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第4話:酒と悪口の呪詛師

『異世界SNS戦記』主要キャラクター・初期プロフィール


【主人公】青島アオシマ


Lv.1 / HP: 12 / 攻撃力: 5 / 防御力: 800 / MP: 2 / スキル数: 512


現実の姿: 大学サークル『コネクト』の最底辺。一軍メンバーのパシリとして扱われ、SNSでも日々ブロックされ続けている陰キャ。


特徴: HP12という「アリに噛まれても死ぬ」レベルの脆弱さだが、現実で浴び続けた罵詈雑言やレスバの経験が、異常な防御力800として結実している。


能力: 誰からも相手にされない孤独な魂に、なぜか管理者権限をハックする512個のバグスキルが宿る。


【ライバル】真吾シンゴ


Lv.1 / HP: 20,000 / 攻撃力: 12,000 / 防御力: 20,000 / MP: 30,000 / スキル数: 0


現実の姿: サークルの代表。フォロワー2万人を誇る圧倒的なインフルエンサー。


特徴: 「人気」がそのまま力になる世界において、最初から魔王クラスのステータスを持つ。


弱点: 誰からも全肯定されて生きてきたため、絡め手や批判バグへの耐性が皆無。スキル数0が彼の傲慢さを象徴している。


ヒロ


Lv.1 / HP: 150 / 攻撃力: 8,000 / 防御力: 2,500 / MP: 150 / スキル数: 4


現実の姿: 普段は愛想の良い小心者だが、酒が入るとネット上で暴言を吐きまくる「レスバ狂戦士」。


特徴: 酔った時の凶暴性が攻撃力8,000という極端な数値に反映されている。酒がない状態ではただの臆病者だが、アルコールを摂取すると「言葉の弾丸」を放つ。


信子ノブコ


Lv.12 / HP: 3,500 / 攻撃力: 50 / 防御力: 120 / MP: 20 / スキル数: 8


現実の姿: サークルのマドンナ。しかし裏では12個の「裏垢」を使い分け、敵対者を匿名で追い詰める「裏垢の女王」。


特徴: 裏垢の数=Lv.12という執念の深さを持ち、そのレベルに応じた高位の干渉魔法を使いこなす。


不気味な点: 男を騙す「嘘」を得意とし、異世界でも甘い言葉で他人を支配下に置こうとする。


伊織イオリ


Lv.1 / HP: 300 / 攻撃力: 150 / 防御力: 5,000 / MP: 10 / スキル数: 1


現実の姿: 知識自慢の早口オタク。他人の投稿に延々と重箱の隅をつつくような解説コメントを入れるのが日課。


特徴: 解説コメントで培った「屁理屈の壁」が防御力5,000という数値に。


役割: 常に真吾の横で状況を解説しているが、その知識欲こそが彼の最大の弱点でもある。


美桜ミオ


Lv.1 / HP: 5,000 / 攻撃力: 3,000 / 防御力: 800 / MP: 5,500 / スキル数: 0


現実の姿: 「映え」が全てのキラキラ女子。真吾の隣をキープすることに命を懸けている。


特徴: 典型的な「人気者」としての高いHPとMPを持つヒーラー。


性格: 自分よりステータスが低い者(特に青島)を「汚いもの」として徹底的に見下している。


正志マサシ


Lv.2 / HP: 80 / 攻撃力: 200 / 防御力: 10 / MP: 5 / スキル数: 2


現実の姿: 真吾の腰巾着。ガタイが良く、自分より弱い者に対しては徹底的に強気になる典型的な取り巻き。


特徴: ステータスは平凡だが、真吾の威光を自分の力と勘違いしており、青島を最も直接的に痛めつける。

王都を離れた一行は暗い森の中を歩いていた。


信子が突然消えたことに真吾はいらいらしていた。


真吾は足元にあった焚き火の薪を激しく蹴り上げた。


「チッ、信子のやつ、勝手にどこかへ行きやがって。どこへ消えたかも分からない。本当に自分勝手な女だ」


真吾は正志の姿に変装している青島に向かって不満をぶつけた。


青島は正志らしいいばった態度を作り、鼻で笑って返した。


「いいんじゃないか。あいつは最初からサークルでも浮いていたし、自分の都合で男を振り回すだけだ。いなくなってスッキリしたぜ」


「それもそうだな。あんな性格でなければ、もっと役に立ったんだが」


真吾の言葉を聞いて美桜もうなずいた。


「私もあの子の自撮りアピールは、ずっと鼻についていたのよね」


サークルの仲間たちは信子がいなくなったことを悲しまなかった。


それどころか、邪魔者が消えて良かったとさえ思っていた。


しかし、伊織だけは、暗い顔を崩さなかった。


「真吾さん。広い範囲の魔力を調べていますが、結論から言うと、見つかりません。信子さんの魔力が消えた瞬間、この世界の記録から彼女の生きた跡が完全に消えています。まるで最初からこの世界にいなかったみたいです。とても不気味です」


