ミッドナイドクローザー
今回はオーマの出番がなかったな
夜の街に飛び出したピンクドラゴンのゼロは、高速飛行でユージのいるあの堕落した歓楽街に向かった。
「このドラゴン型アンドロイドすごいな~アバターBODYよりパワーを感じるぞ。機械も捨てたものじゃないな~。」
なんて感心していると、どこともなく頭に響いてきた。
「テステス。聞こえる。お父さん。聞こえる。」
娘の声が頭に響いた。
どうしたんだ俺の頭はなんて、間抜けなふりをするお茶目なパパ。
「アレー、なんて美しい声がどことなく聞こえてくるんだろう。
「もーヤダ。お父さんたら。今回はアンドロイドの体なんだから通信機器はないのよ。」
「娘の愛情のおかげかな。」
「もー違うったら、こちらは仮想空間のお父さんに話してるんだけどね。テレパシーみたいになってるんだよ。マニュアルも見ないで出て行ったから。サラ所長がマニュアル説明をしろっていうから話しかけてるけど、ふざけてるんだったらかえってからね。」
「すまん。冗談じゃ冗談。単なる娘とのコミュニケーションの一環だよ。すねないでくれよ~。」
「ウワァキモ。ちゃんとしなさいお父さん。教えてあげないんだからね。」
「悪かった。帰ってから詳しいマニュアルの説明を聞かせてくれ。それより私の体に武器はあるか?」
「壊れると面倒だから、武器の取り扱いだけ教えてくよ。・・・」
オリビアは簡単に今のピンクドラゴン型アンドロイドの性能の説明そした。
1、体長50㎝、重さ15㎏ 走行スピード1㎞/hからマッハ25・・やる気になれば宇宙にも行ける
2、魂は仮想空間にあるがピンクドラゴン型アンドロイドにダイブしている状態
3、頭で考えれば通信や攻撃も可能。攻撃は火・水・雷・氷・風も可能だが大気中のマナを利用するため弱い。パワーと強度はそれなりにあるが壊れやすい。(大気圏突入1回が限度:超強化セラミック使用)
4、体の内部のいたるところに魔法耐性の呪印等が施されているから、魂の回収装置や転移は無理。しかし、本人が発動させれば転移は可能。
今夜、出動時に困らない程度のマニュアル説明をしたオリビアは少し心配そうに父を励ますのであった。
「お父さん。もう大丈夫。わかんないことない。なんかあれば頭の中で呼び出してね。」
「大丈夫だよ。オリビア。でも急がないとな・・・そうだ、この状態だと例えばエッチなことを考えればお前にもわかってしまうのかね。」
「バカ親父。年を考えろ!」
「そう怒るなよオリビア。」
「安心して、コッチが通信を開けてればお父さんが声を出し話したことはつながるし、通信を開けるときは信号が出てるはずよ。聞こえない微かな音が・・・」
「思ってる事は聞こえないんじゃな!!よっしゃーーーーー!!!」
「お父さんが通信を開けるように思えばこっちの通信機器を開けることも可能よ。その時はテレパシーみたいになって心の声も話し声も聞こえるけどね。あと言い忘れた機能があるけどいいかな?」
「もったいつけるなよ。オリビア。犯人逮捕につながることかな?」
「もちろんだよ。即使える機能を2つだけ教えてくよ。1つはお父さんが見たり聞いたり匂いなどの情報が随時バックアップするからね。もう一つは魔眼効果があるよ。ピンクドラゴンの瞳の光を見たら人間の姿に見せるなんてこともできるよ。いろいろな効果があるけどノーマル状態で恐怖を感じさせることができる設定になってるから、普通の人は動けなくなるからね。効果はまちまちだけど1時間くらいは硬直しちゃうけど人狼はせいぜい10分くらいは大丈夫かな?とりあえずお仕事頑張ってね。お父さん。」
空の散歩状態の気分で目的にに向かってると、別の通信が入ってきた。宇宙・異世界人対策本部から目的地近くの組織犯罪のアジトを見つけたという連絡があった。情報を精査しながら通信を聞いていると。上司が割り込んできた。宇宙・異世界人犯罪対策本部長のエドナー本人だ。
「ゼロ大丈夫か!動けるか!」
「部長大丈夫ですよ。いつものことですから。」
「馬鹿者!!今どこだ、大丈夫ならこちらに連絡せんかー!お前の連絡待ちをしていた部隊の一部も今、組織犯罪案件に30名ほど向かわせたぞ。お前が追ってる人狼グループにも関係あるかもしれんのでな。」
