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召喚獣? いえっ召喚人です!  作者: 音野 一角
第一章 来界編
23/46

3-1 選ばれし光I 〜黄金の少女と〜

 第三話から一話の目安文字数を二○○○字とさせていただきます。

 今までの約半分の長さになってしまうのですが、どうかこれからも変らぬご来店のほど、よろしくお願いします!

 ブックマーク登録や感想、本当にありがとうございます!

 日本で生まれ、海外に行った経験のない俺にとっては見慣れない金色の髪。


 本物の黄金に劣らない、いやそれ以上に美しくきらめいている髪が熱い風に靡いていた。


 肩と膝裏に手を入れ、俗にお姫様だっこと呼ばれる形で俺を抱いている黄金の少女の顔を見て、俺は本来ならありえない名をつぶやいた。


「……仁美?」

「え?」


 俺のつぶやきに驚愕の反応を示す少女。


 という事はやっぱりそうなんだ。こいつは、この人は本当に仁美なんだ。


「……健太君?」


 この世界じゃ極少数の人物しか知らないその名を連ねる少女。

 確定だ。やっぱり俺を抱き上げている少女は、成長した仁美なんだ。


「久し振りだな仁美。とりあえず下ろしてくれるか?」

「え? あっご、ごめんね!」


 目を丸めて放心していた仁美は、慌てた様子で俺を地面に下ろした。


 ……はあ。まさか好きだった人にお姫様だっこされるとは。

 男としてちょっと辛い。


「仁美、その人知り合い?」


 聞き覚えのない声。

 森の中からゆっくりとした歩みで向かってきた人物を見て、俺は目を見開いた。


 誰かさんを思い浮かべるようなとんがり帽子とローブ姿。

 その手に持っているのはやはり先端に球体のついた杖だった。


「えーと、君は?」


 その人の正体に心当たりはある、めちゃくちゃあるんだけど、万が一って事がある。


 そう思って本人に確認すると、その人は感情を感じさせない顔で言った。


「私はトオ。仁美のパートナー」


 俺の前にいる少女(・・)はそう言った。


   ☆ ★ ☆ ★


 予想外だ。

 俺はずっと父さんだって言っていると思ってたのに、まさかトウ(・)さんじゃなくて、トオ(・)さん。


 トオって名前の女の子だったなんて。


 仁美の姿を見た瞬間から、ざわざわと胸の奥が騒がしくなっている事には気が付いていた。


 だって、確かに久し振りに会った仁美の姿は成長していた。

 だけど、その成長年月は一年前後だったからだ。


 そう。仁美は全然大人の姿になんてなっていないんだ。


 女性の外見と年齢がいくら一致しない事が多々あると言っても、さすがにこの見た目で十歳前後の子供がいるお母さんには、決して、逆立ちしても見えないからな。


 となるとアイちゃんと仁美の関係性はなんだ?


 ……正直これについては検討がついてるんだよなー。


 だって、仁美が日本で死んだのは一年前。んで、アイちゃんが前に人を召喚したのは一年前。


 確実に仁美もアイちゃんの召喚人なんだよなー。


 一人目は旅に出てるって言ってたのにも一致してるし、そうなんだろうな。


「ま、まさかまた健太君に会えるなんて思ってなかったな。えへへ、なんか照れるね」

「そうだな。俺もまさかこんな形で仁美と会えるとは思ってなかったからな」


 俺たち五人は今、改めて町に向かって歩いていた。


 トオちゃんがアイちゃんとアスカに挟まれて先頭を歩き、その後ろを俺と仁美が並んで歩いていた。


「あの、えーとね」

「仁美。悪いけど話はまた今度にしないか?」

「え? ……あ、そうだね」


 多分仁美が思ってくれているように、俺も本音としては彼女ともっと色々話したい事がある。


 だけど、さっきからアイちゃんがチラチラとこっちを見てるからな。


 アスカはトオちゃんに向かって何やら嬉しそうに色々話し掛けてるし、アイちゃんは一人退屈そうだ。


 仁美にアイコンタクトを送ると、伝わったのかアイちゃんに向けて手招きをしていた。


 パッと花が咲いたかのような笑みを浮かべ、仁美の隣に着くアイちゃん。


「あ、あの仁美お母さんは健太さんとお知り合いなのです?」

「えーとね……」


 チラッと俺に視線を送ってくる仁美。


 言っても良いかって相談なんだろうけど、もしかして仁美は俺も召喚人だって事に気が付いてないのかもしれないな。


 まあ俺には色々とヒントかあったからな。

 とりあえず頷いて許可を出した。


「うん。そうだよ。その……幼馴染なんだ」

「ほえー。あ、そういえば健太さんも言ってたのです」

「あー、そういえば言ったな」


 あの時は仁美が三十代くらいのお母さんになっていると思い込んでいたから、アイちゃんには仁美さんとは知り合いだとしか言ってなかったんだよな。


 別にそこまで食い違いがあるわけじゃないけど、そうだな。近いうちに色々と相談しといた方が良さそうだな。


 それに仁美について気になってる事が一つあるんだよな。


 ここで聞いても良いのかちょっと怪しいから、二人で相談する時に聞くとするか。


 ボス狼を倒したからからなのか、狼たちが襲ってくる事がないな。


 仮に来ても剣姫と謳われる仁美がいるから安心だな。

 ちょっと情けない思考だけど。


 それにアスカの師匠であるトオちゃんもいるからな。

 やっぱり情けない思考だな。うん。


 ……さて、町の壁が見えてきたな。


   ☆ ★ ☆ ★

 

 次回更新は月曜日の午後だと思います!  感想や評価、ブックマーク登録などよろしくお願いします!

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