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測定不能  作者: Wataru
16/25

役に立たない人の街

都市には、指数があった。


社会貢献指数


仕事。

納税。

生産性。


すべてが数値化される。


指数が高い人は都市の中心へ。

低い人は外側へ移される。


それだけのことだった。



主人公の祖母は、寝たきりだった。


指数は


0



病院の端末には表示されている。


社会貢献指数

0


非貢献者。



数ヶ月後、通知が届く。


非貢献者移送通知


祖母は


「保護都市」


へ移されることになった。



政府の説明は丁寧だった。


「社会貢献が難しい方のための街です」


「医療、住居、食事は保証されます」


「安心して暮らせます」



祖母は静かにうなずいた。


「いい制度だね」


怒っている様子はない。


ただ受け入れている。



保護都市は、静かな場所だった。


車は少ない。

広告もない。


急いでいる人もいない。



そこにいるのは

•高齢者

•病人

•失業者

•障害者


そして


働けない人たち。



公園では


老人が将棋を指している。


誰かが歌を歌っている。


子どもが笑っている。



誰も


何かを求められていない。



主人公は


管理センターの端末を見る。


住民の数字が並んでいる。



社会貢献指数


0

0

0

0

0



祖母の数字も


0



そのとき


画面が更新された。



人口最適化提案



新しい項目が表示される。



存在維持優先度



祖母の名前の横には


数字が出ていた。



存在維持優先度:12%



画面の下に


小さく説明が出ている。



「低優先度住民の整理が推奨されています」



主人公は


しばらく


画面を見ていた。



祖母は窓の外を見ている。


やがて言った。


「いい天気だね」



主人公は端末を閉じる。


祖母の隣に座る。


同じ窓の外を見る。



風が木を揺らしている。


遠くで


誰かが笑っている。



主人公は言う。


「今日は、いい天気だね」



祖母はうなずいた。



外では


今日も


人口最適化が進んでいる。



端末の画面には


存在維持優先度


12%


と表示されたままだった。

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