78 ラッセン王国 不思議な森ファントムヴェール編 part01(改訂)
アリス
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翌朝。
アリス:この国はもう満足した! 次の国に行こう!
ミクリ:ごめんアリス、俺の剣の修理、あと一週間かかるって言われちゃった。
フノン:一週間の足止めですね。
アリス:えぇー……。まあ、仕方ないか。一週間のんびりしよう!
その一週間、アリスたちは街を観光したり、何度も王宮に呼ばれてご馳走になったりと、意外にも充実した時間を過ごしました。ミクリとフノンもしっかり英気を養い、ついに修理が終わった剣を受け取って再出発の時を迎えます。
アリス:さて、次はどこへ行く?
フノン:西に「ラッセン王国」という国があるらしいですよ。
アリス:えっ、ナガノの?
ミクリ:それは「ラッセンがすきー!」の方でしょ。
フノン:……ラッセン王国です。
アリス:クジラの絵を描く王様がいるの?
ミクリ:イルカじゃないか?
フノン:違いますって。普通の王国です!
アリス:じゃあ、そこに行こう!
ラッセン王国周辺地域
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一行は陸路で西への街道を進み、隣国のラッセン王国を目指しました。アリスの魔除け魔法が効いているのか、道中一度も魔物に遭遇することなく、馬車に揺られてのんびりと移動することができました。
国境の峠を越え、一行の目に飛び込んできたのは、まるで絵本から抜け出したような絶景でした。
北には澄み渡る青い海、南には四季折々の彩りを見せる山々。そのコントラストは息を呑むほど美しく、峠からは海風が心地よく吹き抜けます。
アリス:さあ着いたよ! ラッセンがすき!
フノン:ラッセン「王国」です!
サラ:アリスはバーカ!
アリス:バカって言うな! 分かってて言ってるんだから!
ミクリ:でも本当に景色がいいところだなぁ。
フノン:海と山のバランスが最高ですね。
アリス:ねえメリッサ、ラッセンがすき……じゃなくてラッセン王国のこと、何か知ってる?
メリッサ:ラッセン王国は漁業と農業が盛んな国です。ですが、この国を最も有名にしているのは、不思議な森ですね。
アリス:不思議な森! 面白そう!
フノン:また何かろくでもないこと考えてるでしょ。
アリス:失礼な。楽しみなだけだよ!
メリッサ:その森は「ファントムヴェール」と呼ばれ、古くから魔法が息づいています。植物や動物が魔法の力で人間のような意識を持ち、独自の社会を築いているそうです。木は話し、花は歌い、動物たちは賢者さながらの会話を交わすとか。
アリス:えっ、そんな森があるの!? 私の領土(北の魔王領)に欲しい!
ディネ:また始まったわ、欲しい欲しい病が。
サラ:本当に精神年齢が幼稚だよねぇ。
アリス:うるさいな! 名前もいいよね、ファントムヴェール! かっこいい!
ディネ:中二病ね……。
メリッサ:森の中央にはダイヤモンドのように輝く湖があり、そのほとりには「生命の泉」と呼ばれる場所があります。そこを訪れると心が清められ、願いが叶うという伝説があって、国内外から観光客が絶えないそうです。
アリス:その湖も欲しい! どうやったら魔王領に作れるかな?
メリッサ:それは私には分かりかねますが……。
そんな話をしながら馬車が進むと、一行はとある村に到着しました。しかし、そこで馬車を降りると、村人たちが何やら殺気立って騒いでいます。
アリス:あの、どうかしたんですか?
村人:反乱だよ! 森で反乱が起きたらしいんだ。まだ詳しいことは分からないんだが……。
アリス:えっ、反乱!? また!?
とりあえず今夜の宿を探すと、気のいいおばさんが泊めてくれることになりました。そこで詳しく話を聞いてみましたが、どうやら「森の住民」たちが反乱を起こしたらしい、ということまでしか分かっていないようです。
ミクリ:また反乱か。ついてないな。
フノン:今度の相手は市民じゃなさそうですね。それにしても、私たちよく反乱に出くわしませんか?
アリス:もっと詳しい情報が欲しいね。……よし、マリア! 聞こえる?
アリスは再び、秘書のマリアへ思念を送りました。
アリス:ラッセン王国に「バーストエンドミラージュ」の子はいる?
マリア:はい、アリス様。すぐに向かわせます。
マリアが答えた瞬間、目の前にふっと小さな女の子が現れました。
バーストエンドミラージュ 謎の少女レイ
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レイ:お呼びでしょうか、魔王様。
それは、リト王国で会ったばかりのあの少女でした。
アリス:あ、また君か! えーっと、名前は……。
レイ:レイと申します。
アリス:レイは、何カ国くらい掛け持ちしてるの?
レイ:3カ国でございます。
アリス:えっ、3カ国も!? バーストエンドミラージュってそんなに人手不足なの? こんな小さい子に頼りきりなんて。
レイ:いえ、私はこれでも優秀な方ですので。この見た目を利用すれば、大抵のおじさんはパンツを見せるだけで、勝手に重要機密をベラベラと喋ってくれますから。
アリス:……この社会、終わってるね。確かに諜報向きかもしれないけど……危なくないの?
レイ:大丈夫です。パンツ以上を要求する不届き者は、その場で「処理」しますので。
アリス:さすがバーストエンドミラージュ……怖っ!
レイ:アリス様でしたら、身も心もすべて進呈いたしますが!
アリス:いらんわ! ところで、レイみたいな子って他にもいるの?
レイ:他人の情報は機密ですのでお答えできませんが、私の姉が南の国で活動しているとは聞いています。
アリス:そうなんだ。……でも、北の魔族はほとんど絶滅したはずなのに、よく生き残ってたね。
レイ:私たちは北の出身ではなく、南部の出身なんです。マリア様にスカウトされて移籍しました。
アリス:なるほどねぇ。やっぱりマリアは優秀だ。ディアブロにはもったいないよ、ホント。……で、本題。ラッセン王国の反乱について、何か掴んでる?
レイ:かしこまりました。
この森は長らく王国と平和に共存してきましたが、アリス様が到着したその日、突如として反乱が勃発しました。
森の木々が動き出し、動物たちが王国の城門に押し寄せたのです。兵士たちは応戦していますが、魔法を操る森の住人たちには太刀打ちできていません。
原因は、森の古代の力に関係しているようです。ファントムヴェールの中心にある「生命の源」が何者かによって汚され、その結果、森の住人たちが正気を失い、王国への攻撃を始めた……というのが真相のようです。
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一言:
ラッセンの「イルカの絵」ネタ、懐かしいですね(笑)。
アリスの「欲しい欲しい病」やレイの過激な(?)諜報活動など、シリアスな反乱の裏で相変わらずのテンポが心地よいです。
次は「汚された生命の源」を浄化しに森へ向かうのでしょうか? お喋りな植物たちとの遭遇も楽しみです!




