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心金を打つ ー 。  作者: 此花 陽


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3四、 運命の槌音


意識が朦朧とする中で、主人公は懐かしい声を聴いた。

「おれの言うことだけ聞いていればいいんだよ……」

父の声だ。逃れられない呪縛が、死の淵にいる彼を嘲笑いに来たのか。


だが、その声を掻き消すように、硬く、重く、規則正しい音が響き始めた。

――トン、トン、トン、トン。


彼が目を覚ましたのは、深い森の奥にある、煤けた小さな鍛冶小屋だった。

全身を包帯で巻かれ、身動き一つ取れない主人公の傍らで、一人の老人が黙々と鉄を打っていた。


「目が覚めたか、無名の野良犬よ」


老人は振り返りもせず、火花を散らしながら続けた。

「友を救えず、刀を折られ、怒りに身を任せて無様に敗れた気分はどうだ?」


主人公は、乾いた声で答えた。

「……死んだ方が、マシだった」


「ほう。ならば今ここで死ぬか? それとも、その『折れた心』を、もう一度火の中に入れて叩き直すか?」


老人は、かつて伝説の刀匠と呼ばれながら、ある「痛み」をきっかけに表舞台から姿を消した、本作の師匠であった。

外の世界の理不尽と、自分自身の醜い憤怒に打ちのめされた主人公の前に、ついに**「真の鍛錬」**の扉が開かれた。


その小屋の隅には、弟が持っているような華美な刀ではない、銘も装飾もない、ただただ鈍い光を放つ**「鋼の塊」**が置かれていた。

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