表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/151

神隠し13

馬車から階段を使用して降りる。

それは梯子でなく、シッカリとした階段だ。

階段用スペースが設けてあり、足場もシッカリした家屋用と同じ階段なんだぞ。


確かに移動し易いが、馬車には過ぎる代物では?っと思うのだが…小屋ほどのデカさを誇る馬車だから今更か?


そんな階段を(くだ)ると、地面と馬車の段差を埋める階段台が設置されており、そこを伝って下車したよ。

乗り込む時には感じなかったが…降りるには、ちと恐いぞ、この階段台…

地面へ降り立ち、ほっと一息。


そんな俺を出迎えたのは立派な衣装を纏った威厳ある御老人。

彼の後ろにも高貴な方々と思われる者達が控えていたよ。

なんぞ、これ?


あまりなことにビビってよる俺へ、威厳満載たる御老人が声を掛けて来た。

「ヨコソ、ヨク、コラレタ」っと。

日本語やん!?


「え、え~っと…、その…こちらこそ、お招きいただき恐縮です。

 それで、あなたは?」

思わず告げてしまった訳だが、不躾だったか?

御老人が眉を(ひそ)めている、拙ったか!?


「ワレ、スコシ、ワカル。

 ソナタ、ハナス、ハヤイ。

 ワカラナイ」

え~っと…日本語は少ししか解らないから、俺の話しが速すぎて解らないと?


仕方ないから、もう一度ゆっくりとね。

いざ、テイク2。

「お招きいただき、ありがとうございます。

 日本語が解る方が居られ驚いております」

ゆっくりと告げたら理解していただけたようでな。


「ウム、アラタメテ、ヨコソ。

 ニホゴ、ジウリウ、カイキウ、シル、ヒツヨウネ」

え~…ジウリウ、カイキウ???

あっ、上流階級のことかな?


むぅ…なかなかに厄介やもしれんぞ、これ…

だが、カードとジェスチャーでのやり取りに比べれば雲泥の差だろうさ。


「なるほど、そうでしたか。

 では、あなたが一番話すのが達者なので?」

そう尋ねると御老人が(かぶり)を横へと振る。


「ワレ、ゴウシ、ナレバ、アイサツ、シテオル。

 ワレ、ナ、ガケロ・ザウント、ナル」

「あ、申し遅れました。

 私は(あおい) 和弘(かずひろ)と申します」

思わずヘコヘコと御辞儀を、我ながら日本人だなぁ~


その後、後方に控えていた青年が前へで出て来て会釈した後に…

(わたくし)はアリン・ザウントと申します。

 とうザウント郷の郷主一族に連なる者ですね。

 分家の者ですが、郷主であるガケロお祖父様の孫に当たります。

 当郷へご逗留の間は私が案内いたしますので」っと。


おおぅ、まともに日本語を話せる者がっ‼


「アリン、ゴウ、キテノ、テンサイ、アル。

 タヨル、ヨイ」

ガケロ老人が自慢気にな。

いや、まさに自慢なのだろう。


しかし、話しが通じる相手が現れて助かるぜっ!

これは是非にとも、色々と教えて貰わねばなるまいな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