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測定不能  作者: Wataru


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18/25

反抗性 0% の社会

人は生まれる前に、一度だけ部屋に呼ばれる。


白い部屋。


中央に、大きな画面がある。


そこに、自分の人生の設定が並んでいた。


顔。

身長。

知能。

運動能力。

健康。


すべて、調整できる。


「自由に選んでください」


担当者が言う。


「これがあなたの人生になります」


⸻


画面には、人気の設定が並んでいる。


標準成功型


・知能指数 125

・身長 178cm

・容姿評価 A

・社交性 高

・健康リスク 低


「これを選ぶ方が多いですね」


担当者が言う。


「成功率の高い人生です」


⸻


画面の横には、細かな項目も並んでいる。


性格設定。


その中に、いくつかの警告付きの項目があった。


反抗性


社会適応リスクがあります


執着心


ストレス負荷が高まる可能性があります


孤独耐性


社交関係が希薄になる可能性があります


⸻


「これらは」


担当者が説明する。


「あまりおすすめできません」


「人生が難しくなる可能性があります」


⸻


画面の下には、参考資料があった。


歴史データ。


世界を変えた人間の特徴。


発明家。

革命家。

芸術家。


多くに共通していた性質。


⸻


反抗性。

執着心。

孤独耐性。


⸻


担当者は言う。


「もちろん自由です」


「ですが」


少し笑う。


「ほとんどの方は選びません」


⸻


画面を見る。


確かに、誰も選びそうにない。


人生は難しくなる。


成功しにくい。


孤独になる。


⸻


「では」


担当者が言う。


「設定を決めてください」


⸻


しばらく画面を見る。


それから、ゆっくり触れる。


⸻


反抗性 ON


⸻


担当者が少し驚く。


「本当によろしいですか?」


うなずく。


「いいんです」


⸻


画面に表示される。


人生設定 完了


⸻


担当者は端末を閉じる。


隣のスタッフが聞く。


「珍しいですね」


担当者がうなずく。


「ええ」


モニターを指さす。


⸻


そこには、今日更新された統計が表示されていた。


反抗性 選択率


0%


⸻


スタッフが首をかしげる。


「おかしいですね」


「今、誰か選びませんでした?」


担当者は少し考える。


⸻


「……気のせいでしょう」


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