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懊悩の淵  作者: 粘土
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プロテスタント

 僕は一生懸命頑張っている。持病の所為でまともには扱われないが、出来る事なら何でも遣って来た。色々と、世間の差別が有るが、そんなものに目を向けていては生きては行けない。其れは実際である。本当である。座頭なんかが好い例だろう。

 僕の場合、脳がバグる。勝手に思考を始め、止まらなくなる。正気を失い、倒れてしまう。然し、其れは悪い事なのだろうか。ポジティヴな連中は、僕をいじけていると云う。別にいじけてなどいない。与えて呉れる仕事が有るなら、こなして見せる。事実、世の中の九割の人が嫌がる仕事さえした。ガンガン働いて、一日に十二時間働いても、日給八千円だったりもした。日給なので、無論、残業代は無しだ。当たり前の事なので我慢出来るが、ポジティヴな連中は基本、意識下か、無意識化に於いて、僕等の様な障害者を見下しているので、“お前等には御似合いだ”などと思っている。然し、其れは勘違いだ。君達ポジティヴな連中だって中途で障害者に成り得るのだから。そんな時、君達は何う思う? 差別されて当然だと思えるかい? 其れが君達の勘違いだ。何時までも、“パンとスープ”を当たり前に頂けるなんて思うなよ? 罪だ。勘違いは罪だ。慎ましい心を持っていない証拠だ。其れとも、“ケーキ”を食べろと云うのかい? 馬鹿馬鹿しい。好い加減に認識しなよ。ポジティヴな考えで、平気で居る奴はマイノリティを食い殺す野獣だ。マジョリティ、大いに結構。然し、人柱の上に立つ事を知れ。命を軽薄に見詰め、其れが為に死ぬ者達を無視する輩だ。考えを改めろとは云わない。然し、先述の通りだ。君達がそう成った時に尚、受け入れて、迫害も已む無しと思えるか何うかだ。マタニティー体験なんてのが有るだろう? 其処で君達はやっと苦しみを理解する。判然と云おう。『遅―んだよ』と。世の中の障害者就労施設では、其の地域の最低賃金で働かされている事を知ってるのかい? 知らないなら笑えるぜ。何しろ、世の中を知らない証拠だからだ。生かしても、殺しても、同じ給金だ。詰まり、差別だ。僕等が真っ当に働こうと思うと、国家資格が必要になる。其れこそ矛盾だ。生活に、活きる事に余裕の無い障害者が、何うやって国家の資格を得るのか。そんな時間なんてネーんだよ。

 ネガティヴを否定する人が嘗て居た。なら、君は勘違いしている。ネガティヴを知らずしてポジティヴが理解出来よう筈が無い。若しも、本当のネガティヴを知り、尚、ポジティヴを貫こうと云うなら、一応、口を閉じよう。然し、単簡なる想いで割り切ったなら、其れはポジティヴでは無い。自己の責任からの逃避である。「自分は悪くなかった。出来るだけの事を遣った。だから、悪くない」と、そう思っている訳だ。正に、インディビジュアルと云う可きものだ。

 ネガティヴな人間は之以上無い程にポジティヴを知っている。一方、ポジティヴな人間はネガティヴを知らず、自己の正義に準じて生きている。

 僕は、好い加減に気付いたら何うだと、何時も思っている。


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