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あるじとかな  作者: 夜霧
第一章

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8/17

雷の日

 今日は朝からどんよりと曇っていた

 かなはいつものように出窓へ上がったが、ひなたがないことに、しょんぼりと耳を下げた

 外ではパラパラと雨が降りだし、すぐに土砂降りになった

 風で窓がガタガタと鳴り出し、かなは出窓から床へと降りた

「あお、下に行こう」

 かなが声をかけたその時だった

 稲妻が空を裂くように走ると、ゴロゴロゴロゴロと雷が鳴り響いた

 あおは驚いた様子で、固まっていた

 魔術師は立ち上がると、あおを抱き上げた

「かな、下へ行こう」

 魔術師はあおを抱いたまま階段を降りて行った


 魔術師がラタンチェアへ座るとかなも来てあおのおでこを舐めた

 固まっていたあおがかなを見ると、続いて魔術師を見上げた

 再び雷が鳴るとキュッと鳴き、魔術師の服の中に隠れようとした

「あお、大丈夫だよ」

 かなの声にも聞く耳を持たずあおは隠れようとした

 魔術師は服の前を少し開き、あおが入れるようにした

 あおは潜り込むとモゾモゾとしていたが、しばらくすると落ち着いたのか、雷が鳴っても静かにしていた

 あおが落ち着いたのを見届けると、かなは安心したように魔術師の腕にもたれかかった

 魔術師は、かなが落ちないよう抱えるように支えると、かなが見上げて来た

「あお、あるじのそばで落ち着いたね。ぼくもあるじのそばが好きだよ」

 魔術師がかなの頭を撫でた

「私も、かなとあおがそばにいると安らぐよ」

「へへへ」

 かなは嬉しそうに笑うと、そのまま目を閉じた

 魔導書は読めないが、たまにはこんな日があってもいいものだ

 かなを撫でながら魔術師はそう思った



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