第13話 レクイエム
家は、二人の心の空虚を映していた。
その空虚が、部屋から部屋へと響いていた。家具の一つ一つに、そこから引きはがされた記憶の名残があった。
リサはベッドの上で丸くなって眠っていた。顔にはまだ泣いた跡が残っている。湿った枕が、体が疲れに屈したあとも涙が流れ続けていたことを物語っていた。
「かわいそうに! 何か思い出したんだと思う……」
ダイアナはベッドから立ち上がりながら言った。薄い布のシーツを、少女の脚にかけてやる。
「帰ってきたら、この子と話さないとね」
「ああ、そうだな……」
まだぼんやりしたまま、アートは頷いた。濃い色の木の衣装棚まで歩き、自分の制服を取り出した。
「私も家に寄って、自分のを着てこなきゃ」
若い《アーチャー》が言った。
少しして、ダイアナは扉の外で友人を待っていた。いつものチュニックを身につけた若い魔法使いは、二つの果物を手にしていた。友人がいつも手に取るリンゴと、蜂蜜のかかったルミニスの実――彼の好物だ。彼はいつもどおりの日常を続けようとしていた。痛みを押し殺そうと、懸命に。
「ほら!」
彼は手を差し出した。
「ありがとう!」
若い《アーチャー》はリンゴを受け取った。つらい時なのに自分のことを覚えていてくれたことが嬉しくて、頬が赤くなった。
アートは、なめらかで張りのある皮の果実をかじった。その色は金と琥珀の間のような色合いで、まるでいつも夕日の陰にあるかのようだった。切ると、みずみずしい橙色の果肉が現れる。
道は穏やかで、野の花と湿った土のほのかな香りを運ぶ、ひんやりとした空気に包まれていた。通りはまだ静かだった。あるいは、それは二人が抱える痛みが映っていただけなのかもしれない。
ダイアナの家は、《貴族区》の主要な小道の脇にどっしりと建っていた。不揃いな灰色の石で造られ、頑丈で温かみのある建物だった。入口には《白曜石》の装飾が施され、灰色がかった壁と対照をなして、柔らかく輝いていた。ラベンダーや百合、小さな青い花の咲く庭が、家の正面を彩っていた。
中に入ると、彼女は数分ほど姿を消し、すっかり支度を整えて戻ってきた。弓が軽やかに背中で揺れ、制服の残りもきちんと整えられていた。
「行こう!」
彼女は言った。控えめな笑みを浮かべて、ジャケットを整えた。
アートは頷き、同じように笑みを返した。彼女のそばにいると、弱気になることなどできなかった。
ほどなくして、二人はもう《オーロラ軍》の基地の門をくぐっていた。
廊下には「活気」があふれていた。《ウォリアー》と魔法使いたちが一体となって動き、武器が空に荒々しい軌跡を描き、魔法の音と鋼のぶつかり合う音が辺りを満たしていた。
《訓練センター》は、さまざまな訓練のための七つの小さな闘技場と、中央にそびえる壮大な闘技場――《アエテルヌム》――から成っていた。《アエテルヌム》は大理石と磨き上げられた《白曜石》、鉄、そして磨き上げられた《黒アダマンタイト》で造られていた。
週ごとの訓練では、戦士たちは周囲の七つの闘技場だけを使っていた。それぞれに特徴があった。平らな地面で素早い決闘を行うためのもの。鬱蒼とした森を再現し、隠密戦闘を鍛えるもの。起伏の激しい地形で、持久戦を行う三つ目のもの。バランスと敏捷性を鍛えるために作られた、柔らかい砂の闘技場。重い打ち合いや鎧を着た戦闘に重点を置いた、金属の床のもの。なめらかな石と水の噴水に覆われ、流れるような動きと適応力の訓練にうってつけの六つ目。そして最後に、魔法の霧に包まれ、戦士たちの知覚と感覚に挑む闘技場。
その場にいる者たちの中で、オリバーは目立っていた。若い《ソードマン》は、深紅の装飾が施された伝統的な黒い鎧を身にまとっていた。金色の髪が風にかすかに揺れている。そのルビー色の瞳がアートの目と合うと、顔に浮かんだ歪んだ笑みは軽蔑に満ちた。一方のアートは、挑発に乗るのを拒み、彼を無視した。
その先には、ルシアンとエララがいた。二人の魔法使い――部隊のリーダーたち――は、魔法の霧に包まれた闘技場で決闘していた。技と力の披露だった。
ルシアンのチュニックの金の装飾は、詠唱のたびに輝いた。エララは――猛々しい優雅さと容赦のない精密さで――破ることのできない防御の障壁で彼に挑み、四つの属性すべてを凝縮した小さなマナの爆弾で反撃した。その戦いは、見る者を圧倒する魔法の舞踏だった。
