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召喚獣? いえっ召喚人です!  作者: 音野 一角
第二章 ??編
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2-0-0 プロローグ

 ご挨拶が大変遅くなってしまいましたが皆様、

 あけましておめでとうございます。

 どうぞ今年もよろしくお願い致します。

 元の世界じゃずっと片想いをし続けていた幼馴染、倉本仁美と死別してしまい、そして俺は一人、人間として腐った。


 何もかもがどうでもよくなって、心ここに在らずって感じだった。

 そして事故にあったんだ。


 目を覚ました時、そこには可愛らしい少女、アイちゃんがいた。


 アイちゃんが仁美の娘だと勘違いして、自分の身勝手さに、自己中加減に絶望しかけたりしつつも、アイちゃんのおかげで俺は人に戻れたんだ。


 事故で死んだと思っていたのに、アイちゃんの召喚獣、つまり召喚人として異世界に来た俺。


 アスカと出会い、俺と同じようにこの世界に召喚された仁美とも再会出来た。


 まだまだ話とかしてないけど、この一年間仁美と共にあり続けたらしいトオちゃんとも出会えたんだ。


 ちょっとばかりイタズラというか、茶目っ気のある町長さんも、まあ良い人だ。


 これからの生活が楽しみだなって、そう思っていた。


 それなのに、どうしてこうなるんだ?


「くそっくそっくそっ!」


 俺は一人、ドームにいた。


 俺はただの人じゃない。召喚獣、召喚人だ。

 俺にとって死は終わりじゃない。

 これは俺の推測だけど、俺を召喚している術者、つまりアイちゃんが生きているかぎり俺は死んでも自動的に再召喚されるんだ。


 推測なのはアイちゃんが生きている限りってところ。これは流石に証明のしようがない。


 だけど、俺はこの世界に来てから既に何度も死んでいる。

 狼の姿をした魔獣に何度もガブガブされているんだ。


 死ぬと俺はドームで復活する。これは証明してるというか、経験だ。


 もしかすると回数制限があるかもしれない。

 だけど、それもまた確かめようがない事だ。


 それよりも今重要なのは、俺がドームで目覚めたって事実。


「……なんでだよ……」


 何が起きた? 一体何が起きたんだ?


 いや、そんなの少し考えればわかる事だ。今までの経験を考えろ。

 この感じ、これは死による復活だ。


 重要なのは現状把握じゃない。

 ここにいる理由は死だってわかる。すぐに、簡単にわかる。


 だから重要なのは死の理由だ。


 俺は仁美の家にいたはずだ。

 それにもかかわらず、起きたらここにいる。

 これって寝てる間に殺されたって事か?


 誰に? いや、待て待て待て!


 仁美の家にいた俺が死んでるって事はだ、俺を殺したその犯人がそこにいるって事じゃねえか!


 つまり、仁美の身が危ない!


「仁美!」


 俺は飛び起きるとドーム端にある倉庫エリアへと向かった。


 夢のような世界で出会った黒ドレスの巨乳ことエルの話が本当なら、目覚めたら今の俺の身体は元のレベル、つまりレベル一に戻ってるって事だ。


 戦いで得た経験そのものは残ってるけど、身体能力が落ちているってのはほぼほぼ確実だろう。


 そんな状態でまたあの森を抜けないといけないのか……ちくしょう。


 こちとら急いでいるんだ。倉庫エリアに置かれている武器を取りに行った……ちくしょう、よりによって剣の在庫がゼロかよ。


 それならしゃーない。初心者武器としては使いやすいであろう槍を手に取って、俺はドームを出た。


 空では太陽殿がギラギラと最高に輝いているけど、俺の心は真逆だ。


 仁美の身が危ない。せっかくまた会えたのに、また失ってしまうかもしれない。


 失う? 仁美を? また?


(怖い、怖い、怖いっ)


 そんなの絶対に嫌だ! だから俺は走り続けた。全力で、息が切れても仕方がない。胸が苦しくても、吐き出してしまいそうになっても走り続けた。


 今この森にいるボスは仁美とトオちゃんによって倒されている。

 だからもしかすれば一戦もなく町まで帰る事が出来るかもしれないって思ってたけど、


「ちっ」


 そう簡単にはいかないらしい。


「邪魔だワンコロ!」


 道を塞いでいるのは俺を二度も殺してくれやがった狼魔獣。

 一匹ならレベル一になってしまっている今の俺でもどうにかできるか?


