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異界の旅~無職の私と降臨した神様の異世界冒険—この世界の神々に虔なる祈りを!  作者: V-CO
第一章 名実ともに異世界の旅

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第一章 20 『君と俺と、言えない秘密』

「お疲れさま!」


 ギルドで、受付嬢がレアたちに向かってそう言った。


 レアたちは任務を終え、証拠品を持ってギルドに戻ってきた。明日の行動を考えながら。受付嬢が戻ってきた一行を見て、四人に水を四杯差し出した。席に座った俺たちは差し出された水を飲む。甘い水が乾いた喉を潤し、体中が浄化された気がした。


「ところで、あなたたちのパーティ、どんどん良くなってきてるわね。」


 レアと夏奈の二人から四人になったパーティ構成を見て、受付嬢が感心したように言った。


「おかげさまで、ここ数日はいろいろお世話になりました。」


「いえいえ、私は自分の仕事をしてるだけですよ。それに、あなたには謝らないといけないことがあるんです。」


 ここ数日、受付嬢はずっと忙しく動き回っていた。ギルドの事務を処理しながら、ギルドに長く滞在している私たちをよく助けてくれた。本当に責任感の強い人だ。


 ただ、たぶんあの時私が単独行動をしたせいで、受付嬢は今、少し罪悪感を抱いているようだった。あれは彼女がレアに提案したことだから。でも私もそれが私のためだってことは分かってる。


「謝らなくていいですよ。あのことは本当に大したことじゃないですし。最後は私、すごい能力で帰ってこれたじゃないですか?」


「いえいえ、あの件は確かに私のせいです。本当にごめんなさい。」


 私は自分の胸をトントン叩いた。でも叩けば叩くほど、なんだかバランスが悪く感じる……受付嬢のと比べると、私のサイズは本当に圧倒的に負けてるから。


 受付嬢は私がそう言っても、やっぱり謝ってきた。そしてお辞儀をした。


「それでは、何かセットメニューはいかがですか?今日獲れたオークの素材、なかなかの数でしたよ。」


 受付嬢は相変わらず熱心だ。


 食べ物の話を聞いて、私の目はキラリと輝いた。もちろん、亜々子もそうだ。


 里はさっきのことでまだ悩んでいるのか、全体的に生気がなく、レアは相変わらず水を一杯飲んだだけ。本当に彼には何か特殊能力があるんじゃないかと疑いたくなる。


「ねえ、里。何か食べなくていいの?体力も結構消耗してるでしょ。」


「俺は……適当でいい。」


 里は私の問いかけに適当に答え、目はレアをじっと見つめていた。


 レアも負けじと目でやり返す。二人は向かい合ったまま、お互いに目でにらみ合っていた。


 でも不思議なのは、里の目が時々受付嬢の方にもチラッと向くことだ。たぶん頭の中であるプログラムの優先度が占めてるんだろう。


 レアもその様子に気づいているようだったけど、何も言わなかった。


「ねえ、夏奈。あなたのそのすごい能力って、いったい何なの?」


 亜々子が目を見開いて私に尋ねる。同時に目は変な光を放っていた。


「えーと……実は……」


 どこにすごい能力があるもんか! あれは全部巻物のおかげだ。あのクソ神様は私にチートすらくれないくせに、口は達者なんだ。さっきはただ受付嬢に心配かけまいとして適当に言っただけなのに。


 私の話がちょっとどもり始めると、亜々子はそれでも期待に満ちた目で私を見つめ、そのすごい能力が何なのか言うのを待っていた。


 私が少し戸惑っていると――


「……彼女の能力は確かにすごいんだ。ただ、外には言えないだけだ。」


 隣に座っていたレアが口を開いて、私を助けた。私はレアをチラッと見て、心の中で感謝した。どうやらこいつも人の立場を理解できることもあるらしい。


「そっか、教えられないタイプなんだね。分かった分かった。じゃあ、これ以上は聞かないよ。」


 まあ、いずれにせよまた聞くんだろうけどな……


 亜々子は口ではもう追及しないと言うけど、表情が彼女の本音を表していた。見透かそうとするようなその目は、明らかにこの説明を否定している。


「はい、どうぞ。」


 その時、受付嬢が三つのセットメニューを持ってきて机に置いた。亜々子は素早く皿を受け取り、食物を片付け始めた。とりあえず考え続けるのはやめたようだ。


 里は適当にセットメニューを食べながら、目だけ上げてレアを見ていた。


「……」


 たぶん里が何か勘づいたから、じっとレアを見つめているんだろう。あるいは純粋にレアのことが気に入らないだけかもしれない。


 あの誤解を招く話を聞いてから、里のレアに対する態度は良かったり悪かったりだ。今のところ、おそらく悪い方の範囲内だろう。


 でも私はどうしてそこまで怒ってるのかさっぱり分からない。でも今はそれを考える時じゃない。当面の急務は食べ物を片付けることだ。


 言うまでもなく、味は相変わらず最高だ。


 そして私が食べ物を片付け続けていると、レアが突然私の襟を掴み、子猫のように持ち上げた。


「……?」


「悪い、ちょっと時間をくれ。場所を変えて話す。」


 そう言って、レアは私を掴んだままギルドの入り口に向かって歩き出した。


 それを見た里は机を叩いて立ち上がり、レアを止めようとした。


「おい、お前――ぐぷっ――」


 勢いよく立ち上がり、何かを言おうとした里が突然言葉に詰まった。


 振り返ると、里はその場に立ったまま、とても苦しそうな表情を浮かべていた。急に何を言おうとしたか忘れたんじゃなくて、言えないんだろう……多分、口の中にまだ一口食べ物が入っていたのを忘れて、急に立ち上がったせいで食べ物が喉に詰まったんだ。里は顔を苦しそうに歪め、手で必死に胸を叩いていた。