「場所教えてください。今からそちらにも向かいます。」
ゼロはエドナーからGPS情報をもらい転移魔法を使うのであった。
「夜のお空の散歩は終わりだな。奴らが動く満月の夜。・・・」
などとつぶやきながら、カッコをつけるのであった。
「すいません。お父さん。通信回線切っていいよね。今わざと、私に聞こえるように言ったでしょ。まったく。よその女に聞かせてください。切るからね。ブツ!」
「なかがいいな、お前の家族は!」
「エドナー部長~聞いてるんですよね。も~切りますね。プ!」
早くこの通信方法にも慣れないとなと感じたゼロであった。
転移魔法が発動し、港近くの倉庫街にある冷蔵倉庫の事務所の前に現れたゼロ。すでに調査員たちは犯人グループを確保していた。そして、事務所も家宅捜査しながら証拠を集めていた。
現在の状況を報告しろという命令を一人の調査員にした。今の状況をゼロは素早く事情を聴き始めた。
状況を整理すると、異世界人ハンターらしき犯人グループのトップと事務員3名を確保、5名の仲間は負傷し魂は確保済み。ユージという地球連合国家の関係者が通報し犯人たちを確保した。そのユージはすでに別の案件に向かったという。こちらの現在の捜査状況は冷凍庫に仮死状態で約1000名以上おり、帳簿により、異世界人の人身売買用の倉庫だとわかった。取引会社は医薬品会社や食品会社、ゼネコン、大学教育機関の関係から異世界人らしきグループと多岐にわたっていた。帳簿を一通り眼を通していると、例の人狼グループもあった。
「これはやはり・・・つながっている。」
そう言うと、背中を撫でてくる女性捜査員がいた。
「なに、このピンクドラゴン可愛い~逮捕しちゅぞ~。キャッキャ。」
眼に力を宿らせ捜査員をにらんだ。
「なんだ、ゼロじゃないですか~あれ~今ここにいたピンクドラゴンが消えちゃった。」
「うるさい!あっちに行け!捜査に集中しろ!」
ゼロは不思議に思った。この魔眼の力で恐怖を植え付け硬直しないじゃないのかと?
思いついたかのようにオリビアに連絡をするのであった。
「テステス。オリビアいますか~。早く出ないと15歳でしたオネショのこと言っちゃうぞ~。」
「・・・・ギギギジジ・・お父さんどうしたの・・・おねしょがどうのって・・・」
「なんでもない、なんでもない。昔お前がオネショしたよななんて思い出してつぶやいてしまったもんでな。」
「へんなこというのやめてよ。ピンクドラゴンに音声データに記録が残るんだからね。変なこと言ったらタダじゃおかないんだからね。」
ゼロはしまったと思ったが後の祭りだった。腹を決めたように、
とりあえずしらを切ることに決めた。
「オリビア、どういうわけか、父の姿を見ても、みんな恐怖して硬直せんのだが。」
「ごめん、ウソをついちゃった。ピンクドラゴンは魔眼は偽りの姿を見せるだけだったのよ。ブラックドラゴンは硬直するんだっけ。でも、どうしても、恐怖で硬直させたいなら、データをアップロードしとくよ。その時は、目の前にウィンドが見えるから選択するか、心の中で発動するようにしてね。」
「助かるよ。オリビア。」
「まって父さん。サラ所長と変わるから。キャ」
マイクを奪うような音とともにサラが話し始めた。
「ゼロ、お前の上司のエドガーが事件に関することを言っていたので伝えるぞ。人狼グループにわたるはずだった異世界のアイテムや武器がこの研究所に持ち込むそうじゃ。人狼グループは手ぶらな状態だがやはり危険かもしれんから気をつけろよ。もしかしたら、地球連合国家の関係者が手伝ってくれるかもしれんぞ。こちらにも似た案件で人狼に問い合わせがあったものでな・・・」
ゼロはやはり奴らかとおもい。
「SKIES-ANGELのユージではないですかね。」
苦虫をつぶしたような顔になったゼロは心の中でつぶやくのであった。
(先ほど報告にあった地球連合国家のユージは、この俺ゼロを助けてなおかつこの組織犯罪を片付けた・・・そしてなによりはオリビアにちょっかいを出していることは調べがついている。にっくきやつ!!)
