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4四、 兄弟、大罪の淵にて
その頃、兄弟は「憤怒」の化身となったアウグストのもとで、究極の兵士として英才教育を受けていた。
「兄さんは死んだ。名もなき敗北者として。僕こそが、この世界の『正しさ』を体現する。父上の望む、完璧な支配者になるのだ」
兄弟の瞳からは、かつての輝きが消え、冷酷な「法」という名の傲慢が宿っていた。
彼は、自分が守ってきた「品性」が、今や誰かを踏みつけるための「凶器」に変わっていることに気づかない。
主人公は、師匠の小屋を後にし、雪の降り始めた山道を下り始めた。
背負っているのは、名もなき刀。
胸にあるのは、静かに燃える熾火のような決意。
「待っていろ。……本当の『痛み』を、教えに行く」
主人公の歩みは、もはや迷いによる揺れはなかった。一歩一歩が、大地を打つ槌音のように、確かで重かった。




