03 小さな村編 エピソード3(改訂)
幼い頃から、剣士として修練をしてきたアリスですが、剣士として第二段階に進化して、アリスの武器の一つとなった、気を習得するきっかけとなったできことになります。
気の習得によりアリスは飛躍的に剣士として強くなります。
それで調子に乗ったりしますけど、異世界では明るく元気に振る舞うアリスを楽しんでください。
戦う冒険者 アリス
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初めての共闘、そして…
やっと崖の上まで這い上がったアリスは、地面にへたり込みながら息を荒げた。
「はあ……はあ……もう二度と落ちない!」
肩の上でディネが腕を組んで早口にまくしたてる。
ディネ:「町に行きたいのよ! 最新のスライム化粧水に、キングスライムの乳液、夜用の糸瓜パックも新作が出てるらしいし——」
アリスは額の汗を拭いながらため息をついた。
アリス:「……こいつを黙らせる方法、ないかな」
魔物の気配を払いながら森を進むこと数時間。
ようやく木々の隙間から、小さな村が見えてきた。
アリス:「やっと……人里だ」
村外れの粗末な家から老婆が出てきて、目を丸くした。
老婆:「まあ! こんな可愛いお嬢ちゃんが、魔物の森から出てくるなんて……大丈夫かい?」
アリスは照れくさそうに微笑んだ。
アリス:「銅級冒険者なんで、大丈夫です。魔物退治しながら来ました」
老婆はさらに目を細め、じっとアリスの顔を見つめた。
老婆:「ふふっ……あなた、シェラール王女様にそっくりだね。ドレス着せたら本物かと思うくらい」
(やべっ……!)
アリスは慌てて話題を変えた。
老婆は温かく迎え入れてくれ、夕食にシチューをごちそうしてくれた。
不思議なことに、老婆にはディネの姿も声も見えていないようだった。
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翌朝。
村はずれで大剣を振るうアリスに、明らかに只者ではない老剣士が声をかけてきた。
老剣士:「面白い動きだな。その剣技、自己流か?」
アリス:「基本は騎士に教わりましたけど、自分でアレンジしてます」
老剣士は目を細めて笑った。
老剣士:「ちょっと手合わせしてもいいか?」
短い打ち合いが始まった。
老剣士の剣がアリスの剣に触れた瞬間——
「カキーン!」
甲高い音と共に、アリスの剣が大きく弾かれた。
アリス:「なっ……!?」
魔力は感じなかった。
ただ、純粋な「気」が剣に乗っていた。
老剣士は穏やかに説明した。
老剣士:「気は万物に満ちている。それを剣に込めるだけだ。君ならできる」
そこから一週間の修行が始まった。
丹田に気を溜め、剣に流す。
朝から晩まで繰り返す日々。
ディネは最初こそ「また無駄なことしてる」とぼやいていたが、徐々に口数が減っていった。
一週間後。
アリス:「よし……これでどうだ!」
アリスは気を込めた剣を横に一閃した。
数十メートル先の木が、音もなく真っ二つに倒れた。
アリス:「スゲェ……!」
ディネが珍しく目を丸くする。
ディネ:「へえ……やるじゃない。孫みたいに成長が早いわね」
アリス:「孫って言うな!」
修行の成果を確かめるように森に入ると、ゴブリンが10匹以上群がってきた。
アリス:「来い!」
気を込めた横一文字。
ゴブリンたちが一瞬で上下に分断された。
さらに現れたゴブリンキングも、縦一文字で真っ二つ。
続けて出てきたオークたちも、同じく一刀両断。
アリス:「これ……前より全然楽!」
ディネ:「レベルを上げないと本当の意味じゃないわよ。勘違いしないの」
ディネは呆れながらも、どこか楽しげだった。
森を抜け、西の街道を進むと次の村が見えてきた。
日が暮れそうだったので、アリスは村に入り、子供を抱えた母親に声をかけた。
アリス:「すみません、宿を探しているんですが……」
母親:「うちでよければ泊まっていきなさい」
親切に家に招き入れてもらい、温かい夕食をいただいた。
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翌朝、村の広場がざわついていた。
ディネが偵察に行き、すぐに戻ってくる。
ディネ:「村の鉱山に急に魔物が出るようになったみたい。働けなくて困ってるわ」
アリスはすぐに村人たちの輪に加わった。
アリス:「銅級冒険者ですが、鉱山の魔物退治を手伝えますか? ゴブリンキングやオークくらいなら問題ありません」
村人たちは最初驚いていたが、結局頼むことにした。
アリスは朝の陽光を浴びながら、険しい山道を鉱山に向かって歩き始めた。
ディネが肩の上でため息をつく。
ディネ:「町に行きたかったのに……また寄り道?」
アリス:「困ってる人がいるんだから、しょうがないでしょ」
アリスは笑いながら剣の柄に手を置いた。
(この力、ちゃんと役に立てるように……!)
やっと崖の上まで這い上がったアリスは、地面にへたり込みながら息を荒げた。
それから数日が経ち、ディネの毒舌に振り回されながらも、アリスは自分の力で少しずつ前へ進み始めていた。
初めての共闘の予感と共に。
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