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懊悩の淵  作者: 粘土
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馬鹿者共

よく居る職場の主について書きました。

 私は二十歳を越えてから、後ろ指を指されまいとして生きて来た。陽の照る処を目指して。然し、現代と云う人々の心の通わぬ世界に於いては、其れは愚行であったらしい。何れ程真面目に勤めようとも、後ろから影が襲って来る。いや、既に影に覆われていたのだ。自然じねんの理とは最早まほろばの言葉でしか無い。言の葉を紡ぐ人など、幾ら探しても決して居ない。何故、こんなにも膿んでしまったのだろう。一歩を踏み出す度に足が腐る。手を伸べようとすると、途中で千切れる。もう、何にも触れられない。交わす言葉に嘘しか無いのなら、何万言なんまんごん交わそうと、先に進む可き価値など無い。何時からそうなった? 人は何の為に言葉を思いついたのだろう。其れはきっと、触れ合う必要も無く、互いの許容する範囲内での遣り取りを可能にする為だった筈だ。人には其々、近付いて好い距離と云うものがあり、多分に存在し、其れを探る為にこそ言の葉が産まれた筈なのだ。只、其れを必要とせずとも、理解し合える距離が有ろう。不思議な事に、大人に成ると共に、其の意思表示は消えて無くなる。即ち、察するしかないのである。全く矛盾している。其れを伝える為にこそ言の葉を紡ぐ能力を得たと云いうのに。文書でしか物の遣り取りが出来なくなった時点で、彼の者達は、人としての資質を放棄したと云って好い。例えば、クラウンを失った王は、果たして王と呼べるのか。否、呼べない。呼ぶ可きではない。民衆の賛美を、讃歌を失った時点で王は王ではないのだ。追放されて然る可き存在だ。即ち、何の様な立場に在っても、喝采を得られないのなら、既に人の上に立つ事適わず。何故此の様な世界に成ってしまったのだろう。技術が物を云うなら、きっと、最高のサーヴィスを提供出来る者こそが王であり、代表者であるのだ。都市国家であった時代が懐かしい。命を賭して、都市を護り、其の結果、尊敬、敬意、賛辞を受けるのである。そして、“市民”と云う称号を得ていたのである。其の事を鑑みると、現在の社会は甘過ぎる。経験年数が物を云うのだから。当たり前だと思って貰っては困る。出来てもいないクセに、年数が有るからと云う理由で、自身の立場を主張し『私はもう何年も遣っている。だから、平伏せと。』正に懊悩。溜飲の下がらぬ思いである。馬鹿者の上司は、現段階に於いての必要性を認め、“よいしょ”を繰り返す。其の内に更に勘違いをする様になるのだ。畢竟、一度目で出来るか出来ないかで判断する訳だ。馬鹿を云うな。経験則なら、負けて当然。然し、之からの可能性に於いては負ける積りは無い。其の内に私のサーヴィスを最も好いものとして遣ろう。其の時の奴等の顔を思い浮かべると楽しくて仕様が無い。今度は貴様らが味わえ。懊悩を。

困った事に、奴等を追い抜くと、クビに成るんですよね。

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