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懊悩の淵  作者: 粘土
61/93

前作の続きです

 咲くと見たりて夢とぞ知る。儚く散りて恋とぞ知る。

 紫のふじは赤を妬み、赤は藤に恋をする。詰まり、実らぬ心添えである。然し、美しき恋である。

 昔、死の好きな作文家の手に成る作中の激しき恋の行きつ行かれつである。付かず離れつである。謳い、謳いて、彼の二人は激突し、美しき火花を黒き世界に、黒き空に瞬く間に光らせて見せた。傍で観ていたもう一人は頬を赤らめ、二人の舞うごとに飛び散りしたたる甘きしずくを呑んでは酔った。其の為、たまさか二人の邪魔をする事も有った。其の度に右から左から平手を喰ったが、其れにすらアモー! アムリタ! と叫んで卒倒した。

 四人の男達は其々に評を下した。一人は美しき哉と。もう一人は馬鹿かと。もう一人は何うでも構わぬと。最後の一人は己の命を天秤に掛けていたので気が気では無かった。其処に少しくヴァジニティを感じ、前の三人の評にには大なるアイロニーを感じた。

 魚の目の腐った様は真に醜いものである。早く喰ってやらねば、どれ程活きの好い魚でも傷んでしまう。傷んだ上で喰うのは犬だ。畜生だ。先に挙げた三つの魂と、一人の文家を含めた三つ黒き影は犬ではない。たった一人。そう、たった一人だけが犬なのである。いや、狗か? そうか。ならば仕方無い。此処に綴った中には色が躍った。大きに。然し、まだ書く必要の有る物が在った。彼の作文家の好いた詩だ。詩を唄わねば薄だった。偽りだった。故に、幕を下そう。━━


お気付きの方には何の事だか解るでしょう

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