「いや、そうとも言えない」


「え?でもコレを付けておけば…」


「カノちゃん、昨日の黒い吸血鬼!」


「そうだ、ヤツは本宮さんの顔も学校も知っている、ひょっとしたら今も監視しているかもしれない」


「い、今も…」

思わずキョロキョロしてしまった


「まずは連絡先を交換しよう、もし俺達とはぐれて1人になってしまったら、すぐに連絡するんだ」


「う、うん」


「カノちゃん、結界を張られちゃったら携帯は通じなくなるから、気をつけてね」


「わ、分かった…」


「おそらく俺たちがいる時はヤツは来ない」


「もう、アイツも少しの血を吸うだけでも凄い力が出るって、知ってるだろうからね」


「う、うん…」


「ヤツを倒すには、おびき出さないといけない」


おびき出す?

「どうやって?」


「本宮さんにオトリになってもらう」


「オトリ…」


「本宮さんは1人で歩いてくれ、俺が離れて見守るから」


「僕も!僕も見守るよ!僕と霧夜君がいれば、たとえ結界を張られても中に入れるからね」


「そこでヤツを叩く」


確かに確実そうな作戦だけど、昨日の今日で1人はちょっと不安だな…


「すぐに吸血鬼が来るかは分からない、でもいつか必ず来る」


「よーし、僕達でカノちゃんを守ろう!」



作戦は決まった

ハルノ君はしばらく部活を休むそうだ


でもこの作戦なら、霧夜君と2人で登下校するワケじゃない

クラスメイトからの誤解は何とかなりそうだ…



下校時間になると、グループメールに連絡が来た

『僕は前方にいるよ』

『俺は後方から見守る』

『2人ともありがとう』


付きっきりで見てもらうのは申し訳ないけど

ハルノ君に部活を休ませるのは申し訳ないけど

あたしも怖くて仕方がないのだ


とにかくあの吸血鬼さえ何とかなれば…



無事に駅に着き、3人で違う車両に乗る

『今のところ異常はないね』


あたしの家の最寄り駅までは2駅

駅から歩いて10分ほどで家に着いた


「ふぅ、何とか無事に着いたわね」

登下校するだけでこんなに緊張するのか…


「じゃあ、今日はありがとう」

「うん、カノちゃんまたね!」

ハルノ君が手を振り帰って行った


「……霧夜君?」


「なんだ?」


「帰らないの?」


「帰らないよ?」


「なんで?」


「本宮さんと一緒に住むから」




へ?




「お邪魔します」


「ちょ、ちょっと!」


ちょっと待って、心の準備が!

いや、そうじゃなくて、いきなり男子を泊めるなんて言ったら、お母さんひっくり返っちゃう!


アワアワするあたしをしり目に、霧夜君はスタスタと入って行った



あたしの家は築15年の木造一戸建て

父の仕事の関係で他県に住んでいたけど、中2の時に父が亡くなり、もうそこに住む必要は無くなった

母方の実家が所有しているこの家は、しばらく人に貸していたけど、借りていた人が引っ越したため、空き家になっていた


母方の実家に近いこと

安く貸してくれることになったこと

母も仕事を探さなければならなくなったこと


それが私達母子が田舎からこの街に来た理由だ




ダイニングテーブルに2人で並んで座る

目の前にはお母さん


「あ、あの、お母さん、この方はクラスメイト…じゃないんだけど、その、なんと言うか、とある事情により、こちらの方を泊めても良いでしょうか…」

バスガイドのように右の手のひらを上に向けて霧夜君を紹介した


固まるお母さん

目をまん丸見開いて霧夜君を見ている


そりゃそうだ、突然男子を連れてきて泊めるだなんて…

まぁ、お母さんに言われたら霧夜君も泊まるワケにはいかないだろう


「い、いい男…」


ん?


「イ、イケメン…」


んん?


「か、カッコいい…」


なんかお母さんの反応が予想と違う気が…


「もうキスとかしたの?」


「はい!」


ブーー!

思わずお茶を吹いてしまった!


(はい!じゃねぇよ、はいじゃ!そこは、まだ、とか言っとけよ、いや、まだってなんだよ!って言うか母親の第一声がそれ?)


心のツッコミが炸裂した


「お、お母さん…何を言ってるの…」


「霧夜さん、ウチのカノをよろしくお願いします」


「こちらこそ」


おじぎしあう2人

いやいやいや、結婚の挨拶か!

そもそもお母さんの反応おかしいし!


「着替えとかあるの?良かったらお父さんのもまだあるわよ」

「はい、とりあえず1週間分持ってきました」

霧夜君は通学用のスポーツバッグを開けた

そこには教科書はなく、下着と靴下がぎっしりと入っている


準備してきてる!


「2階がカノの部屋よ、布団持っていくわね」

「ありがとうございますお母さん」


「お母さん!」

何を言っているんだ!



何とか2人を説得?して、霧夜君は1階の和室に寝てもらうことになった


お風呂に入っている霧夜君

その間にお母さんと2人で夕食の支度


「カノ、いい男じゃない」


「もう、お母さん、そんなんじゃないって!」


「そお?」


「そうよ!」


「でも、好きなんでしょ?」


「だから、そんなんじゃないって!」


「あはは、ムキになって、かわいいね」


もう何を言ってもダメだ…


「カノちゃん、怒んないでー」


「お母さんが、からかうからでしょ!」


「嬉しかったのよ、カノ、こっち来てから元気なかったから…」


え……


「ひょっとして高校で上手くいってないんじゃないかってさ、思ったりしたワケさ」


お母さん…


「そしたらさ、あんなイケメン連れて来るじゃん!」


「だからそれは…」


「ちょっと安心した、ちゃんと友達いるんだって」


お母さんは優しく笑った


「どんな事情か知らないけど、彼が困ってるなら、助けてやりな」


「うん…」

ありがとうお母さん

助けてもらってるのはあたしなんだけど


「ところでさ」


「お母さん何?」


「彼も、あなたのこと、まんざらじゃないと思うわよ」


「もう!」



ひょんな事から、霧矢君とひとつ屋根の下で過ごすことになった


なぜ霧矢君は、そこまでしてあたしを守ってくれるのか…



謎は深まるばかりだった



ご覧いただき、ありがとうございました

頑張って続きを書いてます(^◇^;)

また次回もぜひご覧ください(´∀`*)ノシ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