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あるじとかな  作者: 夜霧
第二章

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街の危険と雪豹のかな

 魔術師たちは、旅に慣れていないあおのために、あおが起きている間はゆっくりと進んでいった

 皆で周りの景色を楽しみ、時にはあおがかなの背中に乗る

 自分で歩いては木の実を見つけて頬張り、疲れると魔術師の服の中へ潜り込む

 あおも旅を楽しんでいるようだった


 あおが眠くなると、魔術師の腰に付けたあお用のポシェットにそっと寝かせ、かなに乗って進んだ

 かなの足なら人が歩く何倍も先へ進めるため、あおがのんびりしていても困ることはなかった


 村を出て数日が過ぎた

 旅は順調で、街にまもなく着く。その前に、かなに話しておかねばならないことがあった

 魔術師はかなに話しかけた

「かなに街のことを話しておかないとね」

「そうだね。どんな所?」

「村よりずっと広いよ」

「広い?」

「たくさんの人が暮らしていて、村にはなかったけれど、物を買うことができるお店があるんだ。かなが見たことがない物がたくさんあるよ」

「美味しいものも買える?」

「もちろん」

 魔術師の言葉に、かなはゆらゆらとしっぽを振り、目を輝かせた

「でもね、かな」

「どうしたの?あるじ」

「人が多いということは、それだけ色々な考えを持つ人がいる、ということなんだ」

 かなは首を傾げた

「村の人たちは、かなのことを知っていたね。聖獣様だからと、大切にもしてくれていた。でも街の人は、かなのことを知らない。かなを見て優しくしてくれる人もいるかもしれない。でも、珍しいから、可愛らしいからと、自分のものにしたいと考える人もいるかもしれないんだ」

 かなは少し考え込んだ

「だからかなに、街にいる間は、雪豹の姿でいてもらいたいんだ」

「どうして?」

「かなが聖獣だと、みんなに一目でわかるからだよ」

「……小さいと、ダメ?」

「かなを知らない人は、小さなかなを見て『小さいから連れて行ける』と思うかもしれない。でも身体の大きな雪豹なら、簡単にはそんなことは考えないんだ」

「そっか、あるじがそういうなら、我慢する」

「かな。ありがとう」

 魔術師はかなを抱き上げると、優しく頭を撫でた

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