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召喚獣? いえっ召喚人です!  作者: 音野 一角
第一章 来界編
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2-4 再会IV 〜初日終了?〜

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「ふぉっふぉっふぉっ。それでは旅のお方や。付いてきてくれるかの」

「はい。それから俺の名前は高村健太です。今日はありがとうございます」

「ふぉっふぉっふぉっ。そうかそうか。お主がの」

「え?」

「いやいや、なんでもない。ふぉっふぉっふぉっ」


 あれ、なんか町長さんのテンションが右肩上がり? 不思議な人だな。


 一旦アスカとは別れ、連れてこられたのはごく普通の民家だった。

 えーと、宿じゃないの?


「その、ここは?」

「仁美の家じゃよ」

「……え」


 今のはたたの「え」じゃない。「え」に濁点を付けた奴だ。


 俺、動揺してます。それも極度。


「健太殿や。今日はここに泊まってくれるかの」

「いやでも宿とかの方が……」

「この町は見ての通り小さい町での。宿なんてものはないのじゃよ」


 宿のない町なんてあるのか……そうですか。そうだよね。ゲームじゃなくてリアルなんだし。必要なければないよね。


「仁美さんは今ここにはいないんですよね? 勝手に使うのはまずいのでは?」

「ふぉっふぉっふぉっ。大丈夫じゃよ。そう細かい事を気にするでない」


 なにやら楽しそうな町長さん。これはあれだな。意地でもここに泊まらせる気満々だな。


 ……はあ、仕方がない。


「わかりました。それじゃあお言葉に甘える事とします。……あの、俺が怒られるような事があればちゃんとフォローしてくださいよ?」

「ふぉっふぉっふぉっ。当然じゃの」


 良し。まあ、これで良いだろ。


「健太殿や。見たところ剣が刃こぼれしてしまっているようじゃな」

「あ、そういえば」


 喉を串刺しにした二匹目の時には大丈夫だったけど、首を落とした一匹目を斬った時に盛大にこぼれちゃったんだよな。


 刺突なら問題ないけど、普通の斬撃では問題だな。危ない危ない。下手をしたらこのまま行くところだったな。


「まだ眠るには早いじゃろうし、店に行こうかの」

「……いえ、あいにく持ち合わせがないので」


 日本からこっちの世界に持ってこられたのは服だけだ。それもシンプルな奴。

 ポケットに入っていたはずの財布と携帯電話は、何故かなくなってたんだよな。


 まあ、財布があったところで日本円が使える気なんて欠片もしないけど。


「ふぉっふぉっふぉっ。気にするでない。その剣、見たところ寺院にあったものであろう?」

「……わかるんですか?」

「ふぉっふぉっふぉっ。やはりそうじゃったか」


 カマをかけたって事か。

 さて、どんな反応をされるのかね。必要だったとはいえ、勝手に使っているんだ。盗んだのと変わらない。

 しかも、刃こぼれまでさせてしまっているんだ。

 責められても文句は言えない。


「ふぉっふぉっふぉっ。そう身構えるでないわ。お主を責めたりするつもりはありはせんよ。お主をここに呼んだのはアイだろうからの」

「…………」


 今回はなにも言わないでおいた。

 俺がアイちゃんの召喚人だって事はそう簡単にばれちゃだめだと思うからな。


「ふぉっふぉっふぉっ。ワシに隠す必要はない。アイは去年にも人を召喚しておるからの」

「……はぁ。そうですね。町長という事はそういう事情は知ってますよね」

「そういう事じゃの」


 町長さんからすれば今回の事は去年のリピートみたいなものなんだろうな。だから俺がアイちゃんの召喚した存在だって予測できたのか。


 それにしても、そういう過去があったとしても予測できるなんて年の功ってのは凄いな。


「さて、ついたの。明日使う武器はここで好きなものを選んでおくのじゃ」

「本当にいいんですか?」

「ふぉっふぉっふぉっ。良き良き。ワシからの未来ある若人へのプレゼントじゃよ」

「そこまで言ってくれるのならお言葉に甘えますね」


 町の規模が大きくないからか、やってきた武器屋の規模を小さめだ。


 だけど、それでも置かれている武器の種類は割とあるな。


 剣に槍、あっちには弓もあるな。こっちにあるのはハンマー、って鞭まであるよ。

 鞭って本来拷問とか相手を殺さずに痛めつけるのに特化した道具じゃなかったっけ?

 まあいっか。


 武器一種につき二つぐらいしかないけど、剣に限っては色々置かれてるな。

 やっぱり剣が一番メジャーな武器なのかもしれないな。


 並んである剣のほとんどはゲームとかでよく見かけるような諸刃の剣ばかりだ。


「これは……」


 その中で一本だけ異質な形状、だけど日本人である俺にとっては最も馴染みのある形。


「ほう。やはりお主もそれが気になるようじゃの」

「も?」

「ふぉっふぉっふぉっ。仁美が使っているのもそれと同じ形じゃよ。無論あの子が今使っているのとそこにあるのとではレベルが違うがの」


 明らかに店に対して喧嘩を売っているような言葉だけど、店の人は苦笑するだけで怒ったりしない。


 まあそうか。[剣姫]だなんて呼ばれている仁美が持っている奴と、店で普通に売られているようなものが同ランクだなんて誰も思わないからな。


 ちなみに今話題になっている剣の種類はズバリ、日本刀だ。


 まあ、こっちじゃ日本刀とは言わないだろうけど。


 日本刀という名称じゃないけど、なんとなく俺が日本人だったっていう象徴にはなってくれるかもしれない。


 武器は消耗品。いつかは壊れてしまうだろうけど、使わせて貰うか。


「それで良いのか?」

「はい。これを下さい」


 腰に差していた抜き身の剣のカウンターに置き、俺は鞘に納められているそれを腰に差した。


 まさか本当の刀を持つ時がくるなんてな。

 剣道をやってた時には想像もしなかったよ。


 さあさあ戻ってきましたよ、仁美のご自宅です。


「それでは今日はありがとうございました」

「ふぉっふぉっふぉっ。こちらこそ明日はアイの事をよろしくたのむぞい」

「はい。それではおやすみなさい」

「ゆっくり休むのじゃぞ」

「……はい」


 仁美の家の前で町長さんと別れ、俺は一人玄関を開けた。


「……ふう」


 え? 中の描写? そんなものは存在しない。なんせ、俺はこのまま玄関で眠るつもりだからな。


 家の人がいない間に部屋まで侵入するとか俺には無理っす。


 という事で、お休みなさい。


   ☆ ★ ☆ ★


 ふと目が覚めた。

 どれくらい眠っていたのかはわからないけど、頭がぼんやりするって事は結構眠れてたのか。


 玄関なんて本来寝るための場所じゃない、かたーい所だったってのに、案外寝られるもんなんだな。


 いや、もしかすると異世界生活初日ってので想像以上に消耗してたのかもしれないな。


 さてと、視界も安定して来たし、もう起き上がっても立ちくらみとかは来ないだろ。


「…………ぅ?」


 上体を起こし、目の前の光景を見た俺は絶句した。


「どこ……だよ……ここ」

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