第92話「会長の悩み」
「解散ってそんな」
「会長さん、それは冗談で言ってるのよね?」
麻友と林檎の声に会長は答える。
「もう決めたことなの、ごめんなさいね」
「それは私が許しません!」
声を上げたのが麻友かと思ったがその主はイトカであった。
「あなたに関係ないことでしょ?」
会長は強い口調で言うがイトカはそれでも引かなかった。
「関係あります、私はスパイ本部からこの生徒会を守るために命令されて来ました」
「スパイ本部?」
「通称、暗女交信本部。実際の所、私も本部がどこに存在してるか分かりません」
「漢字で交信と書かれてる通り無線でやり取りだけの本部なの」
さらっと林檎は説明すると、緊迫した生徒会室の中、麻友はそっと会長の手を握った。
「麻友」
「私はいつでも会長の味方です」
にこっと麻友は微笑んだ。
その表情を見て安心したからか、会長は生徒会を辞める理由を話した。
「私ね、卒業した後のことが決められないの」
「進学するか、家を継ぐかですか?」
会長は頷いた。
「大学へ行けば今まで知らなかった世界を見ることが出来る、でも家を継ぐのであれば今からこれからのことを始めないといけない、生徒会長を続けてたらどちらも中途半端になってしまう気がして」
「…会長、1人で決めなくていいです。生徒会を終わらせる必要ありません、会長が進路を決めるまで生徒会のみんなで支えればマイナスの気持ちもプラスになりませんか?」
「麻友……」
「それもそうね、会長さんは1人じゃないわ」
「麻友のことを争ってライバル同士になった仲じゃない、1人で考え込まないでいつでも私達に相談しなさいよ」
「夕陽さん、林檎さん……じゃあ、答えが出るまで続けてみようかしら」
「その意気です! 生徒会が守れるなら私の登場はいらなかったですね」
「そんなことないわ、本部に今後も生徒会を見守ることを報告しなさい。私だけじゃ力不足だしイトカと本部がいれば心強いから」
「了解です」
一旦問題も解決し生徒会が笑顔を取り戻した時、麻友は会長の耳元で小さく言った。
「大学に行くか家を継ぐかどっちを選んでもいいんです、私は会長の思う方に付いていきますよ」
その後、会長の手には麻友の温もりを感じるのであった。
お久しぶりです、あれから考えては消して考えては消して進んでとこのお話を書いてました。
でも、何とか完成出来て良かったです。
修正のためこの前話のお話は変更させていただいてます、更新した時よりお話の内容が変わってるので見ていただけると嬉しいです。
それでは。