 ドームに剣の予備がなくて本当にアンラッキーだったな。

 剣なら確実に勝てたはずだ。


 レベルが戻ってて身体能力に補正がないけど、それでもその状況で倒したって過去があるからな。


 明確な結果は自信になる。そして自信は確実に力になる。


 特に、俺みたいな結果を知らないとやる気がなくなってしまうような奴はな。


 使い慣れた剣がないのは厄介だけど。所詮は飛び掛かる攻撃しかないんだ。


 始動の時さえ見逃さなければ問題はない。


 槍先を前に突き出すように構え、敵が動くのをジッと待った。


(……なんで動かないんだ?)


 今までなら確実に飛び掛ってきたであろう時間はとっくに過ぎてるはずだ。

 にもかかわらず魔獣はガルガルと唸るだけで飛び掛ってくる気配がなかった。


(くそっ。急いでる時に限ってなんでだよっ)


 心の中で舌打ちをしながら俺は思考を巡らせた。


 どうしてこいつは飛び掛ってこない?


 俺としてはその単純な攻撃を躱し、その隙にこの槍で一突きしてやろうって作戦なんだ。

 つまりはカウンター作戦だ。


 そのためには相手に攻撃してもらわないと困るんだけど、何故こない?


 今まではバカのひとつ覚えみたいに来ただろ?


 イライラする。頭の中が熱くなる。


 だめだだめだ! 俺は弱い。それはもうわかりきってる事だ。だからこそ冷静に、クールになるんだ。


 こいつらが吸収した光を得る事が出来れば多少レベルが上がってマシになるかもしれないけど、それでも俺は決して強者じゃない。


 焦れば死。いや、リトライだ。


 俺は大丈夫だと思う。たけどそれじゃあだめなんだ!

 仁美が、アイちゃんが、アスカが、それに町長さんだって、町のみんなだって危ない目に合ってるかもしれないんだ。


 早く、早くそこに。町に戻らないといけないんだ!


「さっさと来いよ! ビビってんじゃねえぞ!」


 感情に任せて叫んだ所でふと気が付いた。

 今、明らかに反応があった。


(っ! そうだっこいつらに挑発は有効だったな!)


 知性は低くても挑発のニュアンス的な奴を感じる事は出来るんだ。


 動かないから動かさせてやる。


 苛立ちで思わずこっちから槍を振り回そうとしてしまった俺の状況をテメェにくれてやる。


「ほらよ! さっさと来いよ! 序盤でしか戦わないであろう雑魚代表さんよ!」


 唸り声がだんだん強く、大きくなっていた。

 よしよし良いぞ。挑発が効いてるみたいだな。


 汚ねえヨダレを垂らしまくりやがって、もうお前相手と長い時間相手をしてる暇なんてないんだよ!


「この大地に汚ねえ水分与えてんじゃねえぞ! この環境汚染野郎!」

「ガルッ!」


(来た!)


 俺自身意味がわからない挑発っぽい言葉を連ねていたらついに魔獣は跳んだ。


 まっすぐ俺の喉に向かって大きな口を開く狼。


 その口の中に向かって、俺は槍を突き出した。


「はあああああっ!」


 ぶちぶちと嫌な感触が手に伝わった。


 魔獣の内臓がどんなっているのかなんて知らないけど、確実に、奴の中を破壊した感触だ。


 魔獣の口先が槍を掴む俺の手に届く寸前で前進はピタリと止まり。


 そして淡い光を放って消えた。


「……これは……嫌な感覚だな」


 魔獣本体が光に消えた時に返り血も消えている。


 一見汚れているようには見えない。


 だけど、俺には凄く汚れて見えた。


 そんな自分の手を眺めながら、俺は小さくつぶやいた。


 今年最初の更新ですね。

 最初だからといって何かしらのサービスがあるわけもなく、平常運転の更新内容でしたが、それでもどうかこれからもよろしくお願い致します。


 感想や評価、ブックマーク登録や作者登録などよろしくお願いします。

 最新話下部にあるランキング投票もしてくださるとありがたいです。


※更新が遅くて本当に申し訳ございません!

 リアルの方が落ち着くまで、もう少々お待ちください! 本当にごめんなさい!

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