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あるじとかな  作者: 夜霧
第一章

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2/17

塔の日常

 ふと目を覚ますと暗くなりかけていた

 かなはくぁあっとひとつ欠伸をし、周りを見渡した

 暗がりの中、魔術師は手元のランプひとつを頼りに作業をしていた

「あるじ、もう暗いよ」

 かなはそう声をかけると、魔術師の机へ飛び乗った

「そうだね、今日はもう終わりにしよう」

 魔術師はかなの頭を撫でながら言った

 かなは満足気に笑うと机から降りた

「ごはん食べよう、ぼく先に下に行くね」

 魔術師が上を片付け始めたのを見届けて、かなは下へ降りて行った


 魔術師はかなを見送りながら最近の自分を振り返った

 本当にあの子は私の事をよく気にかけている

 ひとりなら食事も睡眠も最低限

 地下の書庫から出ない日が何日も続き、研究に明け暮れ人としての生活など皆無だった

 かなが来てからは『あるじの健康はぼくが守る』と言わんばかりに世話を焼いてくれた

 小さな相棒が可愛らしくも頼もしい

 かなに叱られないうちに下へ降りて食事の支度を始めなければ


 魔術師は小さく笑うと、手元の資料を手早く片付け始めた


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― 新着の感想 ―
可愛らしく世話を焼くかなちゃんから、静かなんだけどとても温かい塔の空気が伝わってきます。 机に飛び乗って「ごはん食べよう」と声をかける無邪気な姿と、それを見つめて「小さく笑う」魔術師に、優しい時間が…
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