「流星の玄曜観察日記」 ― 玄曜の私服について ―
本編では描ききれない日常を、 流星が勝手に
記録している【玄曜観察日記】です。
後宮での日常や、流星と玄曜の、
細かい一面を綴っています。
息抜き感覚で読んでいただけたら嬉しいです。
玄曜は普段、ほとんど文官衣を着ている。
離れで過ごす時は、
だいたい麻でできた寝衣だ。
たまに、私服を着ていることがある。
飾りや刺繍のない、とてもシンプルな服。
けれど、生地はものすごく上質だ。
手触りが、まるで違う。
洗濯で初めて触った時、正直びっくりした。
オレの後宮衣も決して悪い生地じゃない。
でも玄曜の私服は、
さらにその上をいっている。
きっと高級品なんだろう。
まあ、上位文官だし、
生まれも良さそうだし。
玄曜は、私服を着て離れから外へ
出ることはほとんどない。
そのせいか、私服もあまり持っていないようだ。
……必要がないのかもしれない。
オレが今まで見たことのある私服は、五着だけ。
色も落ち着いたものばかり。
深藍
油煙墨
将校呢
蔵黒藍
銀白色
私服は地味なのに、
目立つのは顔のせいだと思う。
派手な色は一枚もない。
似合わないと
本人は思っているらしい。
そんなこと、ないのにな。
「もっと衣を買えばいいのに」
そう言ったら、
玄曜は平然と返してきた。
「衣はある。衣装用の宮殿に置いてある」
……衣装用の宮殿とは??
やっぱりお坊ちゃまなんだろう。
それ以上
聞かないことにしておいた。
※作者より
お読みいただき、ありがとうございました。
龍霊雨器と流星、そして玄曜の物語は、まだ続きます。
龍霊雨器は【火・木・土 20時半頃】更新です。
続きを読みたいと思っていただけましたら、ブックマークで追っていただけると嬉しいです。




