表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バーロック・ワームズの供述書  作者: ダム底タヌキ
通常業務編
12/14

☆カラザを捨てるな

通路を歩いていると、私と全く同じインバネスコートを着た男が、すれ違いざまに声をかけてきました。


「ええ、そちらの第54号殿も。今回はどちらの次元へ?」


「灼熱の砂漠と人喰い蟻の世界です。左腕を置いていく羽目になりましたがね、幸運が味方してしまいました


なにせ、第18号や第33号は、向こうの環境に適応できず、酸の雨に溶かされて早上がりしたというのに、私だけがのうのうと生き残っているのですから…そちらは、随分と小綺麗な身なりのままで。引きが悪かったようですね」


薄々お察しの方もいらっしゃったことも思われますが、バーロック・ワームズというのは固有の名称ではありません。

帝国の命を受け、無数に存在する異界の生存環境、物資、文明レベル。

そして、侵略の難易度を調査するために量産された、使い捨てクローンの総称なのです。


「いいえ。控えめに言って、天国でしたよ

多少なりとも、死ぬのを惜しむくらいにはね」


「おや。それは驚きですね、生きていたいとは?」


「まあ、思わなくもないです」


「…驚いた。それほどまでに良い世界に当たったのなら、くれぐれも大事にするのですよ、第42号殿

私達ワームズは衝動的で、得難い幸福すらも、見境なく壊してしまう生物なのですから」


「ええ、侵略対象になるまではね」


「そこは我々の腕の見せどころですよ。遅延工作、頑張ってくださいね」


笑って敬礼する彼にそれ以上の言葉が出ず、同じ姿勢を返して別れました。


防疫措置としてハトソンを専用区画に隔離し、消毒噴霧装置の並ぶ通路を抜け、私は重厚な扉を開けました。


その先にあるのは、帝国の頂点――皇帝陛下が鎮座する、謁見の間です。


「…帰還したか、ワームズ」


玉座から見下ろす陛下の声は、腹の底を震わせるような威圧的な重低音。

その双眸は胡乱に濁っており、何を考えているのか読み取れません。


「はっ。ただいま帰還いたしました、陛下

ご命令通り、指定された異界についての調査報告をさせていただきます」


私は恭しく一礼し、調査の概要を口にしました。


「結論から申し上げます。地域にもよりますが…今回私が調査したあの島国は、我々の常識を覆すほどの異常な豊かさを誇っております」


「豊か、だと?」


「はい。物資の供給過多が常態化しており、彼らはまだ腐ってもいない、安全に食せる状態の食料品を“売れ残り”という理由だけで、毎日山のように廃棄しているのです」


「…ほう。その不穏な金属臭を垂れ流すスマホも、廃棄物の一片か?」


「いいえ、自決しようとした名残ですね」


「またか…貴様で何代目だと思っている。製造コストは馬鹿にならんのだ、機種変感覚でポンポン死ぬ悪癖はやめろ」


「無理です。私は所詮動物、本能には抗えませんので


ついでに、この精密機械にも用いられている鉱物資源に関してですが、彼らの領土の地下は既に掘り尽くされております

しかし、彼らが作り出した加工品からの回収は十分に可能かと」


私は一呼吸置き、最も重要な報告を口にしました。


「そして、侵略の難易度についてですが…極めて“容易”です

民はよくも悪くも、争いという概念から切り離された温室育ち。他人の領土を奪うという闘争心すら持ち合わせておりません


軍隊を派遣すれば、赤子の手をひねるように制圧できるでしょう」


その言葉を聞いた瞬間、周囲に控える将軍たちが、新たな狩り場を見つけた野良犬のように息を荒くしました。


「陛下!ならば話は早い。すぐにでも、我が帝国の先発隊を送り込みましょう!」

「あの世界、日本とやらを蹂躙し、すべての資源を接収するのです!」


やはり、そうなりますか。


「お待ちください」


「異論か?ワームズ、貴様自身が“侵略は容易”と言ったのだろう」


「ええ、制圧だけならね

ただし、焦土にしてしまうにはあまりにも惜しい。無視できないリスクだってございますよ」


「そうか、話なら聞くが、そのパンパンのスマホをプロジェクターに接続するのはやめろ。故障原因によっては被害が広がる」


「では、陛下に直接お見せしても?」


「構わん

ただし、その場から動くな、望遠で見る」


陛下がオペラグラスを構えたのを確認して、私はスマートフォンのフォトアプリを開き、目当てのスクリーンショットを見せました


「ご覧ください。私が調査したのは、この東の端に浮かぶ小さな島国に過ぎません

しかしてそのすぐ周囲には、中国、韓国、アメリカ諸々…得体の知れない国家群がひしめき合っております


もし我々が派手に軍を動かせば、これらの勢力に我々の存在を察知、私のような工作員を利用され、帝国に攻め込まれる危険があるのです


そうしたら、大変なことになりますよ?

