神隠し43
取り敢えず、飛行中の鳥車内での真素操作検証を俺が行うのは危険となり、中止となったよ。
2人が言うには俺の真素操作は異常らしい。
いや、俺、この世界の一般的な真素操作など知らんもん。
「非常識っうけどな、簡単な基礎を想像して行っただけだぜ?」
そう告げると、仰天されたよ。
「あれが、基礎なのですの?」っと、慄いたようにな。
「いや、基礎ってもな、想像上の空想の産物だぞ。
魔術や魔法なんか、あちらの世界に実在しないかんな。
小説なんかでさ、初歩的に行われる、って書かれてたから、取り敢えずは基礎ってるだけなんだが?」
そう教えたんだが、なんか納得しとらんようだな。
したら、アリンさんがな。
「先程の真素操作を初歩と思われているのなら、それ以上がおありになると?」って訊いてきた訳よ。
問われたら、答えてあげるのが、世の情けってか?
「そうだな、取り敢えずは形を変えるとかかな」
「形ですか?」
「そう、弾や矢、槍に剣だろ、鞭なんかもあるな。
生き物として、鳥とか蝶、あ、龍なんかもあるか」
告げてる最中から皆の顔色がな。
どったの?
「そうそう、各属性の人形騎士を創り出して戦わせたりだな。
大規模なのだと、竜巻を発生させたり、更に炎の竜巻とかさ。
雷雨を伴う嵐や吹雪なんてのもあったっけか?」
うや、皆さん…青白、蒼白を通り越して土気色に…
顔色悪過ぎるぞ、大丈夫かいな?
「あっと、絶対零度とか、氷河期なんて凍てつく系もあったけか?
そうだった、そうだった、肉体強化系を忘れちゃなんねぇなっ!
魔術を纏った魔装なんて、憧れるよなっ!」
そんなことを告げたらさ、パタパタと何人か倒れたぞ。
体調が悪かったのかな?
無理はいかんぞ、無理は。
「随分と体調が優れない方が多いようだな。
大丈夫なのか?」
思わず気遣って尋ねてしまったよ。
俺って気遣いができる男だからな、うん。
そんな俺へな。
「誰のせいだと、思ってるんですかぁぁっ!」ってな。
えっ、なに、ヒューデリア嬢、怒、怒なの?
アノ日で機嫌が悪いのかしらね?
「葵様、今の話を聞けば、誰でも恐れ慄くと思います。
世を滅ぼすおつもりで?」
アリンさんが深刻な顔で…いや、マジで訊いてる?
「はぁ?なんで、そうなる?
ありゃぁ物語の中に書かれていた話だぞ。
現実じゃぁ、ねぇんだからさ」ったらさ。
「今、物語の中の術とやらを、実現したばかりではないですのぉっ!」ってヒューデリア嬢からさ、盛大なる突っ込みがな。
せやったな…
「いやいや、流石にさ、あのクラスの術は試さんぞ」
んっ?亀さん派を試そうとした?なんのことかね?
「物語ではな、それこそ星を滅ぼしかねない術も書いてるな。
物語だから世界や星が滅亡しないご都合主義になってっが、流石に現実でやったらさ、おおごとだかんな」
メテオとかメテオ・レインやスターダスト・レインにムーン・ストライク。
ビッグ・バンとかブラック・ホールにスーパー・ノヴァなどなど…
星どころか星系、いや星雲が滅びかねない術の記載がさ。
あれで、敵だけがダメージを受ける不思議…現実には、あり得んだろっ!




