03 小さな村編 エピソード3
幼い頃から、剣士として修練をしてきたアリスですが、剣士として第二段階に進化して、アリスの武器の一つとなった、気を習得するきっかけとなったできことになります。
気の習得によりアリスは飛躍的に剣士として強くなります。
それで調子に乗ったりしますけど、異世界では明るく元気に振る舞うアリスを楽しんでください。
戦う冒険者 アリス
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やっと崖を登って人里に向かって歩き出した。
ディネ「私は町に行きたいのよ!
町で最新のスライムの化粧水を買って、
乳液はキングスライムのね!
あと夜寝る前に顔パックが必要だから、
顔用のパックもいるわね!
顔パックは糸瓜がいいけど、最近新作が出たらしいから、それも試してみたいわね!」
アリス「相変わらずムダな話しをするディネを黙らせるために、
何か良い方法はないものか?」などと色々考えたり、
魔物を退治したり
とそうこうしていると、家と小さな集落が見えてきた。
アリス「やっと村に到着したよ。」
村外れに住んでいるお婆さんに出会った
アリス「すみません!」
お婆さん「まあ!こんなに可愛いらしいお嬢ちゃんが、こんな危ない森の中から出てきてどうしたの?」
(可愛いらしいに反応して、アリスはちょっと微笑む!)
アリス「えー!この森はそんなに危険なのですか?」
お婆さん「この森は魔物の森と呼ばれていて、村人は誰も入らないから」
アリス「そうだったんだ。魔物の森ね。確かに魔物が多かったです。ただ、これでも銅級冒険者ですから魔物退治をしながらここまで来ました。」
と説明して、ビックリされた。
さすがに、幼い美少女で銅級冒険者はなかなかいないよね、と考えていると、
お婆さん「それにしても、、、
あなたはシェラール王女様にそっくりだね」
アリス「そうなのですか?」(内心:「やべーぇ!」)
お婆さん「本当によく似ていて、とても愛らしいわ。ドレスを着ていたら絶対に間違えられるわね。」(内心:「そりゃそーでしょ!」)
それを聞いて、ここは知らないフリして、今は忘れよう!
何か聞いたけど気のせいだと思うことにする。考えるだけムダムダ。
お婆さん「夕食は温かいシチューを用意しますので、それまでゆっくり休んでください」
アリス「シチューが食べれるなんて嬉しいです」
村外れのお婆さんから、とても温かく迎えられて、初日はあっという間に過ぎていきました。
そういえば、お婆さんには、(とても美しい?精霊さまの)ディネが見えていないらしい。精霊のディネの話しも聞こえていないらしい。
不思議な感覚だ。
目の前にいるのにね。聞こえるのにね。
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翌朝、大剣の稽古をしていると、明らかに他の村人とは体格の違う老人がやって来た。
老剣士「面白い練習をしているね。その技は自己流なのかな?基本の剣術は騎士の技だと思うが。」
アリス「そうです。剣術は知り合いの騎士に教わりました。その後、自分の体型、力に合わせて、効果的な動きを考えました。」
老剣士「ほう!まるで社交ダンスのように動くので、技が生きているように感じてな。
ちょっと手合わせをお願いしてもいいかな?」
アリス「ええ。もちろん。」
構えて相手の動きに合わせて、ダンスを踊るように剣を撃ち合う。
老剣士「なるほど、面白い。
でも、こうした方が相手に効くと思うけど」
と言うのと同時に、老剣士は剣に念を込めて、撃ってきた。
「かキーン!」
剣を合わせただけなのに、こちらの剣が弾かれた。
一体なぜ?どういうこと?
魔力が籠った感じではなかった。
魔力が籠っていれば、魔力に合わせた適性が出る。例えば、火だと火の適性を持った剣になり、火の攻撃を受ける。
そういった魔力の適性ではなかった。
アリス「一体どうやったのでしょうか?