何せ、彼らは魔法を使わない代わりに、星一つをミントも生えない死地へと変えるほどの致命的な兵器を持っているのですから」


将軍たちが「あのミントが…?」「ドクダミもか?」とざわめきました。


「ええ…他にも、国によっては他国の領海へと定期的にミサイルを打ち込む輩も存在します

事前情報通り、国際平和を謳っているのは確かですが…その中身は我々と同じ、望まないだけで、必要となればいつだって開戦可能なのです


それに、あの島国から我々が真に奪うべきは、領土でも資源でもありません

彼らの“生活水準に最適化された技術の設計思想”なのです。武力で蹂躙してしまえば、それらは一瞬で崩壊し、ゴキカブリしか残らない」


「文明の略奪であれば、技術者を攫えば良いだろう」


「いいえ、こんな寒空の下に連れてきてしまえば彼らは萎縮し、発展を止めてしまうでしょう

その証拠品として、こちらをお持ちしました」


私はインバネスコートの内ポケットから、丁寧に包装された数冊の分厚い本を取り出し、玉座へと差し出しました。


「まずは、こちらをご覧ください。彼らの生活を支える魔導具――“家電”のカタログです」


皇帝は気怠げにカタログを受け取り、パラパラとページをめくりました。

驚愕するわけでもなく、ただその胡乱な瞳で内容を吟味しています。


「…ふむ、機構自体は我が国の技術と大差ないな。理屈は分かる、評価はしよう」


皇帝は顎に手を当て、感心したように喉を鳴らしました。


「しかし、家電とやらには余分な機能が多いな…尻を温める便座だの、部屋の湿度を保つ箱だの…我が国では、人員を割く余裕のないオプションが大量にある


よって、この冊子は技術班に回そう

情報をもとに実物を仕入れ、“既存の設計とデザイン”を丸ごとパクれれば、一から開発する無駄なリソースを省けるというものだ」


さすがは我らの主、泥棒の才能にかけては一流です。


「お気に召したようで何よりです。そして、もう一つ」


私は本命の切り札を提示しました。


「こちらは、彼らの食文化の奥義が記されたレシピブックです

もちろん、陛下がお読みになれるよう、私が寝る間を惜しんで全てに我が国のルビを振っておきました」


ピクリ、と。皇帝の指先がわずかに反応しました。


実はこの皇帝陛下。常に暗殺の恐怖に苛まれており、毒見役すら信用できず、日々の食事を“全て自分で自炊している”という、権力者にはありがちな裏事情を抱えています。


帝国に代々伝わるレシピ帳はレパートリーも多く、十分に美味。皇帝自身の料理の腕もかなりのもの。

ですが、それでも彼は未知のレシピに対して底なしの探求心と飢えを抱えていました。


皇帝は本を開き、私の瀬戸内探訪の成果であるカラー写真の数々を眺めます。


「…ほう。この赤いソースが掛かった料理は、オムライスか」


「その通りです、陛下

卵で米を包み込む工程は我らと同一ですが、米の味付け、ならびに上から掛ける調味料に用いるようですね」


その瞬間、皇帝の目が文字をなぞるようにスッと細められました。


「ケチャップ…なるほど?隣国の万国が担ぎ上げた“神輿”…クニモリとやらの出生地か、そこは」


「ご明察にございます。あちらの民は、完熟トマトを万国の愚か者どものように投げ合うのではなく、煮詰め、砂糖と酢で調味する

そうしてできあがった完成品を、万能のソースと信じて疑わぬ節があるのです


彼らにとっての故郷の味とは、得てしてこの酸味の強い粘体によって口腔内の繊細な受容体が麻痺させられた瞬間の記憶に他なりません。美食の深淵を歩まれる陛下にとっては、家畜の餌にアボカドを混ぜるような蛮行に映るかと存じますが…」


