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塔の日常
ふと目を覚ますと暗くなりかけていた
かなはくぁあっとひとつ欠伸をし、周りを見渡した
暗がりの中、魔術師は手元のランプひとつを頼りに作業をしていた
「あるじ、もう暗いよ」
かなはそう声をかけると、魔術師の机へ飛び乗った
「そうだね、今日はもう終わりにしよう」
魔術師はかなの頭を撫でながら言った
かなは満足気に笑うと机から降りた
「ごはん食べよう、ぼく先に下に行くね」
魔術師が上を片付け始めたのを見届けて、かなは下へ降りて行った
魔術師はかなを見送りながら最近の自分を振り返った
本当にあの子は私の事をよく気にかけている
ひとりなら食事も睡眠も最低限
地下の書庫から出ない日が何日も続き、研究に明け暮れ人としての生活など皆無だった
かなが来てからは『あるじの健康はぼくが守る』と言わんばかりに世話を焼いてくれた
小さな相棒が可愛らしくも頼もしい
かなに叱られないうちに下へ降りて食事の支度を始めなければ
魔術師は小さく笑うと、手元の資料を手早く片付け始めた




