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懊悩の淵  作者: 粘土
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空のお花畑

偶にはこんな事も考えます。

 月が自転しないのはきっとシャイだからだろう。後姿を、特に“お尻”なんかを見られたくないのだ。すると、の性格上、女性か、或いは少女なのだろう。星にだって命は有る。ならば、性別だって有るだろう。と、すると、星と云えるのか少しく疑問ではあるが、太陽は情熱的な女性かな? 何だか例えて行くと、星々は皆女性の様な気がして来る。箒星ほうきぼしなんかは、きっと親に叱られて家出をした少女だ。其の姿は一瞬の煌きでしかないから、何ともいじらしく、愛らしい。やっぱり、星は皆女性、いや、少女なのだ。の証拠に夜を待って美しくまたたいているではないか。考え過ぎかな? 其れは僕等への“プロポーズ”なんじゃないだろうか。『私を観ていてね? きっとよ。明日だって、明後日あさってだって。約束よ?』と、そんな風にも思える。しも、仮にだが、しも彼女達と一緒に成れたなられ程幸せだろう。一緒に旅が出来たら程愉快だろう。一緒に辿り着いた場所で抱き合えたなら、れ程のなみだを流す事だろう。想像だにし得ない。最早、空想だろう。けれども、れはれで好いのだとも思う。皆既食かいきしょくのエンゲージリング。僕等はれを確かに受け取っているのだから。れ上無いプレゼントじゃないか? 素敵過ぎるよ。まるで、待ち合わせの駅のプラットフォームで、申し合わせた通りのハンケチを振る乙女おとめの様じゃないか。エンゲージリングもハンケチも、約束のちぎりだ。前世から続く“赤い糸”なのだ。きっと。……

 満天の星空に、僕は手を振る。絶対に、僕の体の方が先に朽ち果てる。そうして、命は何処どことも云わず彷徨う事だろう。『ゴメンよ? babeベイブ。君に逢うのは次の機会になりそうだ』

 不思議と、哀しくはなかった。たとえ、何億年、何十億年掛かったとしても、二人、手を繋いで歩ける日が来ると、何故だか信じていたからだ。咲き誇る暗闇のお花畑に、もう一度手を振る。そして、『サヨナラ。またね』と呟いた。まだまだ、人生は長い。けれども、お別れの日は必ず遣って来る。詰まり、これから一緒に生きて行くだろう命の区切りを、今の内にしておいたのだ。だから、悔いは無い。少しだけ、淋しいけれど。未練さえ無ければ、れで好いのだ。嗚呼ああ。……

実はしょっちゅうこんな事を考えてます。

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