第95話「揺れる心」
「なんかニコニコしてるけど、昨日何かあったの?」
「特に何もないわよ、さぁ、早く生徒会に行きましょう」
廊下を歩いてる最中優芽と夕陽は会話をした。
夕陽の様子が少しおかしい。
その異変を優芽は感じ取っていた。
生徒会室に到着するとそこには馴染みのメンバーが揃っている。
「これで我が校の生徒会は揃ったわね」
優芽の続きに夕陽が入るとそう会長は言った。
「遅れてすみません、ほら夕陽も」
「遅れて申し訳ないわ」
2人が謝ると会長は口を開いた。
「大丈夫よ、それで本題だけど、この生徒会報告ファイルを他校の生徒会に届けて欲しいのよ。誰か行ってもらえたら助かるけど」
「じゃあ私が行きます、ついでだから文房具屋さんでカラーペンも買ってきますね、この前切れてたので」
「助かるわ麻友、それじゃお願いね」
「あ、あの」
優芽は会長に声をかけた。
「ん?」
「その報告私が行ってもいいですか?ここずっと麻友ちゃんや林檎さんが働いてるからたまには私も協力しないとと思って、それで」
「そうね、じゃあ優芽さんにお願いしようかしら」
「はい!」
少しでも役に立ちたい、そう張り切ってる所に横で夕陽は声をかけた。
「優芽が行くなら私も行くわ」
「え」
「何かまずいことでもあるの?」
「そうじゃないけど」
「なら決まりね」
優芽は1人で考えたかった、夕陽の変化を。
学校を出ると猛烈な直射日光が2人の頭上を照らした。
午後15時といってもものすごい暑さだ。
「暑いわね、早くそのファイルを届けて帰りましょう」
学校から離れ道路沿いの小道を歩く2人。
これから行こうとしてる他校は徒歩で50分くらいである。
夕陽は先頭、優芽は後方で少し距離を取りながら歩いていた。
ミーンミーンとセミの鳴き声が聞こえる。
「きゃっ」
突然優芽の頬から頭上にかけてセミが横断。
「優芽!!」
突然の叫びで夕陽は振り返る。
「大丈夫だよ、ちょっとセミに驚いただけ」
二コリと安心した顔で夕陽は言う。
「良かったわ、あまり心配かけちゃダメよ」
「うん」
ぽんと優芽の頭上を夕陽は手を当て撫でた。
それから2人は無言で歩き続ける。
この時、優芽は思っていた。
いつもより会話が少ないと。
他校に到着する5分前、優芽は勇気を振り絞った。
「ねぇ」
「ん?」
「昨日何かあったでしょ?」
昨日。
そう、それは千香との電話をしていたこと。
いつもなら毎日夜の電話が昨日なかったのだ。
そのことが気になり優芽は怪しげに受け取っていた。
「何もないわよ」
「じゃあ何で昨日電話なかったの?」
「メールで言ったでしょ、親戚の子供の遊び相手をしてたって。それ以上に何があるっていうの?」
「なんか隠してる気がして」
「私がそんなことするはずないでしょ」
「そう、だよね」
「ほら、不安になること考えてないでさっさと仕事終わらせるわよ」
「うん!」
目的の他校に到着すると夕陽たちは校舎内に入っていった。
「それで、生徒会はどこかしら?」
とりあえず階段を上っていく。
「私、職員室に行って聞いてみるよ」
「分かったわ、じゃあここで待ってる」
夕陽の承諾を得ると優芽は職員室へと向かった。
ぽつんと1人階段で待たされる夕陽。
「ふぅ、あの娘に嘘付いちゃったわね。これからどうするべきか…」
階段の壁際に背中をもたれ右手を額に当てる。
「夕陽?」
声がした方を向いてみるとそこには千香がいた。
「千香」
「こんな所でどうしたの?あなたがここにいるなんて珍しいじゃない」
「生徒会に用があったのよ、それよりここは千香の学校だったの?」
「ええ、ちょうど園芸部でお花たちに水を与えに行こうかなと思ってたんだけど」
「今は暑いからもう少し陽が暮れてからの方がいいわよ」
「それもそうね。ところで昨日の電話なんだけど」
パラパラと用紙が散らばった音がした途端。
そこに優芽は立っていた。
「え?」
「優芽」
「昨日、千香さんと電話してたの?」
とてつもなく暗い表情になる。
「違うの!」
夕陽は否定したが優芽はその場から立ち去ってしまった。
多分、夕陽、優芽、千香のお話が続くかと思います。
恋愛話頑張って書きます。
それでは。




