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召喚獣? いえっ召喚人です!  作者: 音野 一角
第一章 来界編
25/46

3-3 選ばれし光III 〜そうですか〜

 更新できました!

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「町長さん! どうして健太君をあたしの家に泊まらせたんですか!」


 少し経ってから、立てるほどに回復した仁美が町長に向かってそうぶつかっていた。


 ……うん。仁美があまりにも必死で俺の心に大きな傷が……。そんなに嫌っすか。そうっすか。


「ふぉっふぉっふぉっ。そう照れるでない仁美」

「うっ……話を変えないでください!」

「ふぉっふぉっふぉっ。お主の事じゃ、掃除は欠かしておらんじゃろ?」

「そうはそうですけど、あたし二ヶ月ぐらいいなかったんですよ! その期間は放置じゃないですか!」

「大丈夫じゃよ。町の女が交代で掃除をしておったからな」

「え、そうなんですか? ありがとうございます」

「ふぉっふぉっふぉっ。ワシにお礼を言う必要はなかろう。ふぉっふぉっふぉっ」


 あれ? 仁美は町長を責めてたはずなのに、いつの間にか頭まで下げてお礼を言ってるぞ?

 それに掃除とかなんとか、どういう事だ?


「えーと仁美? ともかく俺は玄関までしか入ってないから。そりゃ自分がいない間に勝手に、それも男に家を使われたら嫌だと思うけど、中は一切見てないから、その安心してくれ?」


 ……やばい。言葉にしたらより落ち込んできた。


「えっ? あ、ちっ違うよ!? 別に健太君に入られたのが嫌だったってわけじゃなくてね!?」

「大丈夫、俺は大丈夫だから」

「ほ、本当だよ!?」

「そうだな。うん。わかった」

「それは絶対わかってない方だよね!?」


 慌てて取り繕ってくれる仁美の優しさが胸に染みるな。

 でも、ちょっと傷には痛い方で染みるなー。……ぐすん。


「ああもうっ! 全部町長さんのせいですからね!」

「ふぉっふぉっふぉっ。何を言う。ワシの優しさがわからんのか?」

「何が優しさなんですか!」


 両目をくの字にして叫ぶ仁美。

 ああ、いつも物静かだった仁美がこんなにアクティブになって。

 嬉しいけど、一年のズレって、それも世界ごと違う経験によるズレって悲しいな。


 いやいや、そんな事はない。

 仁美が今こうして生きていてくれているんだ。


 一年のズレがなんだ。仁美は生きている。トオちゃんが女の子である以上、結婚してるってのもただの勘違いだ。


 つまり、つまりだ。まだまだ俺にチャンスはあるって事だよな。うん。


「そうじゃ仁美。こういうのはどうかね?」


 なんとなーく嫌な予感がするのは気のせいか?

 仁美関係で町長は混ぜるな危険って俺の何かが叫んでるんだよな。さっきから。


「お主は自分がいない間に、彼を家に入れた事に関して怒っておるのじゃろう?」

「そうですよ!」

「ならば今はお主がいるのじゃ。ならば彼を仁美の家に泊めても問題はあるまいな」

「……え?」

「町長さん!?」


 仁美が唖然としている中、俺は思わず町長に叫んでいた。


 この人は本当になんて事をのたまいやがるんだ!?


「問題あるまい?」

「いやいやいやいや、問題ありますよ町長!? 俺は男で仁美は女っ! オーケー?」

「なんじゃ。それの何が問題なのじゃ?」

「いやいやいやいや、こちとらお年頃ですからね!? そんな男女を一つ屋根の下で暮らさせたらだめでしょう!?」


 仁美の家に泊まるってのを、俺が昨日渋々ながらも承諾したのは、仁美が家にいなかったからだ。


 いや、本人が家にいないから泊まってもいいだろって考え方はまずいけど、そうだとしても今回の場合正論は俺にあるはすだ。


「何故だめなのじゃ?」


 町長ー!? この人はさっきから何を考えていやがりますんですか!?


 その顔は明らかに疑問符を浮かべている顔じゃねえ!


「だ、だからですね!?」

「何か、問題があるのかの? いや、問題が起こるのかの? それとも、問題を起こすのかの?」


 そう言って意味深な笑みを浮かべる町長さん。

 ……この人って奴は……。


「そうじゃ。すまぬすまぬ。これはまず家主の許可が必要じゃな。どうじゃ仁美よ」


 っ! 町長あんたの負けだ!


 仁美は拒否するに決まってるからな!


「い、いいよ」

「っ!?」


 な、何ーっ!?


「だけどその前にちゃんと掃除させてね!」

「いや、その仁美?」


 顔を真っ赤にして何やら慌てている仁美。

 ……あっ、そっか。


 感覚的には友達を初めて家に入れる人みたいな感じなのか。


 確かにそれなら緊張するのも仕方がないのか。

 そういえば仁美って結構照れ屋だったよなー。よく赤くなってたし。忘れてた。


 だけど、やっぱり確認しといた方がいいな。うん。


「本当にいいのか?」

「う、うん。それに泊まる所ないもんね」


 そう言って俯く仁美。


 まあわかってたけどさ。仁美も嫌々という渋々だよな。

 だけど仁美は優しいからな。幼馴染のよしみで泊めてくれるって事か。

 ありがたやーありがたやー。


「ふぉっふぉっふぉっ。話はこれで決まりじゃの」

「「……そうですね」」


 仁美と声と目が揃った。等しくジト目である。

 この町長、ただの良い人かと思ったら、結構クセが強いぞ。


「どれ、仁美はすぐにでも掃除に取り掛かりたいじゃろうしの。健太殿はそれまで町を案内しようかの」

「あ、ありがとうございます」


 昨日は店をちょっと回っただけだったからな。しばらくはこの町にいるだろうし、ありがたい話だ。


 だけどやっぱり思った事が一つ。


 町長さん? あなたお仕事は?

 次回更新は金曜日とかに出来たら良いなって感じです!

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