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第12話 痛み

七年前。


 夜空は、終わりのない壮大な光景だった。星々はダイヤモンドのようにまたたき、オーロラのドームの上で輝いていた。


 高い木の陰に腰を下ろし――広がる枝が、自然の屋根になっていた――アートと母は、めったにない時間を分かち合っていた。


 マリアンは、自分のドレスの生地をゆっくりと手でなでた。ほとんどこの世のものとは思えない手触りの白い衣が、そよ風にゆるやかに揺れた。月の光が布のひだを伝って流れ、絹に織り込まれた霧のような姿を映していた。


 もう片方の手で、彼女は黙って、息子の髪を優しくなでていた。その瞬間に、言葉は要らなかった。顔に浮かんだかすかな微笑みには、深い慈しみがこもっていた――母親だけが、ただそれだけで伝えられる慈しみが。


「心に何か抱えているのね、坊や?」

 息子の明らかな浮かない様子に気づいて、彼女は言った。


 アートはため息をついた。遠くの星々を見つめていた。


「お父さんのこと……すごくたくさん働いてて、ほとんど一緒にいてくれない」


 彼女は少年の肩に、そっと手を置いた。

「お父さんには、ここでとても大切な役目があるのよ、アート。一緒にいられる時間は短くても、私たちのことを心から愛しているわ」

 流れ星が空を横切り、幼い彼の目を奪った。彼は夢中で見とれていた。

「知ってる? 昔の人は、流れ星に願い事をしたのよ。願いが叶うって言われてたの」

 マリアンが言った。


「ずっとこうしていられたらいいのに。一緒に星を見て……それと……ドームの向こうに何があるのか、知りたい」

 彼は目を閉じ、その願いが魔法の障壁を越えて、空まで届くようにと、一心に祈った。


「じゃあ、今日から……それは私の夢でもあるわ、坊や」

 彼女は穏やかな笑みを浮かべて答えた。黒髪が風に舞い、月の光が、息子とよく似た青い瞳に映っていた。


 一瞬、彼女の表情が真剣になった。


「何があっても、覚えていて。お父さんも私も、ずっとあなたを愛しているわ!」


 少年は母の優しさに包まれて、頬を赤らめた。

「僕も、二人が大好き!」

 しばらく沈黙が続き、それを無邪気な好奇心が破った。

「お母さん……ダイアナも、外の世界を探検したいと思うかな?」


 マリアンは温かく笑った。その柔らかな声が、夜風の中に響いた。

「それは、本人に直接聞いてみなくちゃね、坊や!」


(……)


 力強いノックの音が、再び居間に響いた。正面の扉から聞こえるその音は、夜の静寂を破り、空気を急に重くした。


 アートは凍りついた。心臓が激しく打っていた。一瞬、ダイアナと視線が合い、それからリサへと移った。リサは怯えた顔で、何が起きているのかわからないまま、彼を見つめていた。二人はすでに寝室へ続く廊下に身を潜め、扉の向こうにいる誰かから隠れていた。


 その間、若い魔法使いは、胸の中で荒れ狂うものを抑えようとした。取っ手にかけた手が、一瞬ためらった。そして、それを回した。扉がきしみ、ついに、その姿があらわになった。父だった。


 ギデオンは、アートが一度も見たことのない疲れを、その肩に背負っていた。濃紺のチュニックには、珍しくしわが寄っていた。


「と……父さん?」

 アートは、消え入りそうな声でつぶやいた。


 男はただ頷いた。唇を固く閉ざしたまま、まるで言葉が棘であるかのように。ギデオンはゆっくりとした足取りで敷居をまたいだ。いつも鋭く周囲を見ていた暗い色の瞳は、何も探してはいなかった。ただ、空虚を映しているだけだった。


