12 太陽の神殿編 エピソード9 part2
シェラール王女様
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ギルドに戻るとファイアドラゴンを封印した功績がギルド本部にも認められて、金級になることが決定していた。
ミクリとアリスは、2人で互いを見つめ合い、
ミクリ「もう金級だよ。早いね!」
アリス「早いね!」
ミクリ「つい先日に、銀級になったと思ったのに、もう金級だよ!」
アリス「そうだね!」
ミクリ「嬉しい?」
アリス「いや。分不相応だと思う。」
ミクリ「やっぱり」
アリス「やっぱり。やばいね。」
ミクリ「やばいね。なんとかしないと」
アリス「そうだね。なんとかしないと。」
ミクリ「今、金級の依頼はやばいよ!」
アリス「私もそう思う!」
翌朝、ギルド長からまた呼び出された。
今度は北西の草原でアンデッドの魔物が大量発生していて、村を襲っているという事で、至急何とかして欲しいという依頼である。
早速、北方西部の草原に向かった。
北方西部に着くと、領主のグレイス子爵に挨拶に行った。
アリス「グレイス子爵様、お久しぶりでございます。」
グレイス子爵「これはこれは、‥」
グレイス子爵が話そうとするとすぐに近づいてヒソヒソと
アリス(小声で)「子爵!内密な視察ですので!身分は隠すように!」
アリス「私はアリスです!冒険者をやっております。この度、ギルドの依頼で草原の魔物退治に来ました。」
グレイス子爵「これはこれは、 アリス? 様!
ようこそこの辺境にまで参られました。長旅でお疲れでしょう!今日はゆっくりお寛ぎください。」
アリス「子爵様。ありがとうございます。
もうすぐ日も暮れるので、今夜はゆっくり休んで、早朝に出かけます。
その前に北部草原の魔物の様子を聞かせてください。」
子爵の話しによると、最近急にアンデッドの魔物が出てきて、草原西部の村々が襲われているそうである。
最初は北北西の村が襲われたらしい。
明日は魔物を退治しながら、最初に襲われた北北西の村を訪ねることにした。
翌朝、草原に出かけると、アンデッドの魔物が大量に徘徊していたので、片っ端から、横一文字で一度に10匹くらいづつ倒して行った。
500匹くらい倒して、あらかた倒し尽くしたので、北北西の最初に襲われた村を目指した。途中も10匹くらいのアンデッドの魔物が現れて、襲って来たので、そいつらを瞬殺しながら進んだ。
最初の村に着いたが、人気は無く、無人の家ばかりだった。
ただ一家だけ家族が住んでいて、冒険者で助けに来たことを話すと、魔物や村人の状況について話しを聞くことができた。
他の村人は東に逃げて行ったこと。
自分たちは逃げ遅れて隠れたこと。
魔物は北西の方角から現れたこと
など、聞くことができた。
魔物の発生源と思われる北西に向かうことにした。
途中、何度か魔物に襲われたが、このレベルの魔物には、楽勝であった。
先を進むと、どす黒い沼を見つけた。
見ていたら、この沼から魔物が現れて来た。
アリス「これが原因だね!」
ミクリ「そうだね。これが前に聞いてた北部平原に現れた魔物を生み出す魔の沼じゃないかな」
アリス「そうだ!これが魔の沼だ!」
少し待っていると、沼の中央から黒い霧が出てきて、ピカピカ光ったと思ったら、オークが出てきた。
ミクリが閃光で退治した。
ミクリ「やっぱり、ここから魔物が出てくるね。でもこの沼をどうすればいいかわからない。」
アリス「待って。方法があるかも。最近レベルが上がるのと同時に、魔法の腕も上がった気がする。
ちょっとやってみても良いかな。」
ミクリ「もちろん!」
アリス(小声で)「ウィスプ様。力を貸してくれないかな?お願い!」
ウィスプ
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ウィスプ「いいよ。どうするの?」
アリス(小声で)「私の剣に乗り移って欲しい!」
ウィスプ「わかった。いいよ。」
アリス「では!聖なる光属性剣!セイントセイバー!」
アリス「聖なる光の攻撃!セイントビームブレード!」
聖なる光の光束砲が、魔の沼に命中すると、次第に浄化されて、単なる平原に戻った。
ミクリ「すごいな!アリスは正教会の魔道士団みたいだね。」
アリス「良かったよ。効いたね!」
ミクリ「正教会の魔法まで、いつ使えるようになったの?」
アリス「なんとなく。使えそうだと思って。」
とても精霊のことは、まだミクリには言えないかな。
アリス「これで依頼は片付いた。帰りに、グレイス子爵に報告してギルドに戻りましょう!」
と出発して街道に入ると、魔物の群勢に襲われている馬車を見つけた。
ミクリ「アリス!行くよ!」
と言って、真っ先にミクリが飛び出した。
アリス「さすが閃光のミクリ様!早い!」
アリスもすぐに後を追った。
ミクリとアリスの加勢であっと言う間に魔物の群勢を退治した。
アリス「大丈夫ですか?」
と声を掛けると中から出て来たのは、シグナス王国の姫君ノアール王女だった。
ノアール「助けてくださってありがとうござい‥。
シャル?シャルよね!」
アリス「ア・リ・ス! アリスです!」
ノアール「随分と服装が違うけど、あのオテンバのシャルでしょ!」
アリス「オテンバは余計だ。」
アリス「ノアール王女様!ちょっとこちらへ!」
アリスは王女を馬車の裏手につれていく。
アリス(小声で)「私は今冒険者として旅していて、身分を隠しているの!