「彼女は完璧だ!」
闘技場の縁にもたれて見ていた一人の《ソードマン》が言った。
「本気? 美人だからってだけで?」
長い青髪の《サポート》の女性が答えた。
「あんたたち、ほんと気持ち悪い!」
橙色の瞳の《ソードマン》は真剣な表情になり、彼女を居心地悪くさせた。彼は熱っぽく腕を振りながら話した。
「彼女は、間違いなく王国最強の《サポート》なんだよ。守りながら、《奔流》を空にせずに攻撃までできる《サポート》がどれだけいると思う? 一人もいない! しかも、リーダー・ルシアン相手にだぞ」
「ああもう!」
彼女はため息をついた。
「また彼女に夢中な変態の一人かと思った。どれだけいるか知ったら驚くよ。ごめん! あんたの言う通り。この二人が戦うのを見るよりいいことがあるとしたら、《王宮魔法使い》ギデオンを見ることくらいね!」
よだれを垂らしそうな顔で、彼女は付け加えた。
「じゃあ、お前もあの人に夢中な変態の一人ってわけか?」
二人は大笑いした。
アートとダイアナはそのそばを通りかかり、その反応を怪訝に思った。
「あの二人、ちょっと普通じゃないよね?」
面白がるような目で、ダイアナがささやいた。
アートは微笑んだが、返事をする前に、アリクがいつものせっかちで決意に満ちた様子で近づいてきた。槍を肩に担いでいる。
「来ないかと思ったぞ。シルヴェインが、《影踏み》で負けたって言ってた」
彼は言った。空色の鎧が、陽の光を受けて輝いていた。
「ちょっと手合わせしないか? その伝説が本物か、ただの噂か、確かめたいんだ」
アートはベルトの短剣を整え、軽く首を傾けて、挑戦を受けた。
◇
素早い決闘のための闘技場で、二人は戦いを始めた。
「それで全部か、ハマー?」
刃がぶつかり合う中、アリクが叫んだ。
「お前の本気を見せてみろ!」
アートは、歪んだ笑みだけで応えた。戦いの熱に高ぶり、血が熱く巡っていた。素早く身を翻し、炎に包まれた短剣を振るう。その刃は、もっと欲しがるかのようにぱちぱちと音を立てていた。
一方のアリクは足を踏ん張り、正確に槍を構えた。
鋼が炎とぶつかった――打ち合うたびに、火花が宙に弾けた。
二人は素早い打撃を交わした。攻撃と計算の舞踏だった。アートは身を低くし、手のひらを地面についた。鋭い岩が地面から突き出し、破片のように飛んだ。アリクは横へ転がり、紙一重でかわした。
猛烈な勢いで、《ウォリアー》は連続の突きで反撃した。槍の穂先が、若い魔法使いのすぐそばを危うくうなりを上げて通り過ぎる。その一撃一撃には重みと切迫感があった。
今にも破れそうな太鼓のように、緊張が張りつめていた。二人は互いに円を描き、目を逸らさず、一つ一つの動きに意図を込めていた。
アートが動いた――素早く――そして気づかれずに。手を上げると、炎の爆発が一瞬、相手の目をくらませた。アリクは身を守ろうと腕を上げた。その瞬間、若い魔法使いは踏み込んだ。
無駄のない動きで槍をかわし、相手の手首に正確な一撃を叩き込んで、その武器を遠くへ弾き飛ばした。
静寂。
そして、拍手。兵士たちは目を見開いて見守り、戦いの激しさに驚きながら、ひそひそと言葉を交わした。アリクは息を整え、まだ笑いながら手を差し出した。
「いい戦いだった! でも、手加減してたんだぜ! はははっ!」
「ああ、いい戦いだった……それに、俺が手加減してなかったなんて、誰が言った?」
アートはライバルの手を固く握り返した。その目には、まだアドレナリンが燃えていた。
若い魔法使いは汗ばんだ額を手で拭い、眉の小さな切り傷から流れた血をさりげなく拭き取った。深く息を吸い、観客の熱気と勝利の満足感を味わった。
◇
《訓練センター》の反対側では、ダイアナがすでにアスカと向かい合っていて、水の噴水があふれる闘技場に注目を集めていた。
若い《シールダー》は、はつらつとした自信をもって戦闘の構えを取った。桃色の瞳が決意に火花を散らし、対戦相手に抱く敬意――ほとんど崇拝――を映していた。金と白の装飾に彩られた輝く鎧をまとい、その飾りは真の守り手の力強さと優雅さを際立たせていた――彼女の勇気を生き生きと映すように。
一方のダイアナは、落ち着いて冷静に分析していた。優雅な構えと流れるような動きは、アスカの爆発的なエネルギーとは対照的だった。決闘は、素早い攻撃の応酬から始まった。アスカは盾を体の一部のように使い、荒々しい力と若々しい優雅さを組み合わせて、退いては攻め込んだ。
