収穫祭への誘い
翌日は雨も上がり、よく晴れ渡っていた
魔術師はみのりに貰ったポシェットにあおを入れ、かなと村に薬を届けに向かった
村に着くなり、かなは「ぼく、先にお母さんの家に行ってるね!」と走っていった
かなを見送ると、魔術師はいつも通り村長へ行った
魔術師は薬の包みを渡し、必要なものは無いか確認し、食べ物を譲ってもらうと、かなを迎えにみのりの家に向かった
魔術師が扉をノックすると、みのりたちの家なのに魔術師を出迎えに来たのはかなだった
「あるじ、今日はくるみもお手伝いしてるんだって」
かなは自分のことのように報告をした
「みのりさん、いつもすみません。今食料を譲ってもらってきました。少しどうですか?」
魔術師は袋を手渡すと、みのりは袋の中を覗いた
「ありがとうございます。では果物を少し頂きますね。あおちゃんが好きだから切ってみんなで食べましょう」
と言って、ふたつ取り出した
「お母さん、私切りたい」
くるみはまだまだお手伝いをしたいらしくみのりの後に着いていった
みのりは手早くひとつ果物を切るとくるみに包丁を渡し、切り方を教えていた
オーブンからは甘い香りが漂ってきた
かなは待ちきれない様子で、みのりの周りを飛び跳ねた
「かなちゃん、皆には内緒よ?」
かなはみのりに果物を一切れ口に入れてもらい嬉しそうだった
みのりはお茶を入れ、焼きたての木の実の入ったクッキーと果物の皿を並べると席に着いた
くるみは、あおに自分の切った果物を手渡し、食べるのを見守っていた
かなは果物を先にもらってつまみ食いをしていたので、大人しくしていた
「あおちゃん食べたよ」
くるみは嬉しそうに言った
「あおちゃん食べてくれてありがとう。くるみ、良かったわね」
みのりはくるみへ声をかけると、魔術師の方へ向いた
「魔術師様、今年はかなちゃんとあおちゃんと一緒に収穫祭に参加されませんか?」
気を利かせた村長から毎年収穫祭へ招待を受けていたが、魔術師は断り続けていた
「収穫祭?美味しいものがいっぱいありそう。ぼく参加したい」
かなが目を輝かせて言った
「かながこう言うので今年は三人で参加させていただきます」
「村長にも伝えておきますね」
みのりが魔術師に答えた
「かなちゃん、みんな一緒で嬉しいよ」
くるみがかなに言った
「収穫祭楽しみだね」
かなの言葉にあおがキュッと鳴いた