「それは構わん…が、ワームズ。この写真は感心せんな、盛り付けが甘い


皿の縁に飛んだソースを一拭きもせず客に出すその無神経さ…厨房の換気扇にこびりついた、数ヶ月分の酸化した油の臭いが紙面越しに漂ってくるようだ

洗剤の薄まったバケツで何度も絞られた雑巾、あの独特の生臭さが染み付いたテーブルで、これを食わされる民の哀愁を考えたことがあるか?」


皇帝は指先で写真をなぞり、吐き捨てるように続けます。


「私が作るならこうはいかん。米はまず冷蔵庫で一晩寝かせ、デンプンを落ち着かせたものを使う

それを木べらで叩きほぐすのではなく、一粒一粒を油の膜でコーティングするように、中火で対話しながらじっくりと解きほぐしていくのだ。強火で煽ればいいと思っている馬鹿が多いが、それでは米が泣く」


「左様でございますね。陛下の仰る“対話”をおろそかにし、ただコンロの出力に身を任せて米をいたぶる私のような輩は、パラパラとパサパサの境界線すら見失う


かつて陛下のキッチンを汚した新米料理人が、水分を飛ばしすぎて米を礫に変えた際、彼がその後三ヶ月間、米粒の数を数えるだけの作業に回されたのは、教育的配慮として誠に無意味で、慈悲深いものでございました。私達はキノコの採集を仕損じただけで処理されるというのに…次は是非、私共ワームズを懲罰対象にして頂きたいものですね」


「無能はリサイクルし、有能は搾取する…それがスローガンだからな

して、この写真の卵を見てどう思う?」


「美味しそうですね」


「それも正解だが、予の求める答えとは違う。火が入りすぎてパサついているのだ

あるいは、油の温度が低すぎて卵液がフライパンに媚びを売ったか…無残に引き裂かれた痕まで見える


素人め。卵液は必ず一度裏ごししてカラザを除き、熱したフライパンへと一気に流し込むのだ

表面は絹のように滑らかに、内側は乳白色の情欲を孕んだ半熟…それこそが至高。調味料がどれほど旨かろうが、土台が悪ければ全体の評価を下げてしまう」


「情欲、でございますか。陛下のこだわりは相変わらず常軌を逸してらっしゃる、カラザと一緒に妥協もゴミ箱に捨ててきたんですね?捨てない派の私には理解できない感性です


確かに、あの半凝固状態のタンパク質が皿の上で震える様は、ある種のデカダンスを感じさせます。陛下の作るオムライスは、もはや食事というよりは、熱量計算と粘性変化が制御された奇跡


そこからカラザを除いた調理工程、白身の存在の根幹を揺るがす愚行を知った私が以前、一瞬箸を止めた際、『冷める。食え。さもなくば死ね』と宣われたあの瞬間は、私のクローン生で最大級の屈辱でしたよ、ええ」


「余計なものを切り捨てて何が悪い、燃焼済みの白身から舌でカラザの有無を引き当てる、貴様のような変態的な舌こそが理解の及ばぬ異物だ。些細な宗旨違いをねちっこく引きずってないで、食った後のことでも考えてみろ


オムライスを作った後のフライパンにこびりついた、焦げたソースと卵のタンパク質の成れの果て…あれをスポンジの柔らかい方で撫でるだけで落ちる程度の熱管理ができてこそ、料理人は自身の尊厳を守れるというものだ。ガリガリと金属タワシで己の過ちを削り落とすような惨めな真似、予はもう二度としたくない」


「陛下も、失敗とかするんですね!」


「そうだとも…栄華は常に、数多くの敗走の上に成り立っている

ところで、ワームズ。新薬の治験台になる気は?」


「よろしくお願いします!!」


「わかった、かゆみ薬で枠を取っておこう。座薬型で構わんな?」


「やっぱりなしで!!!バッドニュースより耳寄りなお話、いたしましょうか!