 アートは一歩前へ出た。父の失望したような表情の理由が、わかっているつもりだった。


「ごめん……もう二度としないから」

 ほとんど反射的に、彼は言った。父がここにいるのは、仕事に遅刻したせいだと思い込んでいた。

「隊長から聞いたの?」

 ギデオンは答えなかった。ただ彼を見つめていた。重たげな目が、潤んで光り始めた。

「でも……どうしたんだよ?」

 若者は、ためらいがちに尋ねた。


 続く沈黙は、どんな言葉よりも雄弁だった。やがてギデオンは、深い水の中へ潜ろうとするかのように、深く息を吸った。


「アート……」

 震える声で、彼は言った。


 ダイアナは――まだ廊下に隠れたまま――拳を握りしめ、体をこわばらせた。リサはしゃがみ込み、膝に顔をうずめたまま、すべてを聞いていた。完全には、理解できないまま。


「お前の……母さんの……ことだ」

 ギデオンは唾を飲み込んだ。

「逝ってしまった」


 まるで、若者の周りで世界が縮んでいくようだった。耳鳴りが耳を満たした。言葉が意味を持つまでに、時間がかかった。遠く。歪んで。理解できないまま。


 廊下の壁の向こうで、リサは自分の中で何かが壊れるのを感じた。息ができなくなるような、胸の締めつけ。ぼんやりとした両親の記憶が、残酷に、とりとめもなく浮かび上がった。くぐもった笑い声。もうはっきりとは思い出せない、抱擁の温もり。そして、不在の鈍い痛み。


 ダイアナは一歩踏み出したが、立ち止まった。アートを抱きしめたかった。何か、何でもいいから言葉をかけたかった。だが、今の彼に必要なのは沈黙なのだということも、わかっていた。


 それでも、簡単なことではなかった。心の内では、彼女自身も打ち砕かれていた。マリアンは、親友の母親というだけではなかった。まだ怯えた孤児の少女で、世界を理解しようともがいていた頃の彼女を、受け入れてくれた人だった。つらい夜には涙を拭ってくれ、根気よく髪を梳かしてくれ、強く――そして優しくあることを教えてくれた人だった。


 彼女も、胸に同じ空洞を感じていた。焼けるようだった。それでも、これまで何度もそうしてきたように、壊れやすい水晶を守るかのように、痛みを胸の内にしまい込んだ。目に涙がにじんだが、泣かなかった。まだだ。しっかりしていなければならない――せめて、外見だけでも。最後に会ったとき、マリアンにそう頼まれたのだ。『もし私に何かあったら、強くいてほしいの』と。


 知らせのあとに訪れた沈黙は、耳をつんざくようだった。アートは身じろぎもせず、何かの答えを探すかのように、床を見つめていた。唇がわずかに開いたが、言葉は出てこなかった。ただ、両手のかすかな震えだけが、内側で煮えたぎる混沌を物語っていた。


 ダイアナは壁にもたれかかった。腹を殴られたかのようだった。深く息を吸い、肩を整えると、痛みのただ中にあっても、リサのことを思い出した。


 ほとんど気づかれないほど軽い足取りで、彼女はしゃがみ込み、低く優しい声で言った。


「大丈夫だから……あっちの部屋に行って、もう少しだけそこにいてね。いい?」

 少女の髪をそっとなでながら、彼女はささやいた。


 リサは頷いた。しゃくり上げそうになったが、こらえた。小さな指が、ドレスの裾を強く握りしめた。涙はもう流れていた。記憶が、少しずつ戻ってきていた。小さなエルフもまた、一人で苦しんでいた。


 それからダイアナは姿勢を正し、そばにとどまった。リサと、目の前で砕け散った世界との間に立つ、盾のように。


 アートはよろめきながらソファまで行き、腰を下ろした。こわばった体の重みで、革がきしんだ。まだ泣いてはいなかった。ただ前を見ていた。そこにあるものを、本当には見ないまま。


 ギデオンはゆっくりと近づき、ためらうような仕草で、息子の肩に手を置いた。一瞬、その手の下で、アートの中の張りつめていたものがほどけた。ようやく目を上げ、父の目と視線が合った――子どもの頃によく見ていた目とは、まるで違っていた。そこにはもう、《王宮魔法使い》の揺るぎなさも、規律正しい男の厳しい輝きもなかった。そこにいたのは、壊れた父親だった。残されたものへの愛のために、なんとか自分を保とうとしている。


