04 鉱山編 エピソード4(改訂)
この回で、第二の精霊である 土の精霊ノームとの出会いになります。
ノームは、カッコ良く、頭もいい、魅力的な青年です。
恋愛モノにしてもいいかもなど思いつつも、話しが混沌としそうなので、この作品ではやめました。
ご期待された方には申し訳ございません。
水の精霊ウンディーネ (ディネ)
----------------------------------------------------
鉱山の入り口に着いた瞬間、冷たい空気がアリスの顔を叩いた。
アリス:「よし! 着いたぞ! ディネ!」
肩の上でディネが腕を組んで顔をしかめる。
ディネ:「あたしはこんな陰気な場所、嫌いなのよね……」
アリス:「中は真っ暗だな。松明がある!」
アリスは松明に火を灯し、坑道を慎重に進み始めた。
アリス:「こういう時に明るくしてくれる精霊がいたら便利なのに」
ディネ:「そういえば、この辺りに火の精霊サラマンダーが閉じ込められたって聞いたことがあるわ。場所はよく覚えてないけど」
薄暗い坑道を進んでいると、側面に不自然な穴が開いていた。
アリス:「あれ……?」
ディネ:「新しいダンジョンね」
突然、ゴブリンの叫び声が響く。
ゴブリン:「ギィィー!」
アリス:「おっと、早速出てきた!」
アリスは気を込めた剣を横一文字に振るった。
ゴブリンたちが次々と真っ二つに斬り裂かれ、地面に崩れ落ちる。
さらに奥へ進むと、巨大な石の扉が立ちはだかった。
重い音を立てて扉を開けた瞬間——。
アリス:「うわあああ! 地下都市じゃん! すげえ……!」
ディネ:「へえ、こんなところに街があったのね」
そこはゴブリンに占拠された廃墟の地下都市だった。
三百匹近いゴブリンが蠢き、薄暗い空間を埋め尽くしている。
アリス:「剣で一匹ずつ倒すのは面倒くさい……ディネ!」
ディネ:「わかってるわよ。任せなさい!」
ディネ:「アイスカノン!」
冷たい青い光が爆発し、ゴブリンたちを一瞬で吹き飛ばした。
アリス:「すごい! 一瞬で片付いた!」
ディネ:「当然でしょ。大精霊様の力なんだから。あなたのレベルがもう少し高ければ、もっと楽だったのにね」
アリス:「……最後に余計な一言を言わなくていいのに」
さらに奥へ進むと、神殿のような建物が見えてきた。
アリス:「神殿……?」
中に入ると、中心の祭壇に小さな石の箱が置かれていた。
アリス:「これ……お宝?」
ディネ:「ちょっと待って。アリス、その箱をじっと見て。意識を集中して」
アリスが目を閉じて集中すると、箱から淡い光が溢れ出した。
やがて、小さなモヤモヤとした光が姿を現す。
ノーム:「あーあ、よく寝た。久しぶりだな、ウンディーネ。400年ぶりか?」
ディネが目を細めて答える。
ディネ:「そうね。こんなところで何してたのよ」
ノーム:「いつの間にか祀られて、忘れられてたみたいだ」
ずんぐりとした体型の土の精霊——ノームは、どこか堅物そうな雰囲気を漂わせていた。
ディネ:「ノーム、お前は相変わらずチャラチャラしてるな」
ノーム:「ノームこそ頑固者ぶってないで、もっと柔軟になりなさいよ」
アリスは内心で苦笑した。
(やれやれ……この二人、合いそうにないな)
こうしてアリスは土の精霊ノームとも契約を結んだ。
ダンジョンの入り口に戻り、ノームのアースウォールで壁を作って封鎖する。
村に戻って村人たちに事情を説明し、翌朝には西の砂漠へ向かうことにした。
ディネ:「そういえば、西の砂漠の神殿にサラマンダーが封じられているらしいぞ。気が短くて悪さばかりする奴だ」
アリス:「火の精霊か……便利そうだけど、ちょっと怖いな」
洞窟を抜けると、一面の砂漠が広がっていた。
アリス:「わあ……! 本物の砂漠だ!」
ディネ:「乾燥が酷いわ……お肌が死ぬ……」
アリス:「あちゃー、喉乾いた。ディネ、水!」
ディネ:「無理よ。周りに水源がないと大した量は出せないの」
数滴の水がアリスの手に落ちる。
アリス:「これだけ……?」
ディネ:「贅沢は言えませんよ」
砂漠を歩き始めると、突然砂の中から巨大なサソリが飛び出してきた。
アリス:「スコーピオン!?」
ディネ:「土系の魔物は私の魔法が効きにくいから……頑張って!」
アリス:「今更言うな!」
アリスは剣に気を込めて何度も斬りつけ、なんとかサソリを倒した。
さらに進むと、今度は巨大な岩ゴーレムが立ちはだかる。
アリス:「次はこれかよ!」
何度か攻撃を弾かれた後、アリスは水魔法を剣に纏わせた。
アリス:「アイスシェイバー!」
氷の刃が岩を削り取り、ゴーレムを崩し去る。
すると地面が大きく揺れた。
ディネ:「真下から来るぞ!」
ノーム:「アースウォール!」
ノームの魔法で壁を作り、動きを止め、素早く背後に回り込む。
アリス:「ここだ!」
気を最大限に込めた剣を、弱点である口の中へ突き刺した。
サンドワームが断末魔の叫びを上げて倒れる。
アリス:「やった……!」
ディネ:「まぐれね」
アリス:「まぐれじゃないわよ!」
ディネ:「バカだから心配なのよ」
アリス:「バカバカ言わないで!」
ノームが小さくため息をつく。
ノーム:「……この二人、うるさいな」
アリスは砂漠の先を見つめながら、内心で拳を握った。
(次は火の精霊サラマンダー……どんどん強くなっていく)
鉱山の入り口に着いた瞬間、冷たい空気がアリスの顔を叩いた。
ディネとノームの力を借りて敵を蹂躙し始めたアリスは、精霊たちに振り回されながらも、自分の力で少しずつ前へ進み始めていた。
---




