普通指数
都市には、指数があった。
普通指数
AIが計算する。
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測るものは
•収入
•職業
•恋愛
•交友関係
•趣味
•思想
•生活習慣
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平均は
100
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80から120の間は
正常
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それより外れると
逸脱値
と表示される。
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主人公の普通指数は
34
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理由は簡単だった。
結婚していない。
出世欲がない。
SNSを使わない。
友人が少ない。
恋愛にあまり興味がない。
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AIの評価はこうだった。
社会適応リスク
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最初に困ったのは
部屋だった。
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賃貸契約の画面に
赤い表示が出る。
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普通指数不足
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「申し訳ありません」
「当物件は正常指数以上の方のみ契約可能です」
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次は仕事だった。
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面接官は言う。
「能力は問題ありません」
「ただ…」
端末を見る。
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普通指数
34
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「組織適応が難しい可能性があります」
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主人公は
少し笑った。
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数週間後
通知が届く。
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普通矯正プログラム
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内容は簡単だった。
•SNSアカウント作成
•週三回の交流活動
•婚活サービス登録
•人気趣味コミュニティ参加
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AIは言う。
「安心してください」
「普通になることで生活は安定します」
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主人公は端末を閉じる。
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「普通になんかなりたくない」
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でも
生活は少しずつ
難しくなっていく。
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数ヶ月後。
主人公は端末を開く。
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普通指数
100
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部屋は借りられた。
仕事もある。
恋人もできた。
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AIの表示。
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正常
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街を歩く。
人々は
普通の服を着て
普通の会話をして
普通の人生を生きている。
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主人公は思う。
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普通って
思ったより
悪くないかもしれない。
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端末が振動する。
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普通指数
101
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画面の下に
小さく表示される。
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完全適応
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主人公は
その言葉を
少しだけ
誇らしく感じていた。




