表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
懊悩の淵  作者: 粘土
74/93

僕の未来

 まぁ、結局こうなるだろうと云う物です。

 此の世には沢山の仕事がある。なので、衣食住に困る事は無い。衣ならば、布きれで充分。食など三日に一片頂ければ好い。住む処は、少々困るが、廃屋や廃寺、最悪野宿でも凌げない事は無い。風呂など河で充分だ。僕はそんな暮らしをしている。偶には贅沢をするが、其れにしても即席麺の少しだけ高価なやつだ。せいぜい百円増し位の値段である。畢竟ひっきょう、下らない人生だ。死んで魂が残れば僥倖ぎょうこうだろう。

 紙に幾らかの想いを綴る。其れだけは安価であるからして、幾らでも出来る。読む者等必要無い。只々、只管に想いを綴るのである。其れが済むと一眠りする。明日も早い。近頃では空き缶を回収する事すら儘ならなく成った。近所のゴミ捨て場は勿論、遠くへ出向いても中々沢山は集められない。其れに、縄張りと云うものも有る。ほんの少しでも其れに触れれば、確実に痛い目に遭う。そうして、殺された友人も居た。運が良くて強制退去だ。そんな暮らしをするには知恵がる。他の縄張りには近付かない事。若しくは、他の縄張りのボスに気に入られる事。詰まり、近付く莫れ、或いは舎弟に成れ。其れが暗黙の了解である。然し、生きようとするならば何方にせよ、暗黙の内に引き受けなければならない。ならば、やはり、自分の領域を確保するのが正しい。野良猫でも野良犬でも喰えば好い。うしようもなければ其の辺の草でも喰う。生きようと思うのなら、腹痛位の覚悟は必要だ。幸い、小学生の頃に喰える草を教えて貰っていたので、其れが随分と役に立った。春にはつくし、ふきとうわらびぜんまい、夏には蝉、蛇、秋には同じくマムシ、公園に生えて居る沢山の果実、そして冬には、秋に収穫した果実の干し物。特に柿は好い。今時渋柿を干す輩は少ないから、盗まれて文句を云う奴は殆ど居ない。其れで足りなければ、仲間との物々交換だ。之が結構巧く行く。何しろ、多少の金しか得られない者は空腹で次の日に差し障るからだ。其れでもダメなら、炊き出しに並べば好い。其れだけで、先に挙げた通り三日は持つ。兎も角、争わねばかなり好い生活を送れる。だからこそ、書くのである。自身の生活や過去、そして、其の想いを。読まなれなくとも好い。自己満足だ。嗚呼ああ、あの時はこんなだったなと振り返るだけで好い。幸い、金が無いから酒は極偶にしか呑めない。従って、体は気を付けてさえいれば、所謂普通の生活を送っている者達よりも健全である。然しながら、何時何が起きるやも知れぬ。だから、書いて置こう。之までの人生と、将来に観た夢を。有り難き哉。まだ、生きて居る。


 然し、こうは成るまいと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