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異界の旅~無職の私と降臨した神様の異世界冒険—この世界の神々に虔なる祈りを!  作者: V-CO
第一章 名実ともに異世界の旅

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第一章 12 『じゃれ合いと小さな冗談』

「ねえ、レアさん。私たち、この世界で……最後に何をすればいいんだろう?」


私はレアに向かって言った。


昨日、私がゴブリン討伐の任務を達成してから、二人の借金は完全に返済された。それに調べてみたら、私の達成した任務はC+級に不安定要素が加わったものだったらしく、かなりの報酬も手に入れた。これでしばらくは次のことに専念できる。


ただ、足首の怪我のため、今は激しい運動はできない。なので一日休んでから次のことを考えようということになった。


そして今、私は自分を労うために大皿いっぱいの料理を注文していた。


私の質問を聞いて、レアは椅子にもたれかかり、口を開いた。


「うーん……魔王を倒して世界を救うとか、そんな感じじゃないかな。よくわからんけど。」


「……あなた、元々この世界に住んでたんじゃないの?なんでそんなことも知らないのよ?」


レアが少し言いよどむように答えると、私はすぐに詰め寄った。


「それはずっと昔の話だ。今の状況がわかるわけないだろ。それに、今は世界もずいぶん変わってる。もしかしたらもう魔王なんて闇の勢力はいないかもしれない。」


「ふーん……」


その言葉を聞いて、私はじっとレアを睨みながら、同時に食べ物を口に運ぶのを忘れなかった。


「……なあ、そんな疑いの目で見られても困るんだが。俺は事実を言ってるだけだ。まさか話を作れって言うんじゃないだろうな?先に言っておくが、俺にはそんな才能ないからな。」


私の奇妙な目つきに、レアは少し気味が悪くなり、慌てて説明した。


「うーん……まあ、嘘は言ってなさそうだね。でも、あなたって本当にオジイちゃんみたい。ちょっと時代の流れについていけてない感じ。」


「お、オジイちゃん……?」


レアはその呼ばれ方に呆然とした。私は気にせず食べ続ける。


「だってあなた、何百年も生きてきたんでしょ?年齢で言えばもう立派な老人だよ。そう考えると、今の世界の状況を知らないのも当然かな。」


「へえ……よくまとめたな。」


私の説明を聞いて、無表情のレアは素っ気なく笑った。


「ところで、あの巻物の威力は本当にすごかったね。あれってどうやって作るの?」


「ああ、あれは感情で使う魔法の巻物だ。使い手の感情の変化に応じて威力が変わる。つまり、死への恐怖と生への渇望が一定のレベルに達すると、凄まじい威力を発揮する。特定の呪文も必要ないし、何を言っても使える。」


「そ、そうなんだ……すごいね……」


どうやらあれは本当に命を守るための巻物だったらしい。さっきのことを思い出したのか、私は少し後ろめたさを感じ、あの時あの巻物を売らなくて良かったと胸をなで下ろした。


「じゃあ、またいくつか巻物を作ってくれない?私、攻撃手段がほとんどないんだよ。それに無魔力・無職だし、だから――」


「俺に対する呼び方を変えるって約束するなら、考えてやってもいいぞ。」


自分に魔法の巻物をねだる私を見て、レアは少し面倒くさそうだった。


その言葉を聞いて、私はすぐに態度を変えた。


「レア様~お願い~あなた最高~魔法の巻物ちょうだい~もし私の言うことを聞いてくれたら、なんでも~し~て~あ~げ~る~」


私の話し方が妖しくなり、その大人しい見た目とは違和感があった。


「やめろやめろ――。わかった、頼むからその話し方だけはやめてくれ。鳥肌が立つ……」


「えへへ、ありがと。」


レアはその気まずい言葉に耐えかねて、すぐに私の要求を飲んだ。


――簡単でしょ?


「でも、先に言っておくが、材料の問題がある。昨日お前が使ったような巻物はもう作れない。あれは神域の材料だからな。」


魔法の巻物に使う材料は非常にシビアで、少しでも間違えると巻物全体が無効になることがある。ただレアが心配しているのは材料の品質ではなく、今は材料が全くないという状況だった。


「うーん――まあいいや。でも材料を手に入れたら、必ず作ってね。」


「はいはい、約束する……」


そう言って、私は食べ物を続け、レアは水を一杯飲んだだけだった。


すぐに、テーブルの上の食べ物は全て消え去った。


私はたくさん食べるのにスタイルは依然として良い。何しろここ数日ずっと高強度で走り回っていたから、太るわけがない。レアは一口も食べなかった。彼がほとんど食事をするところを見たことがない。人間だった頃の特別な習慣があるのかもしれない。でも、お腹いっぱいになった私はそんなことを考える余裕もなかった。