伊織の声は早口で冷たかった。


知識をたくさん持っているオタク女子らしい話し方だった。


「わけのわからないことをするな。魔法を使ったから、あいつは消えたんだろ。跡くらい追いかけろ」


真吾が無理な命令を出した。


伊織は「分かりました」とだけ答えて、再び魔力盤に向き合った。



その夜のキャンプ。


真吾と美桜がテントで深い眠りについた。


青島は正志の姿のまま、焚き火の横で寒そうに震えている紘の隣へ歩み寄った。


「おい、紘。そんなに震えてどうした。酒でも飲まなければやっていられないだろ」


「ひっ、正志。怖いんだよ、この世界。信子がいなくなって、伊織はあんな不気味なことを言っている。次は僕の番かもしれない」


紘は怯えた手つきで、空になった酒瓶を強く握りしめていた。


その目には正体のわからない恐怖が張り付いていた。


「なあ、正志。これって、青島の呪いなんじゃないかな。あいつを泥の中に捨てたとき、あいつが笑った気がしたんだ。死んだあいつが、どこかで僕たちを見ていて、一人ずつ消しているんじゃ」


「はは、青島だって。あんなゴミに何ができるんだよ。あいつはもう泥の中で死んでいる。お前は考えすぎだ」


青島は正志の声で笑い飛ばした。


青島は、ポケットから金色に光る1本のボトルを取り出した。


「ほら、これを使えよ。王都の高級な酒だ。呪いなんて、これで忘れちまえ」


青島は紘のコップに、なみなみと酒を注いだ。


それは管理者権限を使って、中身を作り変えた特別なアイテムだった。


飲む者の悪い心を、何倍にも膨らませる毒の酒だ。


「さあ、飲めよ。お前は酒が入ったときが一番かっこいいんだからさ。現実の世界でも、ネットの掲示板であの真吾をボロカスに書いていたときの勢いは最高だったぜ」


「え、あ。見ていたのか、あれ」


「ああ。お前こそがこのサークルで一番鋭い目を持っていた。真吾なんて、お前の言葉一つで言い負かせる相手だろ。ほら、もう一杯」


青島は優しく笑いながら、何度も酒を注いだ。


紘の顔が赤く染まっていく。


瞳の中にあった恐怖が、次第にドロドロとした暗い攻撃性へと変わっていった。


「そうだ。そうだな。真吾なんて、ただフォロワーが多いだけの無能だ。あいつの指示にヘラヘラ従うのはもう疲れた。俺が、本当のことを教えてやるよ」


青島は心の中でスキルを選択した。


【スキル:412『悪意の増幅ヘイト・ブースト』】


その瞬間、紘の体から立ち昇るオーラが黒く濁った。


攻撃力は8000から上昇した。


酒によって制限の外れた言葉の弾丸が、形を持って彼の背後に並び始める。


「いいぞ、紘。その調子だ。真吾に、本当の正義を教えてやれよ」


紘はふらつく足取りで、真吾のテントへと向かった。


その異変に気づき、伊織が途中で立ちはだかった。


「待ちなさい、紘さん。その魔力は異常だわ。正志さん、あなた何を飲ませたの」


伊織は青島を問い詰めようとした。


しかしその前に青島は彼女の首筋に触れた。


【スキル:088『アカウント譲渡アカウント・トランスファー』】


「伊織。お前はもう、自分の意思で話さなくていい」


「ひっ、あ、ああ」


伊織の瞳から光が消えた。


彼女の体には、青島の管理下にあることを示す黒い紋章が刻まれた。


彼女の知識も、屁理屈も、すべてが青島の命令に従う人形として新しく生まれ変わった。


「了解しました。マスター」


機械のような口調になった伊織を横に置き、青島は紘の様子を見た。


紘は真吾のテントを力任せに引き裂いた。


「おい、真吾。起きろよ、この無能な操り人形が」


中から飛び出してきた真吾と美桜に、紘の怒鳴り声が突き刺さる。


青島はそれを見つめながら、静かに笑った。


本当の復讐劇が、これから始まる。


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