「安らかに逝ったよ」

 彼はつぶやくように言った。

「眠って……そのまま、目を覚まさなかった」


 その言葉は穏やかだったが、一撃のように響いた。若者は目を閉じ、現実を拒むかのように、ゆっくりと首を横に振った。母さんが、ただ……こんなふうに消えてしまうなんて、ありえない。母さんは生き生きとしていて、物語にあふれ、すぐに笑って、何にでも好奇心いっぱいに質問する人だった。母さんは……彼という人間の、すべての根だった。


 ダイアナの息づかいだけが、そこにある唯一の音だった。若い《アーチャー》は姿を見せ、廊下から出て、友人のもとへ向かった。それでも、一言も口にしなかった。そこでの彼女の役目は、ただそばにいることだった。マリアンが、いつもそうしてくれていたように。


(……)


 翌日の朝は、厚い雲に覆われていた。陽の光はドームを通して青白く差し込み、すべてを冷たい灰色に染めていた。


 小さな墓地は、《貴族区》の中でも特に静かな一角にあり、風に触れられてそっと揺れる、細い葉の木々に囲まれていた。簡素だが穏やかな場所だった――まさに、マリアンが望んだであろうような。


 しきたりに従って、埋葬が行われた。一年後、遺体は火葬され、その灰は、そのために定められた《オーロラの鏡》へと撒かれることになっていた。


 墓の周りに集まった人は、わずかだった。親しい友人たち、病院の同僚が何人か、家族の知り合い。棺は明るい色の石の台の上に安置され、丁寧に並べられた白い花に囲まれていた。風に舞う葉のくぐもった音が、重いため息とうつろな視線の間を満たしていた。


 ダイアナはアートの隣に立っていた。しっかりとした姿勢は、虚空をさまよう目とは対照的だった。その手は、さりげなく彼の手のそばにあった。押しつけることなく、いつでも支えられるように。その日の夜明けに、彼女はリサが大丈夫なことを確かめてから、家に帰った。そこで、誰からも離れて、何時間も泣いた。そして今、彼女は自分に、強くあることを許していた。


 ギデオンは、少し離れて立っていた。その目は乾いていたが、顔には静かな苦しみが表れていた。叫ぶことのない痛み。ただ、全身で背負っていく類の痛みだった。


 そのとき、エドガーが現れた。ゆっくりとした足取りで、控えめな物腰だった。その肩は濃い色のコートに覆われ、風に乱れていた。


「私の言葉など、慰めにはならないかもしれないが……」

 彼は、かすれた低い声で切り出した。

「心からお悔やみを申し上げる。今がどれほどつらい時か、わかっているつもりだ……」


 彼はアートに近づいた。アートは墓のほうを向いたままだったが、かすかに頷いて応えた。隊長はためらい、それから、いっそう穏やかに付け加えた。


「何も心配しなくていい。必要なだけ時間を取りなさい。街は待てる……世界も待てる」


 アートは唇を噛んだ。昨夜以来初めて、目に涙がにじんだ。それでも、その声は低く、だがしっかりとしていた。


「いえ……止まれません。今は、だめなんです」


 敬意に満ちた沈黙が、二人の間に落ちた。エドガーは理解したように頷き、離れていった。


 そのすぐあと、レイモンドが近づいてきた。両手を背中で組んでいた。控えめな眼鏡の奥の茶色い瞳が、敬意を込めてマリアンを見つめていた。その眼差しには優しさと、それ以上の何かがあった。感謝だった。