なんと、あちらの世界には“フッ素樹脂加工”という、陛下の潔癖すぎてウザい自尊心を保護するための素晴らしい技術がございます。次回の遠征では、最新の耐摩耗性調理器具を最優先で確保して参りましょう」


「頼んだ…新しいレシピと調理器具は、いくらあっても困らぬからな

それにしても…ふむ、この“ヤキブタタマゴメシ”とやら。なかなかに暴力的な盛り付けで悪くない」


皇帝の口角が、凶悪な弧を描きました。


「黙って聞いていれば…陛下!なにを暢気なことを!」

「左様です!レシピなどどうでもよろしい!今すぐ全軍に突撃の号令を!」


資源回収を焦る将軍たちが吠えましたが、皇帝陛下は「黙れ」と低く一喝し、玉座の肘掛けに頬杖をつきました。


「灰になった台所から、どうやって新しい料理のインスピレーションを得ろと言うのだ。戦後間もないマーケットに、豚肉は売っていないだろう?」


皇帝は、気まぐれな暴君の顔で私を見下ろしました。


「…ワームズ」


「はっ」


「あの島国は、我が帝国の“アイデア庫”として当面温存する」


皇帝はそう断じると、手に持ったレシピ本を一度閉じ、鋭い眼光を私に向けました。


「ところでだ…貴様のその、異界においてはいささか浮世離れした容貌、向こうでの評価はどうだった?」


「はっ。上々でございますよ、陛下

一部、私とハトソンの立ち姿を奇異の目で見る者もおりましたが、概ね私の顔立ち、形そのものは大衆に好まれる部類であると確信いたしました

特に若い女性や、マダム層には、いわゆる“目の保養”として高い価値があるようです」


「相変わらず自信家だな。だが、その“顔の良さ”が工作の武器になるのであれば重畳だ」


皇帝はフムと鼻を鳴らし、机の上に置かれた別の分厚い文書――初期派遣班がまとめた財務報告書を指先で叩きました。


「さて、本題だ。かの地の法はどうなっている?

技術を我が国に取り入れるには、まず現地の製品を正規に仕入れ、解体し、研究する必要がある。それには相応の資金が必要だ


…しかし報告によれば、我が国が誇る鉱石資源の換金は、現地の“身分証”がなければ不能。通信機の契約や購入も同様だというではないか」


「左様にございます。あちらの世界は、個人の行動がすべて“身分証”という名の電子の鎖で縛られております


初期班は路上のパフォーマンス――楽器演奏や軽業による“投げ銭”で日銭を稼いだようですが、組織的な買い付けを行うには、あまりにも効率が悪い」


「だろうな。他に現地通貨を獲得する方法に覚えがあれば言え

提出された文書と照らし合わせ、現地の法に触れぬ“再現性の高い稼ぎ方”を定める必要がある」


「一つは、対面式の雑貨販売、いわゆる“フリーマーケット”です

これならば、小規模な取引に身分証は不要。我が国の安価な工芸品を、あちらの“アンティーク”として売り捌くことが可能です


もう一つは、より直接的に“顔”を売る方法。容姿の整った工作員を送り込み、あちらの“チェキ”…即席の記念撮影と称して、一枚ごとに銅貨一枚相当の利益を上げさせるのです