サラは笑いながらゼロに忠告した。
「ゼロ!!早く慣れろよ。心の声が聞こえてるぞ。自分で回線空いてるからな!それにユージはオーマおじ様の次にいい男だからな。」
「回線切ります。ブ」
ピンクドラゴンはありったけの炎を吐いた。
「ふざけんな~。」
叫んですっきりしたゼロは人狼グループにわたるはずだった異世界のアイテムや武器が回収されていることを思い出しエドガーに確認するのであった。
「部長早く出ろよ。ボケ。ハゲ部長~。ヅラ部長~。かなりのデブ部長~。」
「ハゲ・・デブ・・・あ~エドガー部長ですね。今変わります。お待ちください。」
オペレーターはいつものようにエドガー部長につないだ。
「いいとこにゼロ。連絡を今しようと思ったところじゃがそちらはどうじゃ。」
「かなり闇が見えてきましたよう。部長。人身売買の倉庫見つけました。そして帳簿もありましたよ。これから忙しくなりますよ~。それより異世界のアイテムや武器がサラの研究所に持ち込まれるって聞きまして・・・」
「その件で連絡しようとしてな、お前も知ってる地球連合国家のネゴシエターのジュドーが異世界のアイテム密売を取り押さえて回収してくれた。そして同じくショウはウイルス兵器とケミカル兵器のデータを送ってきたぞ。もしかしたらカイトJrも何らかの情報ももたらしてくれるかもしれんぞ。負けてられんぞゼロ。」
「大丈夫ですよ。エドガー部長。カイトJrはこんな満月がきれいな夜は、どこかのヤラシイ女といちゃついてますよ。しかし、武器やアイテムを抑えたなら人狼の件は今すぐ、このゼロが解決して見せます。ではピ。」
ゼロはすぐに魔法陣で吸血鬼が経営しているクラブの店の前に転移した。
エドガーが言い忘れたようにため息をついた。
「あのバカ切りやがった。人狼グループはクラブを襲う前にSKIES-ANGEL達が討伐してくれたのにな。まあ、店まわりでも掃除してこい。」
ゼロは店の前に転移してみると捜査員たちがあわただしく倒れている人狼グループを確保していた。
ピンクドラゴンの状態で近くの捜査員に声をかけた。
「これはゼロ。もう安心ですよ。襲撃しようとした人狼はすべてSKIES-ANGELたちが魂を回収してくれましたから。グループの調書は研究所でお願いします。」
ピンクドラゴンは腰が砕けてしまった。
「終わってるよ~。聞いてないよ~。お前、被害者はいないか!」
「実はクラブの裏手に血を流している男がいるらしいんだけど。SKIES-ANGELさんたちがおとりだからそっとしておけって言ってたので。一応、防犯カメラの映像が今見れますけど見ますか?」
わかったと返事をしたゼロは防犯カメラを確認した。
そこには血を頭から流したユージが写っていた。
「こいつが・・・ユージが・・・囮なのか。よし!襲われるまでほっておけ奴もSKIES-ANGELの一員だから邪魔するなよ。」
「でも、瀕死に見えますよ。頭から血が出てますし。」
「大丈夫。演技に違いない。」
ゼロはユージ以外のSKIES-ANGELのいたずらだなとわかっていた。心の中でゼロは頑張れ青年とつぶやくのであった。
そして、迅速にあたりに潜んでいる残りの人狼がいないか探しはじめたが、誰の気配もなかった。
深夜とはクラブの周りに人がうろついてないのは不思議だった。