だから、今はアリス!わかって!」
ノアール「わかったわ。シャル‥じゃなくて、アリス!あなたは昔からよく冒険者の真似して遊んで、母君に怒られていたわよね!」
アリス「それは言わないで、特に母から怒られた話し。落ち込むから。」
アリス「ノアールはなんでそんなことを覚えているんだよ。もっと素敵な思い出もあるでしょ!」と思うだけ
天の声「人間って所詮はそんなものである。」
※たまに天の声が出てくるので注意。
シグナス王国 ノアール王女様
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精霊の会議 6人
場所は、亜空間の会議室。
「皆さん集合しましたね」
ノーム議長が木槌を叩く
「トントン」
「これから第7回6大精霊会議を始めます。
議題は、契約者がお姫様だった件についてです。」
ディネ「私はわかっていたわよ。」
サラ「僕には関係ないね。」
エント「あら。私たちにも箔がつくから良いじゃない。」
サラ「それにしてもお姫様って感じしないけどね。」
ジェイド「僕は好きだけどね。気さくな感じに憧れるから。」
ウィプス「でも主人公がお姫様ってなんか定番過ぎない?安易って言うかさ!」
天の声「そんなことはない!」
ノーム「それでは、契約者がお姫様だったとしても問題ないということで
今回の会議は終わりたいと思います。
以上。」
パチパチ(拍手)
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アリス「ところで、どうしてこんなところにいるの?ノアール姫。」
ノアール「そうそう!今、シグナス王国は大変な状況にあるの!
だからシエステーゼを王国の力を貸してほしくて、シエステーゼ国王にお願いするために、王都に向かう途中でした。」
アリス「シグナス王国で何があったの?」
ノアール「実は、北の果てで闇の魔王が復活して、闇の群勢を作り始めたの。
その軍勢の指揮官がエルムガンド帝国も出陣の準備をするように要請して、シグナス王国にも同調するように求めてきた。
もし同調に応じなければ、シグナス王国を侵攻して滅ぼすと脅してきた。
最近になって、エルムガンド帝国の軍勢がシグナス王国の国境付近に集結しているとの情報が入ってきたの。
シグナス王国には、エルムガンド帝国の軍勢を抑えるだけの兵力はないから、シグナス国王は悩んで、私にシエステーゼ国王にお願いするように言われて、今、シエステーゼ王国の王都に向かっていたら、魔物に襲われたの。」
アリス「それは一大事ね!
すぐに王都まで行かないと。
さっきの魔物をきっと魔王の配下ね。
この辺の魔物にしては強かったから。
また魔物が襲って来る可能性は高いから。姫君は私たちが守るわ。
ミクリ、いいよね?」
ミクリ「当然。困っているときは助け合わないと。任して。」
アリス「それでは一緒に王都に向かいましょう!」
アリスたちの馬車が出発して、後をノアール王女の馬車が続いた。
アリスが先頭を行くことで魔物はアリスたちが退治する方となった。
アリス「王都かぁ!
懐かしいな!」
<天の声>
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