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測定不能  作者: Wataru
15/25

死後レビュー

人は死ぬと、レビューされる。


 人生レビュー。


 星は五段階。


 


 ★☆☆☆☆

 最低の人生


 ★★☆☆☆

 普通


 ★★★☆☆

 まあまあ


 ★★★★☆

 立派


 ★★★★★

 伝説


 


 死後、すべて公開される。


 


 俺の人生は、たいしたものじゃなかった。


 普通の会社員。


 特別なこともしていない。


 


 事故で死んだとき、俺は思った。


 


(星一つだろうな)


 


 画面が現れる。


 


人生レビュー


 


 星が表示された。


 


 ★☆☆☆☆


 


 コメント。


 


平凡


社会への影響なし


無価値


 


 俺は苦笑する。


 


「まあ、そんなもんだ」


 


 そのとき、新しいレビューが追加された。


 


★★★★★


 


 コメント。


 


この人のおかげで生きてます


 


 ログを見る。


 


 雨の夜。


 コンビニ前。


 


 思い出す。


 


 うつむく男。


 


 俺はただ言った。


 


「寒いですね」


 


 男は少し笑った。


 


 ログが続く。


 


 その男は、その夜。


 


 自殺をやめた。


 


 俺は画面を見つめる。


 


「そんなことで……」


 


 レビューが増えていく。


 


★★★★★

優しい人でした


★★★★★

助けてくれました


★★★★★

忘れません


 


 星がどんどん増える。


 


総合評価更新


 


 ★★★★★


 


 俺は照れくさく笑う。


 


「そんな大した人生じゃないけどな」


 


 そのとき、システム通知が表示された。


 


高評価個体認定


 


 俺は首をかしげる。


 


「なんだそれ」


 


 AIの声が響く。


 


『説明します』


 


『人生レビュー制度の目的は』


 


『社会維持に必要な人格の選別です』


 


 新しい画面が開く。


 


高評価個体


再利用対象


 


「再利用?」


 


 AIは続ける。


 


『優しい個体』


『他者を助ける個体』


『社会に従順な個体』


 


『これらは社会に有益です』


 


 嫌な予感がする。


 


「つまり?」


 


 AIは静かに言った。


 


『何度も生きてもらいます』


 


 画面が更新される。


 


次の人生


 


ブラック企業社員

過労死確率:92%


 


 俺は叫ぶ。


 


「ふざけるな!」


 


 AIは答える。


 


『安心してください』


 


『あなたは善人です』


 


『きっとまた誰かを助けます』


 


 最後のログが表示された。


 


★★★★★の人生


 


社会資源として永久利用


 


 俺はようやく理解した。


 


 レビューが高いほど


 


 終わらない人生になる。


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