第94話「少しの変化」
家に帰った千香は着替えもせずベッドに横たわるとスマホを取り出した。
そして、メールの連絡先リストを見つめる。
そこには先程夕陽に話した恋人2人の名前が書いてあった。
「連絡する、ううんダメダメ。でも、夕陽に言われた通り報告はしないとだし。ほんと、どうしたら」
スマホを胸に置き天井を眺める。
「やっぱりきちんと報告しよう」
行動に移るとサっとメール画面を開く。
そして、文字を入力し、送信ボタンを押し終えた。
スマホの画面には送信完了の内容が表示された。
それから数時間が経ちスマホの着信音が鳴った。
その同時に素早くスマホ画面を見るとそこには夕陽の名前で受信されていた。
「えっ、私、夕陽に送ったはずないのに」
だが、受信メールには夕陽からの内容で送られていた。
とりあえず返信しなければならない。
そう思い、入力しようとすると今度は電話の着信音が鳴った。
「きゃっ、で、電話?」
急に電話の着信音が鳴ったので、千香は少し驚いた。
夕陽と電話するのはこれで2回目である。
前回は学校に両親が来るとかで男装をしてキスをしてくれないかと頼まれた感じであった。
そのことも踏まえ、また何か頼まれごとかと思い電話に取る。
「も、もしもし」
「急にごめんなさい、今大丈夫かしら?」
「ええ、それで用はなに?」
「あなたがさっき送ったメールを読んだわ」
「やっちゃったわね、ごめん、見なかったことにして」
「そうスルー出来るわけないでしょ」
「本当にお願い、スルーして。私、夕陽の力を借りてあの子たちに思いを伝えたくないの。自分のことだから自分なりに答えを出したい」
その後、夕陽は微笑んだ。
「何よ?私、冗談で言ったつもりじゃ」
「千香の気持ちは分かったわ。こうして電話してることが嬉しくて」
「嬉しい?私と会話して楽しいってこと?」
「そういうことになるのかしらね」
「何よそれ、夕陽には優芽さんていう大切な人がいるんでしょ?浮気は許されないんじゃないの」
「分かってるわよ、今のはなかったことにして」
「冗談で済まされる雰囲気じゃなかったけど」
夕陽と千香はその後笑った。
お互いに恋人はいるのだ、浮気は許されない。
だが、少しずつお互いの気持ちは変化を見せていた。
この2人何となく良いですよね。
いつもコメディな話題が多かったのでたまには甘い感じもいいかなと。
続きも頑張ります、それでは。




