02 ファーストコンタクト編 エピソード1(改訂)
水の精霊ウンディーネと聖なる精霊使いの魔剣士アリスの最初の出会いです。ウンディーネとアリスの愛ある信頼関係があるからこそ言えるおしゃべりはここから始まりました。
「なるほど、こんな出会いだったんだ」
と楽しんでください。
冒険者 アリス
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数時間前——。
「はぁ〜、最高!」
馬車に揺られながら、アリスは大きく伸びをした。
青空の下、森林の爽やかな香りが漂う辺境の街道。護衛の依頼を受けてのんびり移動中だ。
「天気も良いし、空気も美味しいし……この世界、来てよかったかも」
前世の記憶がよみがえる。いじめで不登校になったゲーム廃人の日々から、事故で死んでこの世界に転生したのはもう少し前のこと。美少女の体と剣の才能を手に入れた代わりに、レベルはまだ10と低めだった。
突然、御者の叫び声が響いた。
「冒険者様! 山賊です!」
馬車が急停止する。
アリスは素早く飛び降り、腰の剣に手をかけた。
「予定通り、Uターンして逃げて! こっちは私が——」
5、6人の山賊が武器を構えて迫ってくる。
「容赦しないよ!」
アリスは剣を閃かせ、踊るように戦場を駆け巡った。
剣を弾き、回転し、低く沈んで足を斬り、腕を切り裂く。
一瞬の隙も与えず、6人目を倒したところで残党が逃げ出した。
「逃がすか!」
追おうとしたそのとき——。
「助けてー! 誰か助けてー!」
遠くから、か細い女の子の声が聞こえた。
アリスは耳を澄ませ、小川の方へ駆け寄る。
そこにいたのは——身長わずか10センチほどの、水色の髪をした小さな少女だった。
足を大きな魔物の魚に噛まれ、動けなくなっている。
アリス:「妖精……?」
ディネ:「見えるのね! ちょうどいい! 私と契約して! 早く!」
小さな少女——ディネは必死に叫んだ。
アリスは少し迷ったが、目を閉じて彼女に意識を集中した。
モヤモヤとした光が現れ、甘い声が響く。
「あなたは、私と契約しますか?」
アリス:「する!」
赤い魔法陣が足元に浮かび上がり、すぐに青く輝きを変えた。
契約成立。
水の精霊ウンディーネ
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水の精霊ウンディーネ——ディネ。
ディネはアリスの肩の少し上に浮かび上がり、ニコリと笑った。
ディネ:「これであなたの魔力と私の力が繋がったわ。すごい……魔力量が魔王級だなんて、珍しいわね」
アリス:「私は水の精霊ウンディーネ。ディネって呼んで。よろしくね、アリス」
アリス:「よろしく……って、待って。どうして私の名前を知ってるの?」
ディネ:「契約した瞬間、いろいろ見えたのよ。ふふっ」
ディネはすぐにいつもの調子に戻った。
ディネ:「ところであなた、レベル10なの? 魔力だけはすごいのに、使い方が全然ダメね。早く強くなりなさいよ」
アリス:「……はいはい」
アリスは苦笑いしながら、ディネに言われた通り「オープンシステム」と唱えてみた。
目の前に半透明のステータス画面が浮かび上がる。
アリス:「へえ、こうやるんだ……」
ディネ:「当然でしょ。魔法はイメージよ。ほんと世話の焼ける契約者ね」
その後、街道に戻ったが馬車はすでにいなくなっていた。
アリス:「報酬……逃げられた」
ディネ:「だから早く町に行きましょうって言ったのに! お肌の手入れも大事だけど、今は安全第一よ!」
アリス:「近くに町なんてないよ。暗くなる前に村を探す」
ディネ:「村!? 村じゃ美容液が買えないじゃない!」
ディネの小言を聞き流しながら、アリスは歩き続ける。
道中、カイザーウルフが3匹現れた。
アリス:「足を狙うんだっけ……えい!」
ディネ:「そう! やればできるじゃない!」
ゴブリン5匹の群れにも遭遇し、ディネの指示を参考に腕を狙って次々と倒していく。
しかし、何匹も相手にしているうちに疲労が溜まってきた。
丘の上で一息つこうと腰を下ろした瞬間——。
影が覆い被さる。
巨大な翼の音。頭上から、ワイバーンが急降下してきた。
アリス:「えっ——!?」
片足を掴まれ、アリスは一瞬で空へ連れ去られた。
アリス:「うわああああっ!? このクソ鳥!」
ディネが肩の上で叫ぶ。
ディネ:「ほら! だから気を抜くなっていったでしょ!」
数時間前までは、ただの森の中で魔物を狩っていただけだった。
それが、どうしてこんなことに——。
ディネの毒舌と容赦ない世話焼きに振り回されながらも、アリスは今日も前を向く。
この最強(で面倒くさい)相棒と共に、逆境の運命を切り拓いていくために。
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