11 太陽の神殿編 エピソード9 part1(改訂)
火の精霊サラマンダー(サラ)
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北方の奥深く、神殿の入り口に着いた瞬間、アリスは目を輝かせた。
「わあ……! 本当に神殿だ!」
ミクリが周囲を警戒しながら静かに言う。
「何か……強い魔力が感じる」
ディネが肩の上で小さく頷く。
「ここよ。ウィプスが封じられているはず」
サラが元気よく飛び跳ねる。
「光の精霊か! どんな奴だろ!」
ジェイドが静かに呟く。
「……光と闇は相性が悪いけど……大丈夫かな」
ノームが低く。
「まずは中に入ろう」
エントが優しく。
「みんな、怪我しないようにね」
神殿の内部は白い大理石でできた美しい回廊が続いていた。
しかし、奥へ進むにつれて空気が重くなり、魔物の気配が濃くなっていく。
アリスが剣を構える。
「来る!」
突然、天井から巨大なスケルトンナイトが何体も落ちてきた。
アリスとミクリが即座に連携を始める。
ミクリの高速剣がスケルトンの脚を切り裂き、アリスが気を込めた大剣で上半身を粉砕する。
サラの炎が骨を焼き、ディネの氷が動きを止め、ノームの土壁が逃げ道を塞ぎ、ジェイドの闇の矢が弱点を突く。
エントが後方から回復の光を放ちながら。
「みんな、頑張って!」
一気に十体以上のスケルトンナイトを倒し、奥の祭壇に辿り着いた。
そこにあったのは、光り輝く石の棺。
アリスが魔力を注ぐと、眩い光が爆発し、小さな光の精霊が飛び出した。
光の精霊ウィスプ
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明るい金髪に、いつも笑顔を絶やさない少年——ウィプスだ。
「やっほー! 解放してくれてありがとう! 君が新しい契約者?」
アリスがにっこり手を差し伸べる。
「うん! シェラール・アリスだよ。よろしくね、ウィプス!」
ウィプスが元気いっぱいに握手する。
「よろしく! 僕、光の精霊ウィプス! みんなを明るく照らすよ!」
ディネが腕を組んで微笑む。
「ようこそ、ウィプス」
サラが即座に突っ込む。
「光の奴か……まあ、元気そうだな」
ジェイドが少し後ろに下がりながら。
「……眩しい……」
ノームがぼそり。
「賑やかになるな」
エントが優しく。
「これで6大精霊全員ね。みんな仲良くしましょう」
ウィプスがアリスを見て目を輝かせる。
「アリスちゃん、魔力すっごいね! これなら僕の力、フルに使えるよ!」
アリスが笑顔で頷く。
「じゃあ、早速試してみようか!」
神殿の外に出ると、ちょうど魔物の群れが近づいてきていた。
アリスが剣を構え、ウィプスに声をかける。
「ウィプス、頼む!」
ウィプスが明るく手を掲げる。
「任せて! ライトニングボルト!」
眩い光の雷が魔物たちを一瞬で焼き払った。
アリスが目を丸くする。
「すげえ……!」
ミクリも珍しく驚いた顔で。
「すごい威力だ……」
ウィプスが胸を張る。
「どう? 僕、役に立つでしょ!」
アリスが親指を立てて笑った。
「バッチリ! これで後方支援も完璧だね」
一行は神殿を後にし、北の街道を南下し始めた。
馬車の中で、6大精霊がいつものように賑やかに話し合う。
ウィプスが元気よく。
「これからみんなでアリスちゃんを最強にしようね!」
サラが笑いながら。
「そうだな! 僕の炎とウィプスの光で派手にいこうぜ!」
ジェイドが小さく。
「……でも、無理はしないでね」
ディネがため息混じりに。
「本当に……この子たち、うるさいわね」
ノームが低くぼそり。
「静かにしろ」
エントが優しくフォローする。
「みんな、仲良くね」
アリスは馬車の窓から外を眺めながら、ふと呟いた。
「北方……なんか、闇の気配が強くなってる気がする」
ミクリが静かに頷く。
「ああ。俺も感じる。そろそろ王都に戻った方がいいかもしれない」
アリスは剣の柄を握りしめ、明るく笑った。
「うん。でも、その前に……もう少し冒険を楽しもうよ!」
しかし、その言葉とは裏腹に、アリスの胸の奥では、先日から感じ続けている不穏なざわめきが、少しずつ大きくなっていた。
(続きは次話で)
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