「お悔やみを申し上げるよ、アート」

 若者の肩にそっと手を置いて、彼は言った。

「私たちみんなにとって、つらい時だ」

 それから彼は、震える指で墓に花を手向けているギデオンのもとへ歩いていった。

「ギデオン……マリアンは、私の家族にとって恵みだった。ダイアナを、まるで自分の娘のように、愛情を込めて大切に育ててくれた」


 《王宮魔法使い》は、なかなか答えなかった。深く息を吸った。その手は、まだ白い花びらの上に置かれていた。


「彼女は、何かあったらあの子の面倒を見ると、サラに約束したんだ。そして最後まで、それを守り抜いた。私のマリアンは、いつもそうだった……天使のような人だった」


 二人の男は、それ以上言葉を交わすことなく、しばらく並んで立っていた。聞こえるのは、風の音と、地面を規則正しく打つ何枚かの葉の音だけだった。


 式は終わった。人々は少しずつ去っていき、その場に残ったのは、身じろぎもしない三人だけだった。アート、ギデオン、そしてダイアナ。今は閉ざされた墓が、彼らの世界の一部を、ともに奪っていった。


◇


 帰り道、言葉は一つも交わされなかった。ただ足音と、踏みしめられる枯れ葉の音と、胸を締めつける悲しみだけがあった。まるで空がいつもより低く垂れ込め、空もまた泣いているかのようだった。


 アートは父とダイアナの間を歩いていた。うつろな目で、思いは、思い出と今感じている空洞の間で入り乱れていた。街はいつもより静かだった――あるいは、彼の中にある重みとの対比が、周りのすべてをこれほど遠く感じさせているだけなのかもしれなかった。


 ギデオンはゆっくりと歩いていた。一歩ごとに、前の一歩よりも心がざわついていくようだった。その表情はこわばっていた。一日の終わりまで、自分を抑えていなければならなかった。ダイアナは、友人の一挙一動を注意深く見守っていた。押しつけがましい心配ではなく、言葉にする必要のないことを理解している者の、繊細さで。


 ようやく家の前に着いたとき、アートは一瞬立ち止まった。彼の目は、まるで別の人生のものであるかのように、玄関の扉に留まった。マリアンがまだ中で微笑みながら待っていて、ミントティーの香りが空気を満たしている、そんな人生の。


 息子のためらいに気づいたギデオンは、その肩にそっと手を置いた。


「アート……本当に、今日仕事に行くのか? 少し休んだほうがいいかもしれない」


 アートは深く息を吸い、冷たい空気が肺を満たすのを感じた。それからゆっくりと吐き出し、父の顔を見ないまま答えた。


「もう決めたんだ。仕事に行く。母さんなら、そう望むはずだから……俺たちが、前に進み続けることを」


「そうだな。彼女なら、そう望むだろう」

 ギデオンは妻を思い出しながら、かすかに微笑んだ。

「なら、私もそうしよう」

 彼は頷いた。息子の言葉が、彼に力を与えていた。


 それから彼は別れを告げて自分の道へ向かい、扉の前に二人の若者を残した。


 ダイアナはアートを見た。彼の目はまだ赤かったが、そこには彼女の知っている強さがあった。痛みを伴う決意。彼女はただ彼の腕に軽く触れ、頷いて、友人を支えた。


 中に入ったとたん、二人は驚かされた。


 リサが、一言も発さずに二人のもとへ駆け寄ってきた。顔は腫れ、もうこらえきれない涙の跡で汚れていた。彼女は力いっぱいアートの腕の中に飛び込み、細い腕で、ぎゅっと彼を抱きしめた――必死に――まるで、彼が嵐の中のたった一つの錨であるかのように。


 アートは凍りついた。一瞬、体が固まった。だがそのとき、彼の中で何かが壊れた――あるいは、解き放たれたのかもしれない。彼の腕が少女を包み込み、残されたすべての力で、彼女を抱きしめ返した。


 涙が、堰を切ったようにあふれ出した。彼は泣いた。子どものように、恥じることも、こらえることもなく泣いた。嗚咽が全身を揺さぶり、何時間も黙って抑え込んでいた痛みが、ついに外へとこぼれ出た。


 ダイアナは一瞬それを見つめ、すぐに二人のそばにひざまずいて、二人まとめて温かく抱きしめた。彼女も泣いていた。抑えることなく、だが、それを悪いことだとは思わずに。それは分かち合う悲しみだった。共にある痛みだった。そしてその瞬間、涙と沈黙の中で、三人は自分たちをいっそう強く結びつけるものを見つけた。一人ではないという、安らぎを。

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