「さすが満月の夜。人狼が襲う噂が流れれば真夜中にうろつくバカな奴はいないよな。」
ゼロは店の中に入り、クラブのオーナーに会いに行った。
クラブに入ると、外が閑散しているとは思えぬぐらい繁盛しているが、いつもいるピッチピッチのキャワイイギャルモデルがいなかった。いるのはイケメンモデルに群がる女モデルと目つきの悪いバイカーが紛れていた。
「ボーイ。ちょっといいかな。ヴァンオーナーはいないか。俺は犯罪対策課のゼロだ。」
ボーイはカウンターの下にある電話をし始めた。
そして、一人の用心棒らしき男が現れ、別室に案内した。
別室で10分ほど待ったがあらわれない。ゼロはしびれを切らせて部屋を出ようとした。そのとき、
「やはり、私が見えないんですね。このピンクドラゴンは?」
ゼロは驚いたように眼をこするのであった。
「どこにいる。ヴァンさん。ゼロです。犯罪課のゼロです。人狼グループの件片付きましたので報告をしにまいりました。」
突然、今までゼロが待っていた席の前に座っている吸血鬼のヴァンが現れた。
「おやおや、ゼロさん。ピンクドラゴンのコスプレですか。まったくゼロさんだとわかりませんでしたよ。ちなみにそのドラゴンロボットは魔眼付きのアンドロイドですね。」
「なぜ、それを。」
「いやいや、魔眼の能力を以前サラさんに教えたことがありましてね。吸血鬼も魔眼を持ってるので魔眼対策は常にしているんですよ。
「そうですか。知らなかった。でもそうですよね。いきなり魔眼が発動していたら大変ですよね。」
「そうですよ。事前に魔眼装備は銃を向けているようなものですからね。気を付けてください。それより、SKIES-ANGELが例の件、今日頼んだらわずか数時間で解決してくれました。事後処理の方はよろしくたのみますよ。ゼロさん。」
「その件ですがこちらで任せてください。それより例の件をよろしくお願いします。」
「ああ・・あれね。でもほんとにいいんですか。奥さんを生き返らせたとしても吸血鬼になってしまいますよ。」
「十数年前に死んだ人間を生き返らるなんて、私もあの話を聞くまでは信じられませんでした。でも、よみがえるならグールでもゾンビでも鬼でも構いません。」
「よみがえっても、われらのように呪われた魂になってしまうんですよ。考え直してください。」
と言いながら吸血鬼ヴァンは同じ娘をもったこの男の力になりたかった事実である。
「そうだ、魂を降臨させて魂を回収したらアバターBODYに移したらどうですか?」
「神様じゃあるまいし、魂を降臨させるのなんかできるのか?」
「大丈夫ですよ。転生してなければ、高位のネクロマンサーでも巫女でも魂は降臨させることはできるはずですよ。一度地球連合国家のフィルさんに相談してみればどうですか。」
「ネクロマンサーって死人使いのことか?でも本当に魂を降臨させることもできるのか?」
「たとえですよ。吸血鬼になれば生き返りますが、魂は呪われてしましますが、高位の死人使いなら呪われない魂として生き返すことも可能なはず・・・・でも、魂を呼ぶだけなら霊媒師でも可能・・・」
「何、ぶつぶつと。ヴァンオーナー、力になってくださいよ。」
「今回の件もありますし。こちらでも調べてきますよ。」
オーナーと話しを終えたゼロは娘の元に転移魔法陣で戻るのであった。
ぼちぼち更新します。




