第99話「スーパー」
午前11時、麻友は高持家、つまり自分の家で2階から下りてきた。
ちょうどお昼時ということもあり、麻友のお腹はグーと音が鳴っている。
「お腹空いたー、今日のお昼は何だろうな」
いつもお昼は高持家専属のメイドさんが作ってくれる。
その料理の味は格別に美味しく、家の中にいるのに外食をしている気分も感じられる程だ。
リビングに着くと、そこに会長は頭を悩ませていた。
「どうしたものかしらね…」
「どうかしたんですか?」
「あ、麻友。実はメイドさんが全員実家に帰ってしまって、お昼を作れそうにないのよ」
「そうだったんですか、それじゃデリバリー頼みましょ。電話して何分か経てば届けてもらえますよ」
「それがここは配達不可地域なのよ」
「あー、じゃあスーパーへ行って食材買って自分で作るかお弁当を買うしかないですね」
「そうね、お金はあるから安心して」
「それじゃスーパーへ行きましょう」
麻友と会長は身支度を済ませるとスーパーへと向かった。
たった1人麻友の妹は自宅でお留守番という形で待たされた。
スーパーへ着くとそこは騒がしいお客さんの声と店内のBGMが入り混じっていた。
普段麻友たちはメイドさんにご飯を作ってもらい食べてるのでこうしてスーパーへ買い物することはない。
だから、何もかもが新鮮だった。
「とりあえずお惣菜コーナー見てみますか」
「そうね」
お惣菜コーナーに寄るとそこにはハンバーグや揚げ物などの商品がずらりと置かれてある。
「どれも美味しそうね」
「んー、お弁当コーナーも見てみましょう」
「え?もう?」
あまりお惣菜コーナーを見ないで麻友はお弁当コーナーへと立ち寄る。
「んー、やっぱり」
「何がやっぱりなの?」
「まだどれも値引きシール付いてないですよ」
「値引きシール?」
「消費期限や賞味期限が近付いた商品とか在庫を売り切りたい時に付くシールのことなんですけど、まだどれにも貼られてないなと思いまして。それがあれば会計の時に安く済むんですよ」
「そうだったの、いつも買い物はメイドさん任せだから初めて知ったわ」
「多分もう少し待ってれば値引きシール付くと思いますよ、いつも夕方からなので」
「それじゃ店内を他に見て回りましょうか、それなら時間潰しにもなるし」
「はい」
麻友と会長はお惣菜コーナーから離れる。
その頃、林檎、夕陽、優芽は麻友たちと同じスーパーに来ていた。
そのことを2人は知らない。
「あなたと駐車場で会うなんて奇遇よね」
夕陽は横にいる林檎に言った。
「ほんと、もしかしたら麻友や会長さんも来てるんじゃないかしら?」
「それはありえないでしょ、麻友たちはメイドさんの高級料理を食べてるんだから、私達みたいに庶民の味を知る訳がないわ」
「夕陽、それは言い過ぎだよ」
「あら、そんな私でも今1番食べたい物あるわよ」
「何?」
「優芽の苺」
そう夕陽に言われると優芽は頬が赤くなった。
そこに林檎は突っ込む。
「蕾のほうがいいんじゃない?」
「ふーん、あなた私達の中に入りたいってわけ?いいわよ、2人とも優しく指導してあげる」
「遠慮します、私は麻友が好きだから、ただからかっただけよ」
「つまらないわね」
「そんなことより2人とも早くお惣菜コーナーへ行こうよ。値引きシール貼られてるかもしれないよ」
優芽は2人を誘導させた。
それからしぶしぶとお惣菜コーナーへ行くと値引きシールが貼られてるお惣菜が点々と並んでいた。
「グットタイミング、このコロッケとか炒め物もすごい安いわ」
林檎は値引きされてる商品を次々に取っていく。
「そんなに取って全部食べれるのかしら?」
夕陽は林檎の行動を見て気にかけた。
「冷凍すれば大丈夫でしょ、それに冷凍しなくてもテーブルにたくさん並ばせたお惣菜たちを見て楽しむのが好きなのよ」
「変わった性癖ね」
「夕陽と一緒にしないでくれる? この前の生徒会準備室で優芽の周りにカメラを仕掛けて1人で楽しんでたのは誰だったか」
「あなた見てたのね?」
「そりゃ引き戸が少し開いて奥から甘い声が聞こえてたら誰でも見るわよ。ちなみにそこに麻友もいたのよ」
「ふーん、後で麻友にお仕置きしないとダメなようね」
お惣菜コーナーで夕陽と林檎が会話をしていると、その頃、麻友たちはお惣菜コーナーに戻ろうとしていた。
「そろそろお惣菜コーナーに戻りましょうか、何か変化があると思いますよ」
「ええ」
麻友と会長はお惣菜コーナーへと向かった。
ただ、これから起こることを生徒会メンバーは想定外の出来事だった。
今回はスーパー回。
次回はとうとう100話になりますね、記念の話もすることなく今回のお話の続きということで書いていきます。
それでは。




