神隠し44
「では、そのような術の行使は考えておられないと?」
そう不安気に訊かんでもさぁ。
「そらそうだ。
考えなしに術を放って人類滅亡とか世界崩壊なんざぁ、ごめんだかんよ。
そうなりゃ当然、俺も無事では済まんかんな」
えっ?自分が無事なら放つのかって?
………ソンナ、ワケ、ナイヤン、ね。
そう告げたらアリンさんがホッとした顔にな。
何やら心配掛けたみたいやな、すんまそん。
しかし○空術とかは竜玉系だから無理かもしれんね。
だがレビテーションやフライなどの魔術系なら再現可能じゃね?
しかも、しかもだぞ。
重力系なら過重でなく軽重系なら行けんじゃね?
慣性制御とかベクトル操作なんてぇのは、正直イメージがわかない。
いや、物語や漫画、アニメなどでは表現されてるが、正直抽象的過ぎるわな。
あれを元にイメージって難易度高過ぎっしょっ!
他にも色々…って、んっ?
さっき放った地球が消えずに残ってんな。
しかし、ちたまって、何処かのニコニコしてる大王みたいな言い回しだな、をい。
地球と区別してみたんだが、頭が悪過ぎる言い回しだったかな?
って、ん?件の大王を知らない?
っか、古過ぎる!?酷すっ!
それはそうと、結界も土球も消えずに残ってるし、結界内は水で濡れたままだ。
つまり、俺が作った物は一時的ではなく存在し続けるってことか?
もしそうなら…夢が広がりんぐ!
家電とか生物などの複雑な物は無理だとしても、可能性は広がるよね、うん。
「ねぇ、アリン。
葵様、また良からぬこと、考えてらっしゃらないかしら?」
ヒューデリア嬢!失敬だぞっ、チミイッ‼
「そんな訳ないじゃないですか!
俺が鳥車内で有意義に行える真素操作についてのですね」
「ヤッパリ、変なこと考えられてますわっ!」
だからぁっ、失敬っしょっ!ったくぅ…
「まぁまぁ。
葵様も危険なことは、流石に考えてはおられないでしょうから」
そう擁護してくれるが…目が笑ってないやんね。
信用ねぇなぁ、もぅ。
「いやね。
俺が作った結界や土塊とか消えてないっしょ。
結界内が濡れるってことはさ、水も消えずに残っている訳だ。
っうことは、俺は鳥車内なら物を創り出せるっうことになんねぇか?」
そう俺が告げると、アリンさんが驚いたように問い質してきたよ。
「葵様が真素操作にて維持されておられるのではないのですかぁ!」ってね。
だからさ、正直に答えたよ。
「いや、全然」ってね。
「ぇ、ええっ?なんですの?
真素操作で真素を操って維持してないのに、真素操作で創られた物が維持されるのですか???」
完全に混乱状態やね。
だがなぁ…
「そんなに変なことか?」って訊いたらギョッとされた。
いや、ギョッとするほどのことではないと思うのだがな。
「あんなぁ、聖女様は欠損が生じた怪我の治癒も行えるんだろ?」
そう尋ねたらな。
「そうですわ。
偉大なる聖女様だから成せる偉業ですわよ」ってヒューデリア嬢が自慢気にな。
いや、なんで、お前が自慢気なんだ?
「ならさ、治癒後に真素操作を止めたら欠損部は消えるのか?」
「そんな訳ないですわっ!」
いや、即答っか、早いな、をいっ!
「なら、真素操作を止めても創り出した物が消えない実例じゃぁねえか」ったらさ、「あっ!」ってな。
をいをい、気付けよな、をいよう。