「うーん――満足満足――」


食べ終えた私は椅子にもたれかかって感嘆した。


「じゃあ、魔法材料を売ってる店でも探しに行かない?どうせ暇だし。」


「うん、やだ。」


一緒に近くの店を探そうとしたレアだったが、私はきっぱり断った。


理由は簡単、お腹いっぱいで本当に動きたくないから。


「……は?何言ってるんだ?お前、魔法の巻物が欲しいんじゃなかったのか?」


「うん、欲しいけど。でも材料を買いに行くのは嫌なの。」


席に座ったまま、私は憂鬱そうな表情でレアを見つめた。


「はあ?材料を買わずにどうやって魔法の巻物を作るんだよ?」


「単純に動きたくないだけ――――それくらい自分で買いに行けばいいでしょ?それに足首も捻挫してるし……どうしてもっていうなら、背負って行ってよ。」


「お前の足首、もうとっくに動かせるようになってるだろ。お前っていう奴は――」


反論しようとしたレアは急に言葉を止めた。どう言っても私に言い返されるのがわかっていたからだ。


しかし、こうもわがままに任せていては、長くは続かない。


レアはすぐに別の手を思いついた。


「もしお前がそう言うなら、俺は――」


「べーっ――もう効かないよ。その手には慣れたから。そうやって私を動かそうとするのは、ちょっと弱すぎるね。」


どうやらレアの脅しはもう効果がなかった。


それに私はもう顔を覆って、レアが指でこめかみをグリグリしたり頬を引っ張ったりするのを防いでいた。私は舌を出して「べーっ」とレアに抗議していた。


――私、夏奈、天才。


「お前、また何をそんなにご機嫌なななんだ……」


「ふん――」


外から見れば、私はただの甘えん坊のように映っている。


しかしレアにとっては、ただの暇潰しでしかなかった。


「それに昨日のこともまだちゃんと話つけてないし、どう考えても――」


私が昨日のことをまだ愚痴ろうとしたその時、レアは私の前に歩み寄り、手を伸ばして私の顎を持ち上げ、無理やり自分と向き合わせた。


「うーん――?」


「もう一度考えるチャンスをやる。」


そう言って、レアは顔を近づけた。


私は言葉の脅しには乗らないが、この手の脅しには確かに弱かった。


周りの人々はこれを見て、それぞれ手を止め、二人のやり取りを見つめていた。


「ちょ、ちょっと待って――――考えさせて――――」


「よく考えろよ。」


レアはさらに顔を近づけた。二人の距離は、互いの息遣いが聞こえるほどだった。


「も――もういい、行けばいいんでしょ、行けば。」


「……」


しかしレアはまだ近づき続け、二人の距離はどんどん縮まっていった。


周囲は息を呑んで、これから何が起こるのか待っていた。


二人がここに来てからの期間は長くないが、彼らの噂はそれなりに広まっている。周りの冒険者たちはレアと私のことをそれなりに知っていた。


「ま、待って待って待って待って――――――!レアさん、行きます、私が行きますから――――――!だからもう近づかないで――――――!」


どんどん近づくレアを見て、私の感情はますます高ぶっていった。


しかしレアはそれでも動じず、二人の距離を縮め続けた。


周りの連中は面白そうに二人を見守っている。


「あわわわわわ……」


「……」


私は必死に後ろに下がろうとしたが、レアはどんどん前に迫る。


――違う違う違う、これまたどういう展開?まさか今度は本当にやる気なの?


私の頭の中でいくつもの考えがよぎったが、結局何が何だかわからなかった。


そしてどんどん近づくレアを見て、私は抵抗を諦めたように、静かに目を閉じた。まつ毛が微かに震えていた。


ギルド全体が一瞬、静止した。誰も話さず、誰も動かない。全員の視線が二人に釘付けになっていた。


二人の唇が触れ合おうとした、その瞬間――


「よし、どうやらよく考えたようだな。」


「……?」


レアが突然動きを止め、後ろに下がった。


「え……?」


私はぱちぱちと瞬き、困惑した表情を浮かべた。周りの連中は何かショックを受けたかのように、それぞれ「えーっ!」という落胆の声を漏らした。


ただ、レアはなぜ彼らがそんな声を出しているのか知らなかった。


「さて、立て。出発するぞ。」


「……」


その時のレアはまだ気づいていなかった。私の表情が一瞬で冷め切ったことに。彼はまだ自分のことばかり話している。


「今までの手はもう通じないから、こうしたまでだ。だからと言って、お前――ぐ――――が――――」


レアの呼吸が突然苦しくなった。


それは私が再び背後から彼の首をロックしたからだ。そう、また首締め。この手はいつも効く。


「が――離せ、ぐ――――――離せ――――話し合おう――――首をロックするな――――」


「あなたって人は、人の気持ちを弄ぶ最低な男――――!変態――――!バカ―――――――!!!」


私は背後からレアの首をがっちりロックし、心は本当に怒りでいっぱいだった。目の縁には涙が浮かんでいた。


ギルドの中は、私の叫び声、周りの冒険者たちの落胆の声、そしてレアが首をロックされた時に発した――何か小さな動物が踏まれたような――奇妙な音で溢れていた。


今日の冒険者ギルドは、相変わらず賑やかだった。

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