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懊悩の淵  作者: 粘土
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不良品でも生きて居る

私の事です。実際家族にも見捨てられ、真面な職業に就けない事にすら構わず『お前はクズだ』と云われています。

 僕等は等しく平等で無ければならない。何故なら、命を授かったのだから。

「“不良品”って、生きてちゃいけないのかな」

 彼女の云う科白せりふに返す言葉が無かった。確かに、現在の社会に於いては誰も障害者を受け入れないと知っているから。

「ダメなんだよね。やっぱり」

 やるせない気持ちで一杯に成った心を、うして良いか解らなかった。彼女の気持ちを掃き捨てる気には到底成れない。

「好いんだよ。此の侭で。君に罪は無いんだから」

 逡巡の末に、「でも、親にも捨てられたんだよ?」と、彼女は哀しそうに返す。

 好いじゃないかと云った言葉でさえも、彼女を傷付けるのには十分だった。僕は何て残酷なのだろうと、後悔した。そして、何が出来るだろうと考えた。然し、答えは見つからなかった。

「きっと、赦されないんだよね。私みたいな“不良品”は」

 痛かった。心が。何かしらの拍子に出逢った僕等。互いに気持ちを繋げ、之まで生きて来た筈なのに、僕は彼女の心を抱きしめる事さえ出来ないで居る。そっと、抱きしめて、心を伝えれば良いだけなのに。其れが、余りにも難しい。結局、僕の両腕には彼女の心を支えるだけの力が無いのだ。けれども……。

「僕は君を護る。拙い手際でもきっと護って見せる」

 之は嘘じゃ無い。間違い無く、本当の決意なのだ。出来るかどうかなど関係無い。遣って見せる。彼女が打ち明けた以上、僕に対して、少なからず期待しているからだ。

「……苦労するよ?」と、彼女は又も哀し気に呟いた。

「好いさ。君と居られるなら」僕は自信を持って応えた。

 数分の後、彼女は、「へへへ」と笑った。僕も、「ははは」と笑った。

 きっと、之で好い筈なのだ。何が元で追い遣られるのか分からない社会。何が悪くて責められるのか解らない社会。多分、何方も間違いなのだろう。だから、

「君を愛してる」そう、呟き、囁き、何度も告げた。結果は締めて御覧じろだ。……

 

何ででしょうかね。持病を持って居ると罪なんですかね。一生懸命に生きて居るのに。因みに、『死ね!』と云われた事は数回では有りません。事実、四かい位十針縫う位のリストカットをしています。はっきり云って哀しいですね。親が成長をしていないと、そんな事すら平気で云うんですよ。そして、今や、『出て行け!』の連呼です。もう、社会なんて関係無い。やっぱり“不良品”は死ぬべきなんでしょうね。

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