夢達成確率
学校で、新しい制度が始まった。
DreamAI。
将来の夢を入力すると、
AIがその夢が叶う確率を計算してくれる。
能力、家庭環境、学力、統計データ。
すべてを分析して
夢達成確率が表示される。
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クラスは盛り上がった。
「プロ野球選手、2%」
「低っ!」
笑い声。
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「医者、73%」
「すげえ」
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先生が言う。
「この制度は、無駄な努力を減らすためのものです」
「現実的な進路を選びましょう」
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クラスメイトは夢を変更していく。
•公務員
•会社員
•エンジニア
確率は80%。
安心した顔。
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主人公も入力する。
小説家。
DreamAI
解析中。
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結果。
夢達成確率
1%
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教室が静かになる。
先生が言う。
「別の夢を考えてみましょう」
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主人公は、アプリを閉じた。
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数十年後。
ニュースが流れる。
「DreamAI導入から30年」
「社会の生産性は過去最高となりました」
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夢を追う人は
ほとんどいなくなった。
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老人ホーム。
ベッドの上で
老人がつぶやく。
「……昔はな」
「将来の夢ってのがあった」
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隣の若い介護士が首をかしげる。
「夢?」
聞いたことのない言葉だった。
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老人は静かに目を閉じる。
思い出す。
DreamAIの画面。
夢達成確率
1%
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あのとき
信じなければよかった。
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窓の外では
子どもたちがタブレットを見ている。
画面には
将来適正職業。
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その下に小さく表示されている。
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DreamAI予測精度
99.8%
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老人はふと思う。
この数字は
未来を当てたんじゃない。
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未来を
決めただけだ。




