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3三、 暴走する憤怒
「あああああぁぁぁぁ!」
主人公の脳内で、何かが弾けた。
悲しみなどという生ぬるい感情ではない。それは、自分の無力さ、理不尽な世界、そして友を殺した男への、純粋で破壊的な**「憤怒」**だった。
無理やり引き抜かれた刀は、錆を撒き散らしながら真っ赤に染まった。
主人公は獣のように敵へ躍りかかった。知性も、礼節も、修行の成果も、すべてを怒りの炎で焼き尽くし、ただ「殺す」ことだけを目的とした一撃を放つ。
だが、怒りに任せた剣は、あまりに単調で、あまりに脆かった。
「……弱いな。怒りに身を任せるのは、知性を捨てた家畜と同じだ」
敵の剣客は冷笑を浮かべ、主人公の渾身の一撃を紙一重でかわすと、その刀の「腹」を強く叩いた。
――キン、という甲高い音が響く。
主人公の、父から授かった唯一の繋がりであった刀は、根元から無残に叩き折られた。
敵の追撃が背中を裂く。主人公は激痛と絶望の中で、深い谷底へと転落していった。