 隣で同じく食事中だった亜々子は慌てて里の救護を始めた。


「うぐっ――里! しっかりしろ!」


「ご……ご……があ……」


 レアは振り返りもせず、私を掴んだまま外に出ていった。後ろからは亜々子の鬼のような救護の声が聞こえてきた。


 ギルドを出ると、レアは私をギルドの隣の路地に連れて行った。


 時はもう夕方。正確に言えばもう夜だった。だから道にはほとんど人がおらず、路地にも薄暗い魔法灯が一つあるだけだった。つまり、ここには私とレアだけしかいない。


 何が何だか分からない私は、周りを見回した。


「安心しろ。この辺りには誰もいないから。」


 安心できるかよ???


 急に路地に連れてこられて、そして「誰もいない」って。まさかこいつ、また私にドキドキするようなことをするつもりなのか?


 たぶんレアが私の考えを見抜いたのか、深くため息をついた。


「……真面目な話だ。変なこと考えるな。」


 そう聞いて、私は心の中の石が下りた。ただ、なぜか奇妙な喪失感があって、心がちょっと空っぽになったような気がした。


「お前、自分に魔力がない体質だってこと、まだ覚えてるか?」


「もちろん。でも、なんでそれを聞くの?」


 レアが突然私の体質の話を出したので、少し意外だった。


「よく聞け。このことは当分、あの二人には話すな。他の冒険者がどう言うかは知らんが、今は絶対にお前が自分から話すな。話すとしても俺が言う。」


「……なんで?」


「お前のその体質は、おそらく他所の悪い奴らに目をつけられる。今のところギルドの他の連中は信用できるが、里と亜々子の二人は大やけどを負うかもしれない。」


 そう言われると確かにそうだけど、でもあんまりにも絶対的すぎないか……


 心の中ではそう思ったけど、口には出さなかった。レアの表情は冗談を言っているようには見えず、口調もとても真剣だったから。


「お前の体質は、これ以上ないくらい特殊だ。だから、ギルドに頻繁に出入りする人間以外には、絶対にこのことを知らせるな。里と亜々子は厳密に言えばよそ者だ。もしいつか彼らがパーティから離脱したら、お前にとっても俺にとってもかなり深刻な問題になる。」


 レアはそう言いながら、左右を見回して、他に誰もいないことを確認した。


「別にいいんじゃない? あの二人は元々あなたと私の知り合いだし、それに同じパーティのメンバーになったんだから、そこまで避けることもないでしょ?」


「問題はそこなんだ。亜々子は俺と同じ時期の神だ。彼女が神界に戻る方法を知っているかどうかは分からない。もし知っていたら、彼女の性格なら三日と経たないうちに、私たち四人が接触したここ数日の出来事を全部バラすだろう。それにお前の弟もだ。もし彼にこのことを知られたら、説明するのが難しくなる。」


 確かにそうだ。私たちと亜々子、里の二人が接触したのはまだ三日も経っていない。彼らの状況を完全に理解しきれていない。


 私から見ればちょっと大げさに思える。亜々子もたぶん戻れないだろうから。でもレアはこれに対してすごく慎重なようだ。


「わ……わかった。でも、この後どうすればいいの?」


 レアの話を聞いても、私はまだなぜそうするのか理解できなかった。


「後のことは後で考える。今は様子を見ながら進むしかない。とにかく、警戒心を持っておくに越したことはない。少なくとも不必要な面倒を防げるからな。」


 そう言って、レアは眉をひそめた。何かを考えているようだった。


「レアさん、あなたは……なんでそう思うんですか?」


「……」


 私の問いかけに、レアはゆっくりと目を閉じ、顔をそらした。


「……ただ、後悔を残したくないだけだ。たぶん。」


 レアは小さく呟いた。顔をそらしているけど、その表情に一瞬の哀しみが見えた。しかしすぐに元に戻った。


「後悔を残したくない? それって――」


「簡単に言うと、お前の体は特別だ。よそ者に知らせるな。以上だ。」


 私の言葉が終わらないうちに、レアはそれ以上追及するのを遮った。たぶん心の中に言えないことがあるんだろう。


 不運なことに、彼がそうすればするほど、私は知りたくなる。


「じゃあ、ついに私をちゃんと守ってくれるってこと?」


 私は半分冗談のように言った。さっきのレアの表情が本当に嫌な思い出を思い出したかのように見えたからで、私はめずらしく彼の感情を心配してしまった。


「……」


 レアは何も答えず、何もしなかった。


 しばらくして、ようやく口を開いた。


「……生きろ。とりあえず、まずは生きろ。」


 そう言って、レアは路地を出て行った。


 まだ少し頭が混乱していたけど、私はレアの後ろについていき、一緒にギルドに戻った。

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