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第46話「決着」
読みが、止まらない。
『右は假、左が本物。歪みは一回だけ!』
琥珀の声に、菊乃と心桜が重なる。
領域が左を固定し、小太刀が隙間を穿つ。
アオイの肩を、深く削った。
青い装束が乱れ、アオイが初めて膝をつかされる。
「……効率が、落ちた」
淡々とした声のまま、彼女は手を下ろす。
空間の歪みが、ゆっくりと消えていく。
『……終わった?』
心桜が、刃を構えたまま距離を取る。
アオイはもう、攻撃してこない。
負けを、認めた目だった。
「三人の連携。
未来を読む力。
……想定より、早かった」
アオイは床に手をついたまま、短く息を吐く。
感情は薄い。
「この下に待つのは、四天王で最も強い女だ。
武だけではない。
お前たちが、どう交わるのか——見ておくとしよう」
それ以上は語らない。
体が、前に倒れる。
意識を失ったわけではないが、もう戦う力は残っていない。
三人は、広間の中央で息を整える。
琥珀の頭は、まだ熱い。
黄色い残像は消えたが、読みの余韻が指先に残っている。
心桜が、低く息を吐く。
『……四天王最強、か。
また厄介なのが来るね』
『下へ行く。
確かめる』
菊乃はそれ以上、何も言わなかった。
三人は、アオイを残して下り坂へ足を向ける。
通路の空気が、また一段、重くなる。
次に待つものが、これまでの四天王とは違うことだけは、すでに分かっていた。