あちらの世界では、美しい男や女の肖像には、時にパンよりも高い値がつきます」


「…顔を売る、か。危うい気もするが、背に腹は代えられぬか」


「ただし、注意すべきは法…特に“税”です。私の調査では、個人が一定以上の利益を上げると、あちらの税務署が目を光らせる


この機関は、時に警察よりも執拗で冷酷です。彼らに目をつけられぬよう、稼ぎ頭の工作員は定期的に入れ替え、利益を分散させる必要があるでしょう」


「税務署か。どこにでも、民の血を吸う役人はおるものだな…」


皇帝は忌々しそうに呟きましたが、ふと、私のたすき掛けにされたスマホ弾帯の、端の方にある一台に目を留めました。


「…待て、ワームズ。その通信機。一番新しく見えるそれは、見覚えがないぞ。向こうで買ったのか?」


「お目が高い。向こうでは最新のスマートフォンにございます」


「貴様、身分証はどうした。通信機器の売買ともなれば付き物だろうに…まさか、偽造なんぞしていないだろうな?

足がつけば、芋蔓式に他の工作員まで探られ、後々面倒なことになるぞ」


皇帝の問いに、私はニタァと、本日一番の汚らしい笑みを浮かべました。


「ご安心を、陛下。偽造などという下等な真似はしておりません

私はあちらの世界において、正式な法的手段…“就籍”を行いました」


「しゅうせき…?あぁ、日本出向の通過儀礼か」


「はい。現地人の大半には、一生縁のない精度ですがね…あちらの国には、何らかの事情で出生届が出されなかった“無戸籍者”を救済する法がございます

私は、身寄りのない流浪の民として家庭裁判所に申し立て、一から戸籍を作り上げました


お役所仕事に苦労はさせられましたが…今や私は、あちらの国の“国民”の一人として、正当な身分証を所持しております

スマホも、銀行口座も、すべて私の名義で、合法的に手に入れました」


謁見の間が、しんと静まり返りました。皇帝は、信じられないものを見る目で私を凝視しました。


「今更な話だが、貴様、工作のために、向こうの国民になっているな?」


「はい。まさかこの歳になって、異世界で“国民”になるとは思いもよりませんでしたがね」


「貴様の“帰属意識”はどこにある?」


皇帝の低い、試すような問いかけ。私は迷うことなく胸に手を当て、深く頭を下げました。


「――無論、帝国にございます。陛下

私はあちらの国の住民票を持ってはおりますが、なんやかんやで産まれた場所は離れがたい


いざという時には本職の密偵…いえ、殺人鬼として、しっかり働かせていただきますよ」


「ならいい」


皇帝は満足そうに鼻を鳴らし、手に持ったレシピ本を再び開きました。


「よかろう。ワームズ

貴様は引き続き潜入し、技術情報と、新たなレシピ本を献上し続けよ


…ただし、籍を置いたからには、あちらの“税”とやらはきっちり納めておけ。税務署ごときに我が帝国の覇道を邪魔されるのは不愉快極まりないからな」


「はっ、承知いたしました」


「それとだ、ワームズ。来期の査定は覚悟しておけ

外装が持ち上がるほどにパンパンのリチウムイオン電池を謁見に持ち込むなど、暗殺未遂も同然である」


「大当たりです!運が悪ければ大・爆・発!その際には、アヒルの園まで共に逝きましょうね!陛下!」


「任務を終えてから孤独に死ね、独りよがりに巻き込むな


潜入任務は休止する。貴様は城内で待機し、端末の処理に応じろ

幸いにも、異世界の最新機種はソラの餌として上等である、炎上しても文句は言わんだろう…早急にSIMを抜け、代わりのスマホを手配する」


「データ移行もつきますか?」


「端末が生きてる内は自分でやれ、そしてカウンセリングを受けろ


諸々が済んだら引き続きあちらの国に通い、存分に働け。私の胃袋と探求心を退屈させれば、次は貴様の内臓をレシピなしで煮込むからな」


私は皇帝の慈悲を受け、一礼して退出しました。


「…やってやりましたよ」


自爆テロ未遂、意味不明な思い出が増えましたね。


「へぇ、なにをやったの?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