17 王都編 エピソード10 part3
アリス
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ギルドで報酬をもらって、次の依頼を探しているとアリスはハイエルフから話し掛けられた。
ハイエルフ「あのー。もしよろしければ話しさせてもらえますか?」
アリス「なんでしょう?」
ハイエルフ「あなたはすごい方なのではないでしょうか?」
アリスは考えた。
「まさか王女のときの知り合い?
いや、ハイエルフに知り合いはいないはず。
じゃ、すごい方ってどういう意味?
どこかで身バレしたっけ?
もしかしてファイアドラゴンを倒した噂でも聞き付けてきたとか?
それなら他にも声をかけてくる冒険者がいてもおかしくない。けど、いない。
どういうこと?」
アリス「すみません。すごくはないと思いますけど‥。どういうことですか?」
ハイエルフ「いや!すごいです!
私は未だかつて、こんなにたくさんの妖精殿を従えた人を見たことありません!」
アリス「はっ!」
アリス(小声で)「ちょっとこっちに来てください!」
ギルドの個室を借りて、部屋に入った。
ミクリ「たくさんの妖精様って何?」
アリス「なぜわかるのですか?」
ハイエルフ「見えているから。」
アリスは諦めたように、落胆して
アリス「そうですか。見えているんですか。」
ハイエルフ「はい。エルフ族は元々妖精様の加護で暮らしていたので。特にハイエルフになると見えてしまいます。」
ディネ「アリス。この人なに言っているの?」
ハイエルフ「おーーーーー!
そんなこと言わないでください!
水色のドレスの可憐な美少女よ!
なんとお美しい!
お名前は?」
ディネ「えっ!私はウンディネ。」
ハイエルフ「おーーーー!
あの最上位の大精霊様なんて!
神々しいお姿はまさに天使!」
ディネ「わかっているじゃない!
それにしても私と会話できるの?何者?ハイエルフと言っても、契約もしないで私たちと会話できる者はそんなにいないはずなのに。」
ハイエルフ「すみません。最古のハイエルフの族長の娘になります。魔術師のフノンと申します。
お隣の真っ赤なドレスを召された凛凛しい美少女のお名前は?」
サラ「私はサラマンダーよ」
フノン「えーーーーーーーー!!!
これもまた最上位大精霊さまではないでしょうか。なんと素晴らしい!
最上位大精霊が2名ですよ!
それでは、こちらの黄色いドレスをお召しなったお方のお名前は?」
ノーム「僕はノームだよ。」
フノン「えーーーーーーー!
またまた最上位大精霊さまではないでしょうか。
なんという素晴らさ!
最上位大精霊さまが3名なんて。
信じられないです!
もしかして緑色のドレスを身に付けられた妖艶な淑女さまのお名前は?」
エント「エントですわよ。」
フノン「なっ!なっ!なっ!なっ!なんと!
こちらの大精霊さまも最上位の大精霊さまなんて!
いったいどうして?
最上位大精霊さまが4名なんて。
とても信じられないです!
ということは。
こちらの漆黒のドレスを纏った控えめで凄く輝いている美少女のお名前は?」
ジェイド「ジェイドですけど。」
フノン「やっぱり5人目の
最上位の大精霊さまなのですね!
もう何も言えない!
頭がパニックです!
こちらの純白のドレスの幼さのある美少女さまのお名前は?」
ウィプス「ウィプスですよ。」
フノン「やっぱり6人目の
最上位の大精霊さまなのですね!
それも伝説級の光の大精霊さまですよ!
イヤイヤイヤイヤ。
ウソです!ウソです!
絶対そんなわけがございません!
最上位の大精霊さまですよ!
みなさん!
魔力が保つわけがない!
あなたの命が危険ですよ。」
ミクリ「あのー。この方はさっきからなに言っているの?聞こえる。聞こえないとか。」
アリス「ごめん。ミクリ。
後で説明する。今説明するとややこしくなるから」
フノン「すみません。興奮して。
勝手にお話しして。
そうですよね。
普通なら見えないし、
聞こえないですからね。
でも本当にみなさんは最上位の大精霊さまなのですね?
正真正銘の?」
アリス「そうですが。
それで、私たちにお話しとはなんでしょう?」
フノン「実は、パーティメンバーを探してまして、有望そうなパーティに入れていただきたくて、声をかけてしまいました。
だって最上位の大精霊さまが6人ですよ!」
ミクリ「大精霊さまが6人?????」
フノン「普通なら1人。すごく優秀な魔術師でもせいぜい2人。それも同時に召喚されているなんて、見たことも聞いたこともありません!
それにみなさんは最上位の大精霊さまなのです。
是非パーティメンバーに加えていただきたくて、お願いいたします!」
アリス「私たちも魔術師のパーティメンバーを探していたから、ちょうどいいけど、フノンさんのことよく知らないし、ミクリはどう思う?」
ミクリ「あのー。僕だけ話しについていけてないし、でも魔術師のメンバーは欲しいし‥」
ディネ「私はいいと思うよ。それなりに魔力は高いし。んーーー。スキルも持っているわね。」
フノン「ありがとうございます。」
アリス「ディネは少し黙っていて。」
ノーム「俺もいいと思うよ。バカじゃ無さそうだし。礼儀もちゃんとしてそうだし。」
サラ「俺はどっちでもいい」
アリス「あんたたちは少し黙っていて」
ミクリ「アリス。どうしたの????」
アリス「ミクリ。ごめん。後で説明するから。」
ミクリ「フノンがパーティメンバーに加えて欲しいというなら、一度、依頼に着いて来てもらって、それで判断してもいいんじゃないかな。」
フノン「ありがとうございます。是非お願いします!」
アリス「そうね。それが一番いいかな。」
ディネ「私もいいと思う」
サラ「僕もいいと思う」
アリス「お願い。あんたたちは少し黙っていて。」
フノン「そうだ!風魔法で、皆さんの声をミクリさんに送れますよ!」
ディネ「ヘェー。やってみて!」
フノン「それじゃ!古代風魔法ことほぎ!#%^^*^#+=%」
フノンが呪文を唱えると、妖精の声がミクリにも聞こえるようになった。
ディネ「本当に聞こえるの?」
サラ「ミクリ。僕だよ!ウフフ!」
ミクリ「なになに???耳なりが‥
誰もいないのに声が聞こえてくる??????????????」
アリスは宿に帰ってミクリにもわかるように説明した。やっぱりすぐには理解できずに、パニックになっていたけど、一晩考えて、少しは頭が整理できたようだ。
アリスが強力で不思議な魔法を使えるようになったことも納得できたようだ。
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精霊の会議 6人
場所は、亜空間の会議室。
「皆さん集合しましたね」
ノーム議長が木槌を叩く
「トントン」
「これから第9回6大精霊会議を始めます。
議題は、ハイエルフの魔術師フノンについてです。」
ノーム「パーティメンバーになりたいと言っていますけど、みなさんはどう思いますか?」
ディネ「私はいいと思うわよ。それなりに強いから。美形だし!」
サラ「僕は賛成ー!」
ウィプス「なかなかいいと思う。話せるしね。」
ジェイド「僕は嫌だな。話し聞かれたくないし。恥ずかしいから。」
エント「使い方次第では?」
ノーム「それでは今回も様子を見るということにしたいと思います。
以上。」
パチパチ(拍手)
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