ダイアナは身軽かつ正確に、的確な矢を放って応じた。矢は空を切ってうなりを上げ、相手にぶつかっていった。
観客は、天才と目される新人の大胆さを応援する者と、《アーチャー》の揺るぎない腕前に感嘆する者とに分かれていた。
「速いね、アスカ」
横薙ぎの一撃をかわしながら、ダイアナはかすかに微笑んで言った。
「でも、まだ足りない」
「そう簡単には負けませんよ、師匠!」
彼女はかかとで回転し、盾を前にして突進した。
ダイアナは隙を見つけ、本能的に動いた。次々と矢を連射し、アスカを後退させる。最後の一本は盾に当たった瞬間に爆発し、少女を数メートル後ろへ吹き飛ばした。
彼女は水の噴水の一つに、背中を激しく打ちつけた。その噴水は、物理と魔法の衝撃を吸収するために、鉄と《黒アダマンタイト》、磨かれた石の合金で作られていた。
心配したダイアナは、彼女のもとへ駆け寄った。
「ここまでにしておいたほうがいいよ」
彼女は手を差し出した。
「それと、私を『師匠』って呼ぶのは、もうやめて」
アスカは一瞬、それを無視した。目を見開き、拳を固く握りしめていた。純粋な執念だった。
「いやです!……まだ終わってません!」
彼女は立ち上がり、盾を掲げて、呪文を唱えた。
「フォルティア・プロテゴ!」
燃えるようなルビー色の魔法の光輪が盾から放たれ、彼女の周りにきらめくオーラを作った。闘技場は鮮やかな輝きに包まれ、それ自体が生きているかのように脈打っていた。呼吸していた。
ダイアナは眉をひそめた。アスカにとって、これはただの訓練以上のものだった。彼女は自分を超えようとしていた。自分の限界の、その先へ。
二人は位置を取り直し、戦いを再開しようとした。
アスカの最初の一歩が、地面に触れるか触れないかのうちに――
「みじめな光景だな」
その声が闘技場に降りかかり、動きを殺した。
アスカは突進の途中で凍りついた。盾の周りのルビー色の光輪が揺らいだ。宙に舞った埃さえも、なかなか落ち着かなかった。まるで空間そのものが後ずさったかのように。
「あいつ、何してるんだ? あそこに入っちゃいけないって知らないのか?」
観客の中の一人の《ウォリアー》が叫んだ。
「『王の息子』だからってね……」
一人の女の魔法使いが嘲った。
オリバーが闘技場へ向かって歩いてきた。鎧が、冷たい刃のように光を反射していた。一歩進むたびに、周りの兵士たちの注目を奪っていく。彼が浮かべている笑みは、楽しさではなかった。純粋な軽蔑だった。
「弱い生き物が二匹、立派な《ウォリアー》のつもりで戦っているとはな……本当に、見せるものがあるとでも思っているのか?」
それを受けて、アートは闘技場を横切り、オリバーと二人の間に立ちはだかった。
「オリバー、いい加減にしろ!」
その声は威厳をもって響いた。
「戦いたいなら、俺がここにいる」
「アート、そんなことしなくていいよ……」
ダイアナは、心配を顔にありありと浮かべて、彼に手を伸ばそうとした。
「そこまでする価値なんてないよ……」
若者はオリバーから目を離さなかった。その表情には、揺るぎない決意があった。
「なら、《アエテルヌム》へ行こう」
オリバーが言い放った。その口調には、自分にあると信じている力と影響力がはっきりと表れていた。
ざわめきが、その場にいる者たちの間に広がった。それが何を意味するのか、全員が知っていた。《アエテルヌム》は主闘技場で、特別な場合や、真剣な決闘、《オーロラ軍》の正式な大会のときにしか使われない場所だった。
「正気か?」
アートは周りを見回しながら言った。
「主闘技場なんて、使わせてもらえるわけがない」
「誰か止めようとしてるか?」
ルシアンとエララがいないことに気づいて、オリバーは挑発した。
「ここには、俺たちを止められるだけの権限を持ったやつなんて一人もいない」
ざわめきは興奮に変わった。数分のうちに、すべての《ウォリアー》と魔法使いが自分たちの訓練を放り出し、その対決を見届けようと、《アエテルヌム》に集まってきた。
ダイアナは震える声で、彼のあとを追おうとした。
「アート、どうしてこんなことするの?」
彼は一瞬立ち止まったが、何も答えなかった。ただ拳を握りしめ、闘技場へと歩いていった。昼下がりの金色の光を背に、その影が浮かび上がっていた。