教えていただけますでしょうか?」
素直にお願いしてみた。
老剣士「もちろんいいですよ。 簡単なことです。
気を剣に込めるだけですから。」
アリス「気? そうか、気だったのか。」
老剣士「気は万物すべてにあります。その気をコントロールすることです。」
アリス「私でもできますでしょうか?」
老剣士「魔力を剣に込めることはできますか?」
アリス「少しですが、できます。」
老剣士「同じように気を剣に乗せるだけです。
もっとも乗せる気を作り出すのが一番大変ですが、あなたなら練習すればできるようになると思いますよ。」
アリス「是非御指導をお願いします。」
老剣士「よろしい。それじゃ、始めるか」
そこから、気の修行が始まった。
最初は丹田(おへその辺り)に気を貯めることから。
次第に剣に乗せるまで。
一週間ほどの修行の日々が始まった。
そういえば、魔物が多い森のすぐそばにあるこの村が無事なのは、この老剣士がいるかららしい。
なんとか様になってきたところで、旅立つことにした。(町に行きたがるヤツがいるので、あまり長居はできない。)
アリス「申し訳ございません。少し長いしてしまいました。
色々教えて頂き、誠にありがとうございました。
そろそろ旅立とうと思います。」
老剣士「そおか。もう旅立つのか。寂しくなるな。
気の鍛錬の修行は続けるんじゃよ!」
アリス「わかりました。今までありがとうございました!」
老剣士「何時に旅立つつもりなのかい?」
アリス「すぐに旅立つつもりです。
本当にありがとうございました。」
老剣士「おう!元気でな!」
アリス「はい!」
村外れのお婆さんの家に行き
お婆さん「もうお別れかい?」
アリス「ハイ!残念ながら」
お婆さん「それじゃ。これを持ってお行き」
当面の携帯食料を受け取る。
アリス「ありがとうございます。
それではまた。元気でいてくださいね。」
後ろ髪を引かれる思いで、村を出発した。
アリス「さあ!出発だね!」
ディネ「こんな村はいいから、早く町へ行くわよ!」
アリス「またそういうことを言う」
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アリスは村を出て、西に向かった。
一番近い町は西の砂漠の先にあるらしい。
森を抜けるのが近道と聞いたので、入ってみると、さっそくゴブリンが現れた。
アリス「1匹見つけると、5匹、10匹と増えてくる。ゴキブリかよ!」
アリスは剣を抜き、戦う体勢をとると、気を溜め始めた。
アリス「よし!さっそく修行の成果を試してみるか?!」
ディネ「そんなに簡単にできるようにはならないでしょ!?」
アリス「じゃ、見てて! 剣に気を込めて、横一文字!」
すると、ゴブリンが10匹まとめて上下真っ二つにされていた。
アリス「スッゲー!
離れているのに、上下真っ二つだよ!
しかも一振りで!」
ディネ「ヘェー!なかなかやるじゃない。」
アリス「どうよ!ディネ!見た?
これで簡単にレベルアップできるようになったよ。」
ディネ「まあ。孫にも技って感じだね。」
アリス「孫にも?って、どういう意味じゃ!」
アリス「まだまだ出てくるゴブリンどもを一網打尽に、真っ二つ!」
50匹くらいで、静かになった。
アリス「これなら前より楽に戦えるよ!」
すると、ゴブリンキングが現れて
ゴブリンキング「うぉー!」
アリス「出たな!キング!
さぁ、どこまで通用するかな?!」
剣に気を込めて、
アリス「縦一文字‼️」
10m位は離れていても、剣を縦に振ると気は相手に届いた。
ゴブリンキング「わぁ〜!」
キングも一刀両断。
そのあと、オークが現れても、一刀両断。
アリス「こんなに簡単に倒せるようになるなんて、私も強くなったよね!」
ディネ「まったく勘違いして、いい気なものね!
レベルを上げないと意味ないのに。」
アリス「たしかに、レベルを上げるのが最優先だけど。まあ、いいか!考えても仕方ない。」
ディネ「そうそう!早く町へ行こうよ!」
アリス「はいはい。町へ行きましょう!」
と先を急ぐことにした。
森を抜けて、街道を西へ進むと、村が見えてきた。
アリス「そろそろ日も暮れるので、今日はここで休むことにしよう!」
村に入ると子供を抱えたお母さんがいたので
アリス「すみません!」
お母さん「なんだい。旅の人かい。」
アリス「そうです。西に向かう途中で、この辺で泊まるところはありませんか?」
お母さん「泊まるところをお探しかい?
じゃ、家に泊まるかい?」
アリス「泊めていただけるのですか?
ありがとうございます。
是非、お願いします!」
こうして親切なお母さんの家に泊めてもらうことになった。
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翌朝、目が覚めると、村の中心部で人が集まって、何やらヒソヒソと話していた
アリス「ディネ!こっそりと様子を見てきてよ。」
ディネ「あいよ!」
ディネはキラキラ輝きながら、ふわふわと村の中心に飛んでいく。その後、ちょっとして戻ってきた。
アリス「どうだった?」
ディネ「村人が働く鉱山に急に魔物が発生して、鉱山で働けなくなったからどうしようと話していたけど。」
アリス「きっと困っているのよね!」
これは冒険者の出番ですね。」
アリスは村人が集まるところに行って
アリス「よろしければ、銅級冒険者の私が、鉱山の魔物を退治して、様子を見てきます」
村人「お嬢ちゃんには無理だよ。気持ちだけ受け取って置くよ」
アリス「いえ。これでも冒険者の端くれです。上位の魔物は無理ですけど、ゴブリンキングやオークなどの下位の魔物なら余裕でお片付けできますので」
村人「それじゃ、お嬢ちゃん!頼むよ!
でも気をつけてな!」
アリス「わかりました!まさせてください!」
と村人と約束して鉱山に向かった。
鉱山へ向かう道は険しい山道だったが、途中で魔物に会うこともなく進んだ。